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副業ならぬ「複業」で、自分らしく幸せに働く!
副業ならぬ「複業」で、自分らしく幸せに働く!
LIFE STYLE

副業ならぬ「複業」で、自分らしく幸せに働く!

自分にとって理想の仕事スタイルとは、どんな働きかたでしょうか。これまで働き方を変えるには、まず仕事を変えることが主流でしたが、いまは選択肢が増えました。時間や場所にとらわれないリモートワーク、海や山、自然に囲まれた場所でのワーケーション、複数の仕事を同時に持って知見を広め、やりがいにつなげる「複業」、生活様式の多様化に合わせて暮らしから変える二拠点生活や移住など、働きかたは十人十色。自分らしく働けるスタイルをぜひ創造してみてください。

給料、やりがい、社会への貢献……。ひとつの仕事で満足できずモヤモヤするならそれぞれ別の仕事で手に入れる方法もあるんです。今回は、コラボワークス代表の中村龍太さんに伺いました。

Q1.副業と複業の違いって?

お金以外の報酬があるのが「複業」

「副業」の「副」とはサブやサイドという意味。本業に対してのサブワークという位置づけです。その主な目的は食べるためで、得るものはもちろんお金ですね。対象となるのは収入を得られる業務ということになります。対する「複業」の「複」はマルチ、パラレルという意味で、すべての仕事が並行という位置関係。目的と得るものはお金に限らずさまざま。

個性的な経験やスキル、信頼を得るためなど人によって異なります。対象は「あらゆる価値創造活動」。パソコンの操作をレクチャーしたりするのもそうですし、テキパキとゴミ出しをするノウハウをご近所に教えて感謝されるのだとしたら、金銭的な報酬がなくても、れっきとした複業です。

Q2.複業が人気なのはどうして?

幸せに働くために合理的な手段です

多くの働く人の悩みを聞いていて感じるのは、人が働くうえで満たされていると感じるには「安心感」「貢献感」「幸福感」の3つが必要だということです。しかし残念なことに、日本の多くの会社や組織では、この3つを同時に得ることは難しいのが現状。どんな会社でも働く人にはそれぞれ役割がありますが、何か失敗したときは叱られる反面、首尾よく仕事ができた場合はそれが当然で、特別「ありがとう」と感謝されることは多くありません。

つまり給料=安心感はあっても、貢献感や幸福感は満たされないのです。会社のシステムや体質を変えることはそうそうできませんから、ならば後者2つは別の仕事や活動で満たせばいい。そう合理的に考える人が増えているのかもしれませんね。

Q3.複業を成功させるポイントは?

お金とスキル、信頼のバランスを見極めて

安心感、貢献感、幸福感を得るためにはどうしたらいいか? それには3つの資産が不可欠です。ひとつは「金融資産=お金」。どれだけ感謝されてもある程度のお金がないと安心感は得られません。次に「人的資本=知識やスキル」、何か価値あるものを生み出すための力です。最後は「社会資本=信頼関係、人とのつながり」です。

この3つのバランスが崩れると、いくら複業をしても幸せになれません。たとえば本業でたくさん給料をもらっていて専門知識もある。でも人とのつながりはぜんぜんないという人は社会資本が不足していますし、友達は多いけれど貯金もスキルもないという人も。まずは、自分が3つの資産をどのくらい持っているかを見極めましょう。

Q4.ぴったりの複業を探すには?

どんな報酬が欲しいか考えてみよう

3つの資産の状態がわかったら、おのずと自分に必要なものが見えてくるでしょう。たとえばスキルが足りない人なら、自分が関心のある分野で何かお手伝いをして、そこで経験や技術を身につける。農業でもドローン撮影でも何でもいいです。人とのつながりや信頼関係が欲しいなら本業の専門知識を誰かにレクチャーするのもいい。どんな報酬を、どんな形で得たいかを具体的に考えていくといいでしょう。

このとき大切なのは、あまり前のめりになって複業を目的化しすぎないこと。短期間で結果を求めたり、「やらなくちゃ!」と自分を追い詰めたりするのは本末転倒です。複業はあくまでも幸せに働くための手段。「自分がワクワクする」ことを第一に考えてくださいね。

Q5.複業を楽しく続けていくには?

“引き裂かれない複業”を目指そう

いくつかの仕事を並行してやるには時間や体力の配分に工夫が必要です。理想はそれぞれの仕事が緩やかにリンクし、循環していく「引き裂かれない複業」。関連した業種なら難しくありませんが、保険会社とラーメン店など、まったく異なる業種でも引き裂かれない工夫はできます。

たとえばラーメンを食べにきたお客さんが資産形成で悩んでいるなら、帰り際にそっと保険会社の名刺を差し出すなど、いつでも二足のわらじを履いていることを意識していれば、複数の仕事がうまくリンクしてくるはず。

注意したいのは効率を重視するあまり仕事を混同して、情報や人間関係がこんがらがってしまうこと。そうなるとどちらの仕事でも信頼を失いますから、線引きを保つのも大切です。

副業/複業を始めた理由は何ですか?(複数回答可)

※全国の20代~50代男女1000人を対象にしたアンケート結果。調査協力/ネオマーケティング

これまでに副業や複業(本業以外の仕事)をしたことがありますか

※全国の20代~50代男女1000人を対象にしたアンケート結果。調査協力/ネオマーケティング

PROFILE

中村龍太
コラボワークス代表。日本電気を経てマイクロソフトに転職。2013年に複業転職、現在はサイボウズ、コラボワークス、自営農家のポートフォリオワーカー。著書に『多様な自分を生きる働き方』(エッセンシャル出版)。

●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Illustration:SANDER STUDIO Text:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子

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