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はじめてのヘアドネーションQ&A「私の髪でもできますか?」
はじめてのヘアドネーションQ&A「私の髪でもできますか?」
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はじめてのヘアドネーションQ&A「私の髪でもできますか?」

私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションをはじめてみませんか? 毎日の暮らしでできることから、新たな世界での体験まで、やりたいことから探してみましょう。今回はヘアドネーションを紹介します。

あなたが寄付した髪が
医療用ウィッグになって役立つ

「ツイギー」では30年近く前からヘアドネーションに取り組んでおり、現在はNPO法人「JHD&C」賛同サロンとして、頭髪に悩みを抱える子どもに医療用ウィッグを届ける。「ヘアドネーションは、提供する側と受け取る側の気持ちをつなぐSDGsなネットワーク」と語るツイギーのオーナー・松浦美穂さんに、これからヘアドネーションをはじめたいという人に向け語ってもらった。

Q1 ヘアドネーションとは?

医療用ウィッグづくりのために、髪を寄付すること

あなたが寄付した髪から医療用ウィッグがつくられます。抗がん剤治療や先天性の脱毛症などにより頭髪を失った人のなかには、医療用ウィッグを必要とする方がたくさんおられます。JHD&Cをはじめ、ヘアドネーションに取り組む日本の団体は18歳以下の子どもを対象にしているところが多い印象です。子どもは自分でウィッグを買うことが難しいですし、学校などで、まわりから特別な目で見られるのが耐えがたいのだと思います。いずれは偏見のない社会となり、ヘアドネーションそのものがなくなることを目指しています。

Q2 髪を寄付する条件はある?

髪の長さが31cm以上あれば誰でも寄付できます

年齢も国籍も性別も問いません。もちろん子どもも可能です。ただし髪の長さが31cm以上であることが条件。ウィッグの構造上、毛束半分の長さが、ウィッグのレングスに相当します。31cmでショート、40cmでボブ、50cmでロング、60cm以上でスーパーロングのウィッグがつくれるということですね。ちなみにショートヘアのウィッグを1つつくるのに、20~40人分の髪が必要といわれています。

Q3 ブリーチヘアや白髪でも大丈夫?

どんな髪色でもまったく問題なし

ブリーチヘア、白髪はもちろん、パーマヘア、くせ毛もOK。ウィッグをつくる際には、提供された髪のキューティクルを取りのぞき、バラけた髪質を均一になじませるトリートメント処理も行いますので、キューティクルが剥がれてしまったダメージヘアでも心配ありません。後にキレイな黒色に染めるので、どんな髪色でも大丈夫です。

Q4 寄付した髪がウィッグになるまでの経緯は?

団体で仕分けをし、提携する専用工場でウィッグを製造

寄付された髪は、ヘアドネーション団体で仕分けをして、各団体が提携する医療用ウィッグの製造工場へ渡ります。そこで髪質や髪色を整える処理を施し、ひとつずつ手作業でつくられたウィッグは再び団体のもとへ。その後、ウィッグを希望する人のもとに届けられます。この時点では、ショートやボブなどレングスが決まっているだけなので、そこから行きつけのヘアサロンなどでウィッグを好みのスタイルにカットしてもらうというのが基本の流れです。

Q5 ヘアドネーションの手順を教えて!

STEP①ヘアサロンを決める

ドネーションカットに対応しているヘアサロンならどこでもいいので、行きつけのヘアサロンに問い合わせてみてください。切った髪はお好きな団体にご自身で送るため、必ずしもヘアドネーション団体の賛同サロンでなくても構いません。ただ団体と提携しているヘアサロンなら、髪を袋に入れてお渡ししたり、団体へ送る際の注意点などをお伝えできるので安心です。もちろんご自身でカットしてもOKです。

STEP②髪を切る

いちばん注意したいのが「髪を濡らさない」こと! 髪が湿っていると雑菌やカビの原因になりウィッグにできなくなります。サロンに行く際は、事前に髪を濡らさないこと。スタイリング剤などもつけていない状態にしておいてください。髪が完全に乾いた状態で、送る長さを決めたら6~8つの毛束をつくりゴムでしっかり留めます。毛束の数は毛量に合わせて調整してください。次にゴム上1~2cmの部分をカットします。

STEP③髪をヘアドネーション団体へ送る

賛同サロンの場合、切った髪は袋に入れてドナーシートなどと一緒にお渡しします。自宅で切った場合、ジップロックなどの袋に入れしっかり閉じたら、封筒やレターパックなどに入れて、お好きな団体へ郵送してください。送付は追跡機能のある方法をおすすめしています。カットした髪の細胞は死んでいるとはいえ、長時間放置するとカビの原因にもなりかねません。できるだけ早めに送ってくださいね。

PROFILE

松浦美穂 まつうら・みほ
ヘアサロン「TWIGGY.your sanctuary」オーナー・ヘアスタイリスト。植物由来のヘアケア製品の開発および、売り上げの一部を「ジャパンハートこども医療センター」へ寄付。サロン屋上には太陽光パネルを設置し、使用する電気を自然電力にパワーシフトするなど、環境、社会課題の解決に向けた取り組みを行う。

●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Photo:Akiko Baba Illustration:Yuko Saeki Text & Edit:Nana Omori Special Thanks:Surugadai Yaguchi
Composition:林愛子

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