日々さまざまな外的環境にさらされる指先。常に美しく保つことは難しくても、ときにはお気に入りのネイルカラーで彩ってあげたい。そこで、せっかくなら地球にも爪にもやさしい処方のものを選びたいという人に、おすすめのエシカルネイルをご紹介。

発色、持ちはそのまま、お湯で簡単にオフ

縁結びの地として知られる島根県出雲市。日本のルーツであり、日本の精神が宿るともいわれるこの地で、美と健康へと導くモノづくりに向き合うコスメブランド「ANDIZUMO」が手がけるネイルには、従来のネイルに使用されている有機溶剤が含まれていない。

有機溶剤とは、物質を溶かす性質を持つ有機化合物のことで、塗装や洗浄、印刷などさまざまな用途に使われいる。ネイルの場合、液体の表面に膜をつくり固める皮膜剤、色のもとになる顔料、これらを溶かし込むことで、塗りやすいよう粘度を高める作用があるという。

「発色の美しさや、艶やかな光沢感、はがれにくさ、速乾性などが求められるネイルには、基本的に有機溶剤が欠かせません」（ANDIZUMO 橋本恵瑠さん）

けれど「ANDIZUMO」は独自の乳化技術や分散技術などを取り入れ、主成分を有機溶剤ではなく水に置き換えることで、除光液を使わなくてもお湯で簡単にオフできるネイルを生み出した。生産時だけでなく使ったあとも、環境への負荷をおさえたシンプルな処方で、従来のネイルにありがちな、あのツンとした独特の匂いがしないのも特徴だ。

また環境負荷を抑えたナチュラル成分とは思えぬ鮮やかなカラーバリエーションにも注目したい。新コレクション「AZISAI」は、島根オリジナルのあじさいの品種からインスパイアされたという瑞々しさを感じさせるシアーな５色が揃う。星集め、万華鏡紫、万華鏡桃、茜雲、銀河などあじさいの品種名をそのまま生かしたカラーネーミングも見逃せない。

「地域とともに生きる」をコンセプトに掲げるANDIZUMO。生姜やはちみつなど出雲近郊のオーガニックの食用素材をつかった石けん「WAKAN」や「IN SEASON」、新月の塩と天然精油をブレンドした「お浄めアロマミスト」など、出雲にちなんだ、さまざまなものづくりに力を入れる。

構成・文／大森奈奈 写真提供／ANDIZUMO