Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう

ひがしちかが選ぶ3冊「私を育てる海の本」
ひがしちかが選ぶ3冊「私を育てる海の本」
TOPIC

ひがしちかが選ぶ3冊「私を育てる海の本」

およそ700万年の人類の歴史のなかで、この数十年間に、私たちは海のシステムや海洋生物、美しい自然の数々を破壊してしまいました。海の被害は私たちが考えている以上に深刻なもの。でもまだできることがあるはず。海を変えるために、自分が変わることからはじめてみませんか?

本を読むこともそのひとつ。本の世界も果てしなく広がる海のように、自然や生物、文化、歴史、哲学、冒険、あらゆる事象につながっていきます。深い深い「本の海」に潜ってみましょう。今回は、海を愛する日傘作家のひがしちかさんが選んだ3冊を、ひがしさんの好きな海&海の思い出とともにご紹介します。

『海』
加古里子/著

海をこんなふうにわかりやすく、壮大に描きまとめた絵本がこれまであったでしょうか。すべての生命においても、この広い宇宙においても、海という存在がどんなに偉大で壮大か。

海とは、地球とは、生命とは何か、この絵本が教えてくれる「知る」という感動は生きてゆくための大事な視点であり、心のエネルギーになります。それをどう受け取り、あらたによき未来へつなげてゆくにはという、自分への課題が山積みです。(福音館書店)

『Das kleine Buch der Meereswunder』
Franz Michael Regenfuss/著

その美しい造形や配色。モチーフとしてもイメージソースとしても、貝殻が私にくれる想像力は多大です。コレクターも多いドイツのインゼル文庫のシリーズで、残念ながらドイツ語で読めませんが、眺めていて飽きない海の物語が詰まっています。(Insel Verlag)

『寺山修司少女詩集』
寺山修司/著

「かなしくなったときは」という詩があります。19歳のときにこの詩に出合いました。長崎から上京し、はじめて読んだときに「ザザザ~」と感情を揺さぶられ、海が私にとっては、家族とはまた違う大きな拠りどころなのだと確信した瞬間でした。(角川書店)

ひがしさんの「最愛の海」

長崎の海

ひがしさんの「海の思い出」

生まれ育った家から一望できる長崎県の橘湾は子ども時代の絶好の遊び場。素潜りしていると、息苦しいのと同時に水温も下がってくる。命の危機を思わせる緊張感と恐怖を覚えつつも、海の美しさと、自然があまりにも大きすぎる存在であるということを肌身で感じました。その体験はいまも私のなかにこびりついています。

PROFILE

ひがしちか
日傘作家。1981年長崎県生まれ。一点ものの日傘屋「コシ ラエル」主宰。手描きの日傘やオリジナルプリントの雨傘、兼用傘を揃えた専門店を東京と神戸に構える。近年は本の装画や執筆も行っている。

●情報は、FRaU SDGs MOOK OCEAN発売時点のものです(2019年10月)。
Text & Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子

Official SNS

芸能人のインタビューや、
サステナブルなトレンド、プレゼント告知など、
世界と社会をよくするきっかけになる
最新情報を発信中!