2023年6月1日、東京・渋谷の吉本∞ホールでおこなわれた、お笑い芸人『ココリコ』田中直樹さんによる「持続可能な漁業の現場体験報告会」。吉本興行所属の後輩芸人、『見取り図』盛山晋太郎さんとリリーさん、『尼神インター』誠子さんと渚さん、『インディアンス』田渕章裕さん、きむさんに加え、MCとしてピン芸人のタケトさん、MSCジャパン プログラムディレクターの石井幸造さんも登壇し、「サステナブルな漁業」について、笑いたっぷりのトークイベントが繰り広げられました（後編）。

――前編はこちらーー

ツッコミも「持続可能であること」が大事!?

“生きもの大好き芸人”ことココリコ田中さんは、「MSC海のエコラベル」のアンバサダーとしても活動中。持続可能で適切に管理された「サステナブルな漁業」を普及させるべく、さまざまなPR活動をしている。6月8日の世界海洋デーにちなんだ「持続可能な漁業の現場体験報告会」も、そんなアクションのひとつだ。

田中「みなさんの手元に置いてある湯飲みを、ちょっと手に取って見てみてください。お寿司屋さんでよく見るような漢字だらけの湯飲みなんですけど、いつも目にするものとは違っているんですよね。どうでしょう、なにか気づいたことはありますか？」

盛山「ん？　これって、般若心経を完コピしてるんですよね？」

田中「たしかに漢字がいっぱい書いてありますけど、違います！」

誠子「これ、どこかで見た絵柄というか文字やなあと思たんですけど、渚の背中に入ってるタトゥーですか？」

渚「ないない！　背中にタトゥーが入ってないから、まず」

リリー「この湯飲み、つくりがしっかりしていて、通常の湯飲みとは違う感じがしますね。もしや、人間国宝がつくった作品なんじゃ？」

田中「違います！　よ〜く見てくださいよ！　お寿司屋さんの湯飲みには、鯖（さば）とか鮭（さけ）、鰆（さわら）、鰺（あじ）などなどいろんな魚の名前が漢字で書かれているでしょう。それと同じかと思いきや、ないんですよ！　魚たちの『魚偏』が！」

MSCジャパン特製湯飲みを手にする芸人たち。中央には、海のエコラベルのマークがデザインされている

田中「先ほど、50年前に比べると、魚など海洋生物は49%も減っているという話をしましたよね。つまりこの湯飲みは、われわれ人間が魚を獲り続けていたら、魚が海からいなくなっちゃうよ、ということを現しているわけです」

芸人一同「なるほど〜」

田中「そこで！　先ほどお話したように、水産資源と環境に配慮しながら、適切に管理されたサステナブルな漁業が必要になってくるわけです。MSCジャパンの海のエコラベルは、そういったサステナブルな魚や水産加工品を認証しているんです！」

左から、リリーさん、渚さん、きむさん。大の魚好きというリリーさんは、魚が減り続けている現状を聞いて大きなショックを受けていた

田中「海のエコラベルがついているシーフードは、ていねいな漁法で獲られているだけじゃないんです。加工や冷蔵・冷凍の処理なども、しっかり管理されているんですよ」

リリー「じゃあいま、どのくらいの製品にこのマークがついているんですか？」

田中「はい！　このスクリーンに映っている商品をはじめ、いま日本では、だいたい500種類以上あります」

盛山「マクド（マクドナルド）のフィレオフィッシュにもついてるんや……」

きむ「ホンマ！　え？　全部のフィレオフィッシュについてるっていうことですか？」

盛山「なんや、全部のって？　店ごとに違うわけがあるかい！　あたりまえやろ。帰れや、お前！」

田渕「ちょっとちょっと！　ウチの相方に帰れってなんですか。聞き捨てならへんな。持続可能なツッコミをしてくださいよ！」

誠子「持続可能なツッコミ!?　うまいわあ〜。言葉のチョイス！」

田中「はいはい、みなさん落ちついて。そうです、日本中すべてのマクドナルドさんのフィレオフィッシュについているんですよ！　ほかにもイオンさんとか生協さん、セブンイレブンさんなどで売っている缶詰とかカマボコ、カツオブシなんかにもついている商品があります。だからみなさんもきっと、すでに目にしているはずなんですよ。でも、まだまだ日本では認知度が低くて、15％くらいなんです。ヨーロッパはもっと浸透していて、たとえばスイスでは8割ほど認知されてるんですよ。というわけでみなさんも、ぜひ覚えて、家族やお友だちにも広げていただければ！」

左から田渕さん、誠子さん、盛山さん、右上は田中さんと一緒にさまざまなイベントで啓蒙活動をおこなっているMSCジャパン プログラムディレクター石井さん。白いTシャツをデニムにインした誠子さんは、リリーさんから「今日のカッコ、気合入ってますね。吉田栄作さんですか？」とイジられていた

盛山「たとえば同じような商品で迷ったら、ラベルがついている商品を買う。そんなことなら、ボクらでもすぐできますね！」

田中「そうなんです。みなさんが意識して選んでいけば、サステナブルな漁業がより広がっていく。そして、海や魚たちを守ることにつながるんですよ」

リリー「いや、ボクは魚が本当にめちゃくちゃ好きで、よく食べるんですよ。こんな現状があるんだなと知って、すごいショック。自分が日々、海の現状も知らずに魚を食べたんや、と思うと……。ホント、人生観が変わりました！」

盛山「人生観変わった。って大げさな！　でもコイツ、ホントに魚が好きで。オリジナルのLINEスタンプに、『魚ってうまいよな』っていうスタンプが、本当にあるんです」

田中「いや〜、みんなが楽しそうに参加してくれてよかった〜！」

――前編はこちらーー

photo:横江淳 text萩原はるな

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