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Zutti Mattia「おしゃれをするのは女装じゃなくて、フル装備」
Zutti Mattia「おしゃれをするのは女装じゃなくて、フル装備」
VOICE

Zutti Mattia「おしゃれをするのは女装じゃなくて、フル装備」

美しさとは、限られた人だけが持っているものではありません。美しくあることに年齢、容姿、性別などは、なにも関係ない。美しさには正解も、基準もない。今回は、自分らしさを発信するメイクアップアーティスト、モデル、インフルエンサーのZutti Mattiaさんに、美について伺いました。

テレビで観たブル中野さんに衝撃を受け
顔にペイントしたのがはじまり

海外で人気のメイク、カットクリースを取り入れるのはZuttiさんの定番。

Zutti Mattiaさんは、SNSの総フォロワー数42万人以上の美容系インフルエンサー。メイクやウィッグを駆使して、ハリウッドスター風、K-POPアイドルふうなど自在に変身し、動画や写真をSNSにアップしている。そのメイクの特徴は、顔の造形や性別などにとらわれず、自分のなりたい姿になるということ。

「Zuttiのメイクは、トリックアートみたいな感じ。目が二重か一重か、骨格がどういうつくりか、そんなことはまったく関係ない。どんな自分にもなれるんです」

多数所有しているウィッグは好きな色に染めたり、カットしたりして使用することも多い。

今回の撮影中も、撮った写真を確認して「キレイ!」とはしゃいでいた。しかし意外なことに、昔から自分の容姿に自信を持っていたわけではないという。

「小学生のとき、容姿のことでいじめられていた時期があったので自分のことを美しいと思っていませんでした。そんなある日、祖母から『そんなダサい格好をしていたらいじめられる。もっとおしゃれをしなさい』と言われました。そのときから、ファッションを研究するようになって、だんだんと自分を好きになっていった気がします」

天使をイメージしたお気に入りの一枚。

少しずつ自信を持ちはじめたZuttiさんが、心底自分を美しいと思えるようになったのは、メイクをするようになってから。きっかけは、プロレスラーのブル中野さんだった。

「テレビで観た彼女に衝撃を受けて、そのマネをしたくなりポスカを使って顔にペイントをしたのがはじまりです。その後レディー・ガガにあこがれて、メイクを極めるようになりました。メイクで変わっていく自分の顔を見て、無限の可能性を感じたんです」

ネイルや小物を組み合わせたトータルコーディネートも披露する。

メイクやファッションの楽しさを知り、その変身のようすをTikTokで発信するようになった。いまでは、InstagramやYouTubeなどさまざまな媒体を使って、多くのファンを楽しませている。

「こんなにキレイな自分を見てほしいという気持ちで動画を撮ったのが最初。このメイクで発信しはじめたとき、多くの人が素敵だと褒めてくれて、ますます自信がわいてきました。身近な人たちも驚いてはいたけれど、受け入れてくれました。もしかしたら、時代の流れもあるのかもしれないですね。自分に自信を持てば持つほど、他人の目は気にならなくなってきました」

Instagramでは、写真とともに自身の美の哲学を発信。

Zuttiさんは「自分には、とくに性別はない」と語る。おしゃれをするのは女装ではなく、自分が一番強くいられる「フル装備」なのだと話してくれた。

「おしゃれをすることに性別なんて関係ないと思っています。もともとの外見だって美しくなる妨げにはなりません。似合う、似合わないで自分の着たい服や、したい髪型を制限することもしたくない。似合わせるのは自分。そして美しさは、外見を磨くだけでは表れないもの。内面の余裕は、顔つきにも出るんです。自分を美しいと思っていれば、他人を妬んだりしません。自分は自分が一番美しいと思っているけれど、他人の美しさも尊重します。人それぞれの美しさを認め合っていたら、心にも余裕が出てきて顔つきも柔らかくなってくる。美しさの循環ですね」

これからも美を追求し、ファンにエールを送り続ける。

「誰だってZuttiみたいに美しくなれるし、自信を持つことだってできる。だけど自分以外の人になることは、絶対にできないんです。『Zuttiになりたい』と言ってくれるファンの人もいるんですが、あなたにはあなたにしか出せない輝きがあると伝えています。みんなが、それぞれの美しさを持っていることを伝えていきたいです」

PROFILE

Zutti Mattia ずっち・まってぃあ
1998年東京都生まれ。メイクアップアーティスト、モデル、インフルエンサー。外資系化粧品メーカーの美容部員を経て、現在はフリーランスで活動。最先端のジェンダーレスを自称し、何にもとらわれない美をSNSで発信。独学で編み出した高いメイク技術や、自由な発想で注目を集めている。メイクの方法を教えるメイクミーティングや、ファンとの交流パーティーなども開催。
@zuttijapanese

●情報は、FRaU2022年1月号発売時点のものです。
Photo:Masanori Kaneshita Text & Edit:Saki Miyahara

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