地域全体で土づくりをする広島の「循環型コンポスト」
適切に手を入れることで、健やかな森林を保とうとする持続可能な森づくり。日本でも、自分が暮らす地域の森を元気にするための取り組みが各地で始まっています。建築やデザイン、食やレジャー、教育など、そのアクションはじつにバラエティ豊かでユニーク。その根底には、森と共生することで自然も自分たちの暮らしも豊かにしたいという思いがありました。今回は、広島で行なわれている取り組み「せとうちコンポスト」を紹介します。
廃棄物を有効活用してコンポストに。地域全体で大きな循環を生み出す

神社仏閣などに使われる建築様式を取り入れ、釘を使わずに組み立てられる工夫を施した。〈生原商店〉が販売
近年、徐々に暮らしに浸透しつつあるコンポスト。そんな中、注目を集めているのが、コンポストを使って地域の環境をまるごとよくしようと取り組む広島発の〈せとうちコンポスト〉だ。
基材に使うのは地元、広島県三次市の浄水場に溜まった里山のミネラルから生まれた「瀬織」という土壌改質材に、葦や籾殻くん炭を混ぜたもの。

外箱の設計デザインは〈ure〉の岩竹俊範が担当
外箱には県内の間伐材を使用し、山の整備を行いながらこれまで廃棄されていた資材を有効活用して循環型のコンポストを完成させた。

微生物が生ごみなどを分解、良質なたい肥が生まれる
コンポストでできたたい肥は家庭菜園で使うほか、余ったものはたい肥を活用する循環の場「土の駅」に持ち込めば、県内の農家や牧場、緑化施設で使ってもらうこともできる。市民と自治体、民間企業や団体が協力してその土地の土づくりをする画期的な取り組みだ。
●情報は、FRaU2024年8月号発売時点のものです。
Text:Yuriko Kobayashi Edit:Yuriko Kobayashi Composition:林愛子




