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アメリカ・メンフィス発! 厨房の片隅の「シェフズ・テーブル」に世界中から予約が殺到するのは、なぜ!?
アメリカ・メンフィス発! 厨房の片隅の「シェフズ・テーブル」に世界中から予約が殺到するのは、なぜ!?
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アメリカ・メンフィス発! 厨房の片隅の「シェフズ・テーブル」に世界中から予約が殺到するのは、なぜ!?

かつて綿花の取引の中心地として栄え、同時に悲道な奴隷貿易の拠点でもあったアメリカ・テネシー州のメンフィスに、近年劇的な変化が続いています。リバーサイドの都市開発が進んだことで、犯罪の多かった街が学生や経営者の移住先として選ばれるようになり、全米でも有数のエキサイティングな実験場に変貌。なかでも、ミシュランが認めたレストラン「Felicia Suzanne’s (フェリシア・スザンヌ)」の“厨房で味わうシェフズ・テーブル”には世界中から予約が殺到しています。

怒号が飛ぶ厨房で女性シェフの熱量に圧倒される!

アーティストやクリエイターが古い倉庫をアトリエに変え、自分たちのコミュニティをつくりあげているメンフィス。物価が安いことから多くの若者が移り住み、自分たちで街を盛り上げようというZ世代やミレニアム世代の熱気であふれている。ソウルやブルースが生まれた古きよき音楽の街は、いまや“物流の心臓地”とさえ呼ばれている。

そんなメンフィスに、世界中から多くの美食家が足を運ぶ「フェリシア・スザンヌ 」があるのをご存じだろうか。1926年に建てられた古い建物をリノベーションしたこのレストラン、店内にはチェッカーパターンのタイル床や大理石のロングカウンターなどが設えられ、エレガントかつ落ち着いた雰囲気だ。

「いま、一番ホットな食を求めて日本からはるばるやってきたんだ!」と伝えると、レセプショニストが笑顔で案内してくれる。美しいバーやラウンジを抜け、さらに薄暗い廊下を進んで、厨房へと案内される。その片隅に、丸いテーブルと6脚のイスがあった。

ここは、その日に仕入れた最高の地元食材を、ゲストの好みに合わせてシェフが目の前でコース料理をつくり、提供してくれる特別なテーブルだ。メニューは用意されておらず、ゲストはシェフの包丁さばきや火入れを見ながら、食材がひと皿の料理になるのを待つ。

そして、この店のオーナーシェフは女性。フェリシア・スザンヌ・ウィレットさんだ。ニューオリンズの伝説的なシェフ、エメリル・ラガッセのもとで修行を積み、サステナブルな地元食材をつかうことにこだわる。「今日は、なぜこの料理しようと思ったか」「なぜこの器をつかうのか」を調理の合間に話してくれる。

フェリシアさんがつくる料理たちは、ミシュランガイドには「アメリカ南部のアイコニックな料理」として紹介されている。

さあ、さっそく厨房内テーブルの目の前で、シェフたちによる調理ライブが始まった!

調理の間、フェリシアが“部下”の他のシェフたちに怒号を発する場面も。まさに厨房の熱気。「シェフズ・テーブル」を用意するレストランは世界中に、もちろん日本にもあるが、ここでのライブはもっと不完全で予定不調和だ。

フェリシアさんが声を発するたび、他のシェフやスタッフたちの顔に緊張が走る。誰もが、まさに秒単位で必死に手を動かしてるのが伝わってくる。そんな緊張感のなか、最初のひと皿が運ばれてくると、こちらも肩の力が抜けた。

レストランを象徴するシグネチャーディッシュ「フライド・グリーン・トマト」。厚めに切った青トマトのフライは、外はカリッと、なかは驚くほどジューシー。酸味があるフランスの伝統的なソース、レムラードソース(タルタルソースにも似たマヨネーズベースのソース)に生野菜のシャキシャキが加わって、さまざまな食感が楽しめる逸品だ。フライド・グリーン・トマトはアメリカ南部の定番料理だが、それがフェリシアさんの手によってモダンなアペタイザーに大変身している。

次に出てきたのは、これまたアメリカ南部の食文化を代表するメニュー、トウモロコシのグリッツ(おかゆのような料理)をつかった「ボロネーゼのクリーミーグリッツ添え」。ミズーリ州のニューマン・ファーム産ポークを長時間かけて煮込んだボロネーゼ(イタリア・ボローニャ地方発祥のミートソース)を、トウモロコシ粉でつくった素朴な味わいのグリッツが引き立てている。

メインはこの見た目も美しいひと皿。「ショートリブ・クレープ」は、ホロホロになるまで煮込んだ牛肉を、極薄のクレープ生地で包んだもので、ホワイトチェダーチーズのソースが、牛肉の濃厚な旨みとなめらかに溶け合っていた。

南部のソウルフードを、フレンチやイタリアンの手法と合わせてアップデートし続けているこのレストラン。厨房でこうしたモダンな料理が生まれるライブ感を楽しむためだけにでも、メンフィスを訪れる価値は十分にある。

協力:メンフィス観光局 Photo:かくたみほ Text:仁田ときこ

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