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ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅③ アップサイクル家具と地元アーティストの感性に満ちた「ゴンドワナ・ホテル」
ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅③ アップサイクル家具と地元アーティストの感性に満ちた「ゴンドワナ・ホテル」
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ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅③ アップサイクル家具と地元アーティストの感性に満ちた「ゴンドワナ・ホテル」

「天国に一番近い島」の呼び名で知られるニューカレドニアは、オーストラリア大陸の東に位置するフランスの海外領土。世界自然遺産に登録されたエメラルドグリーンのラグーンに囲まれた数十の島々からなる、南太平洋屈指のリゾート地です。ニューカレドニアは、サステナブルというワードがポピュラーになる以前から、持続可能な伝統文化、自然・野生動物観光に関する取り組みを積極的におこなってきました。2021年には、ナショナル・ジオグラフィック・トラベラーで「世界最高の持続可能なデスティネーション」のひとつに選ばれています。豊かな自然と多様な文化に彩られたニューカレドニアを、トラベルライターの鈴木博美さんがレポート。第3回目は、首都ヌメアでもっともエコ・フレンドリーなホテル「ゴンドワナ・ホテル」をご案内します。

ニューカレドニア初のHQE認証エコ・ホテル

ニューカレドニアの中心部、カルチェ・ラタン地区にある「ゴンドワナ・ホテル」は、フランスの海外領土としては初めて同国のグリーンビルディング基準 (HQE)認証を受けたホテル。環境に配慮するアクションの一環として、LED照明、太陽光発電パネル、ニューカレドニア初の熱力学温水器の屋根への設置、廃棄物の分別、さらにはレンタル電動自転車などが導入されている。

ホテルはシティ・グリーンとシティ・アートの2棟で構成されている。いずれの部屋も、ベッド、ヘッドボード、棚は廃材をアップサイクルしたもの。コーヒーや紅茶はオシャレな瓶に詰められ、ゲストをもてなしてくれる。

シティ・アートは、1950年代に建てられた古いホテルをリノベーションしたもの。改装にあたって「One Artist – One Roomプロジェクト」を立ち上げ、地元から100名のアーティストを募り、SNS投票によって24名のアーティストを選出、それぞれの部屋のデザインを任せた。とはいえ、棟の階段など一部にはかつての意匠が残されており、ヴィンテージ感あふれるよい味を出している。シティ・アート入り口の細長い通路には、学生によるポップアートのほか、19世紀につかわれていた貨物船のバランスを取るバラスト(重し)用のレンガが配されている。

2棟の間にはパティオがあり、光や風が流れ込む緑と一体化した心地よい空間が広がっていた。こちらは、朝食の場やゲストのリビングルームとして活用されている。

パティオには野菜や果物、ハーブやサンダルウッドといったニューカレドニアらしい樹木のほか、先住民カナック伝統の薬草などが植えられている。ガーデン担当のオーガスト・ダウミさん(上写真)は、ランドスケープデザイナーでもあるアーティスト。アートルームの305号室を手がけているだけでなく、カナックに伝わる伝統医療にも詳しいため、ゲストが体調不良を訴えた際は、ガーデンの薬草を症状に合わせて調合し、飲ませるという。

レセプション・リーダーのローズ・デ・リマさん(上写真)は、「私たちは4つの価値観を共有しています」と語る。4つの価値観とは、「ファミリー」「共生」「本物であること」そして「エコロジー」だそうだ。

「子ども連れのファミリーがより安心して過ごせるように、すべての階段に子どもの高さに合わせた手すりをつけ、子ども用の共用トイレを設置しています。また、12歳未満の子どもの宿泊は無料。ニューカレドニアの自然を感じられる緑のパティオは、ゲストが集まれるリビングルームとして機能するようデザインしました。地元食材を使用した自慢の朝食も、ぜひお楽しみください!」(ローズさん)

「環境や社会に配慮しているかどうか」はいま、世界的にホテル選びの重要なポイントになっている。私たちも、それにならいたいものだ。

協力:ニューカレドニア観光局、エアカラン

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