世界有数のナチュラルワインフェア「RAW WINE」が東京で開催! 生産者と味わう、自然派ワインの最前線
ヨーロッパと北米を中心とした10都市で開催されている、世界有数のナチュラルワインフェア「RAW WINE」。5月10日から2日間、「RAW WINE TOKYO 2026」が東京で開催されました。会場には日本および世界各国のナチュラルワイン生産者と日本酒・焼酎の生産者が集結。多くのナチュラルワインファンが訪れ、テイスティングや生産者との対話を楽しみました。
地球や人にやさしく、ピュアで力強いワインが大集結
2011年にロンドンで誕生した、世界最大級のナチュラルワインフェアRAW WINE。現在はパリ、ニューヨーク、ベルリンなどで開催されており、東京での開催は今年で3回目となる。世界中から参加しているのは、オーガニックで栽培されたブドウを、添加物や醸造補助剤を極力使用せずに、ナチュラルな方法で醸造をおこなう生産者たちだ。大人気のナチュラルワインだが、全世界のワイン生産量1%にも満たない量しかつくられていないという。
「RAW WINEは単なる試飲イベントではなく、生産者やインポーター、飲食業界、そして消費者をつなぐ、ナチュラルワイン文化の交流の場になっています。ここ日本は、重要なナチュラルワイン市場として世界から注目されているんですよ。RAW WINE Tokyo 2026には約70の生産者やインポーターが参加していて、その約3分の2が海外からの参加者。日本国内からは、20を越えるワイナリーや酒蔵が集まっています」(RAW WINE創設者イザベル・レジュロンさん)

イタリア・ピエモンテ州のナチュラルワインのトップ生産者、オレク・ボンドニオさん。元プロスノーボーダーという異色の経歴を持つつくり手だ
ワインづくりには、品質を安定させ、劣化を防ぐため亜硫酸塩がつかわれるのが一般的。瓶詰め後のワインの品質をキープしたまま長期熟成できるメリットがあるが、土地特有の野生酵母や微細な成分まで抑えてしまうというデメリットもある。RAW WINEでは、使用される亜硫酸塩の有無だけでなく、その使用量までを開示。厳格な品質基準と透明性を掲げるイベントとして、生産者やワインラバーたちから熱い視線を集めているのだ。
「ナチュラルワインは、ブドウ畑を取り巻く自然環境やワインの個性(テロワール)をそのまま表現した“生きたワイン”。いうなれば純粋に発酵したブドウジュースそのもので、土地や気候、生産者の哲学が映し出されたワインなのです」(イザベルさん)

テイスティング用に提供されたのは、ドイツのグラスウェアブランド「シュピゲラウ」の新作グラス「ピノ」。北海道余市町のワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」の協力のもと開発された
今回のフェアは、東京モノレール沿線にある「東京流通センター」で開催された。受付を済ませて軽くてオシャレなワイングラス「ピノ」を受け取り、多くの人々がテイスティングを楽しむカウンターを回ってみる。
フランスにイタリア、スペインなどナチュラルワイン先進国のほか、ワイン発祥の地とされるジョージアに南アフリカ、アメリカ、中国などなど世界中のワインが一堂に会している。それぞれのカウンターにはオシャレなラベルが貼られたボトルが並び、スパークリングに赤、白、ロゼ、オレンジワインと説明が添えられている。……ん? オレンジ?

元鳥類学者のギオルギ・ラジェバシヴィリさんが友人たちと設立した「Ugly Fellas’ Wine」社のワイン。カヘティ地方に春を告げる鳥「コウライウグイス」のイラストがカワイイ
オレンジワインといっても、原料はオレンジの果実ではなく白ブドウ。赤ワインの製法でつくられた、オレンジ色のワインだという。白、赤、ロゼに続く第4のカテゴリーとして、世界中で大きなブームとなっているのだ。ジョージア共和国のナチュラルワイナリーによる「Ugly Fellas’ Wine」のオレンジワインを試したところ、フルーティで華やかかつ奥行きのある香りと、ほどよい渋み&旨みが感じられてうっとり。まさに白ワインがもつ華やかなアロマと、赤ワインの渋みとコクが融合した、ハイブリッドワインだ。
世界中の生産者が待つカウンターを回って、自らつくったナチュラルワインを注いでもらう。アメリカのナパバレーの軽やかなワイン、イタリアのスルスルいけちゃう(危険!)軽やかなワイン、エレガントでフェミニンすぎるフランスのワイン、繊細かつ、みずみずしい日本のワインと、どれも土地土地の情景が浮かんできそうな秀作ばかり。どれも果実味があふれるピュアな味わいで、それぞれの酸味や発泡感が楽しい。

イザベルさん(右)と、ドイツのグラスブランド「シュピゲラウ」日本法人取締役社長を務めるウォルフガング・アンギャルさん(左)
軽やかでピュアなナチュラルワインは、和食にとても合いそう。イザベルさんによると、世界中のナチュラルワイン生産者が、日本に熱い視線を送っているそうだ。
「日本にはワイン文化の知識と洗練されたガストロノミーの土壌があり、ナチュラルワインへの広い理解があります。ですから日本は生産者にとって非常に魅力的な市場であり、自身のワインが日本で扱われることは大きなステータス。軽やかで繊細なナチュラルワインは、日本の食文化と非常に相性がよいのです。今後は、サステナビリティや品質、倫理的な生産に関心を持つ層にさらにアプローチしていきたいと考えています」(イザベルさん)
photo&text:萩原はるな




