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「愛鳥週間」に探してみよう! あなたの街のカワイイ小鳥たち【後編】
「愛鳥週間」に探してみよう! あなたの街のカワイイ小鳥たち【後編】
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「愛鳥週間」に探してみよう! あなたの街のカワイイ小鳥たち【後編】

毎年5月10日~16日は「愛鳥週間(バードウィーク)」。野鳥が暮らす自然環境に親しみ、守るために行動しようという1週間です。まずは、私たちの周りに棲んでいる、身近な鳥を知ることからはじめてみませんか? 後編では、住宅地やオフィス街など、あなたの街にもきっといるカワイイ小鳥たちと、出会いのコツを紹介します。

――前編はこちらーー

鳥たちに気づくことは自然を守る第一歩

「愛鳥週間(バードウィーク)」は、1947年(昭和22年)から続く、歴史ある環境保護運動だ。日本鳥類保護連盟を中心に、環境省や全国の自治体などが連携し、毎年5月10日~16日に「野鳥を通じて自然の大切さを知ろう」と呼びかけている。

誰もがすぐに実践できるアクションは、身近な野鳥の存在に気づくこと。ひとたび意識を向ければあら不思議、周りにいる鳥たちの姿や声が、目に耳に入ってくるようになる。住宅地の植え込みやオフィス街の街路樹など、「こんなところにもいた!」と鳥たちの暮らす環境にも目が向くようになり、関心も高まっていくはずだ。「自然を守りたい」という気持ちは、そんなところから芽生えてくるのではないだろうか。

そこで、市街地にもいる身近な小鳥たちを紹介したい。このシーズンは木々が葉を茂らせ、隠れてしまって見つけにくいのだが、小鳥はきっとそばにいる。アンテナや電線に止まったり、地面に降りた姿を見るチャンスだってあるし、きれいなさえずりを聞くこともできるはずだ。

言葉をもつ鳥として話題!「シジュウカラ」

「文法に従って文章をつくる鳥」として、2年前から中学校の教科書にも掲載され話題のシジュウカラ。いろいろな鳴き方で仲間とコミュニケーションを取るが、この季節ならよく通る声で「ツツピーツツピー」「ツピツピツピ」と繰り返しさえずっているのを聞くことができる。もし、「ジュクジュクジュク」と濁った声が聞こえたら気をつけて。近づきすぎた私たちを警戒しているのかもしれない。

このシーズン、樹木に止まるとこんな感じ。顔や体は葉っぱの影になっているし、黄緑色の背中は保護色だしで見つけづらい!

スズメよりやや小さく、この記事のトップの写真で捉えている「白い胸に黒のネクタイ模様」が目印だ。虫を集めようと葉の茂った枝先を忙しく飛び回ることが多く、止まっているところを見るのはなかなか難しいが、さえずるときは木のてっぺんやアンテナなどに姿を現す。シジュウカラに限った話ではないが、さえずりは縄張りなわばり宣言やプロポーズなので、目立つ必要があるようだ。

シジュウカラを見つけたなら、近くにほかの小鳥たちがいる可能性も。緑色で目の周りが白い「メジロ」、スズメほどの大きさのキツツキ「コゲラ」、アイドル的人気を博す「シマエナガ」の仲間「エナガ」などなど……。「なんかスズメと違う」「シジュウカラでもないみたい」とわかるようになればしめたもの。こんなにいろいろな鳥が身近にいたのかと、楽しくなってしまうはずだ。

ふるさと日本へおかえりなさい! 「ツバメ」

すぃー、ひらりと自由自在に空を飛ぶ姿や、電線に止まる姿がよく目立つツバメは、この季節ならではの鳥だ。春になると、越冬地の東南アジアなどから、故郷の日本へ帰ってきて子育てをする。スズメよりスマートに見え、こんな小さな体で懸命に渡ってきたのかと思うと、なんだか胸がいっぱいになってしまう。「燕尾」と呼ばれる、ふたまたに分かれた長い尾羽が目印だ。

駅や店先などに巣をかけているのを、見たことのある方も多いのでは。人通りの多い場所を選ぶのは、天敵のカラスなどが近づきにくいから。野生動物の多くは隠れたところに巣をつくるので、子育ての一部始終を見せてくれるツバメのような生き物は珍しい。大切に見守りたい。

巣立った子供たち。色が淡く、特徴的な尾羽もまだ発達していない。表情もなんだか幼く見える

巣の下にフンが落ちるので困るという声も聞くが、インターネットで調べると、簡単に取りつけられるフン避けが配布・販売されていたり、つくり方が紹介されていたりする。こうした工夫で、人とツバメが末永く一緒に暮らしていけたら素敵だ。

自ら名乗って存在を知らせる!? 「ヒヨドリ」

鳥の気配が感じられなくても、騒いで存在を知らせるとともに、名乗ってくれるありがたい小鳥がいる。「ヒーーーヨ!」と鳴くヒヨドリだ。「ピー!」「ピヨ!」といろいろな鳴き方をするが、いずれもヒステリックにも聞こえる甲高い声で、とにかく騒々しい。

いつでも、どこにでもいる印象のヒヨドリだが、世界的には、日本とその周辺にしか棲息していない

グレーで地味なのだけれど、よく見るとボサボサ頭に色つきのほっぺと、「オカメインコ」にも似た愛嬌のあるルックスをしている。ハトよりは小さいが、スズメよりずっと大きいので、観察するのは比較的簡単だ。花の蜜が大好物で、お花見シーズンにはあなたの街の桜並木にも来ていたはず。

全国で1年中見られるが、渡りをすることも知られている。つまり、同じ場所でヒヨドリを見たとして、今日見たものと、冬に見たものとでは“別人”の可能性があるのだ。このように、ごく普通の鳥も、それぞれがおもしろい生態を持っている。

鳥たちを見つけられなかったら

樹上でちょこまか動き回る小鳥は、なかなか探すのが難しい。最初のうちは、前編で紹介した水辺の鳥や、芝生広場のような開けた場所にいる鳥を探すほうが、より簡単でオススメだ。また、観察施設や公園によっては、ガイドつきの観察会が定期的に開催されているので、それを利用する手もある。「野鳥観察会」「探鳥会」といったキーワードと、お住まいの都道府県や市町村などを組み合わせて検索すると、参加しやすいイベントが見つかるだろう。

芝生広場なら、黄色いくちばしに黄色い足の「ムクドリ」や、前編で紹介した「ハクセキレイ」が見られるだろう

text:櫛田理子 photo:吉村冬彦

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