「書家コンサル」に「踊る広報」!? 意外な「複業」実践者の働き方
複数の仕事を同時に持つ「複業」。いま実践中の人たちはどういうきっかけで始め、どんなふうに働いているのでしょうか。今回は意外な複業をおこなう2人に伺いました。
趣味だった書道が出会いのきっかけに
会社員×書家 小杉卓さん
Q.もともとの仕事は?
東京にある企業でのコンサルタント職です。
Q.複業は?
企業や商品のロゴなどの制作や、イベントでの書道パフォーマンスとその演出、講演など。アートギャラリーでの個展、音楽とコラボレーションした企画などの舞台発表もおこない,月2回の書道教室も主宰しています。
Q.きっかけは?
東日本大震災のボランティアで岩手県・大槌町を訪れたとき、避難所で「書道をやっているならぜひ何か書いてほしい」という話になり、地元の伝統芸能である鹿子踊りをテーマに書きました。展覧会での入選を目指したりと自分のためだけだった書道が誰かに喜んでもらえるものなのだと知り、心を揺さぶられました。
Q.複業で得たもの、得たいものは?
書とさまざまな芸術を掛け合わせる活動を通し、音楽やアート、研究職など多様な分野で活動する方と出会う機会が増えました。コンサルタントとして広い視野を持つことにもつながっていますし、逆にそうした方々とアイデアを出し合えるのは、コンサルタントや前職のIT企業での経験が生きていると感じます。
Q.仕事の比率は?
コンサルタント7:書道3
“踊る広報”を名乗ってオンリーワンの存在に
会社員×ダンサー 柴田菜七子さん
Q.もともとの仕事は?
人材サービス会社での広報職です。
Q.複業は?
舞台公演やイベントに出演しています。ダンスチームの一員としても国内外で舞台に参加、ミュージックビデオなどへの出演もしています。
Q.きっかけは?
小学2年生のころから14年間ダンスを続けていましたが、それ一本で食べていくのは難しかったのでいまの会社に就職。しかし、自己表現できない日々は心に穴が空いたような感覚で、ダンス一本に絞ろうと退職を考えました。そのとき会社の代表から「両方実現できる方法を考えたら?」と言われ、“踊る広報”として活動することに。
Q.複業で得たもの、得たいものは?
「ダンス×広報」というオンリーワンのオリジナリティが生まれたことで、会う人会う人に名前と顔を覚えていただきやすくなり、人の輪が広がりました。また、ダンスに没頭する時間があることで、人生がかなり豊かになったと思います。
Q.複業で大変だなと思うこと、工夫していることは?
2つの仕事に相乗効果が生まれるよう、共通点を探すこと。
Q.複業をして変わったことは?
ひとりでできることの限界を知り、周囲に頼れるようになったし、「ありがとう」を意識的に伝えるようになりました。
Q.お仕事の比率は?
広報6:ダンス4
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Edit & Text:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子
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