Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう

杉浦太陽「10年前はレアだったイクメンもいまは当たり前。SDGsも数年後は当たり前になります!」
杉浦太陽「10年前はレアだったイクメンもいまは当たり前。SDGsも数年後は当たり前になります!」
VOICE

杉浦太陽「10年前はレアだったイクメンもいまは当たり前。SDGsも数年後は当たり前になります!」

4児を育てる父として2年連続「イクメン オブ ザ イヤー」に選出され、妻の辻希美さんとともに「あこがれの夫婦」ランキングのトップに君臨しつづけている杉浦太陽さん。「食」の分野でもさまざまな活動をおこなっており、趣味の釣りや料理、野菜づくりを子どもと楽しむだけでなく、全国の農家や漁師とも交流しています。インタビュー最終回は、よく釣りに出かける海の現状やSDGsについて伺いました。

――前編はこちらーー

――中編はこちらーー

地球の危機は身近なところにも表れている!

ベジタブル&フルーツアドバイザーやきのこマイスター、2級・特殊小型船舶、遊漁船業務主任者などの資格をもち、テレビの家庭菜園番組にレギュラー出演している杉浦さん。スキューバダイビングなどのマリンスポーツや釣りが趣味で、海に出かけることが多いという。

「感じているのは、とにかく魚が減っているということ。先日、数年前はキスが山ほど釣れたスポットに行ってみたところ、ぜんぜん釣れないんです。反対に、これまで釣れなかった鯛の仲間が針にかかるなど、生態系が変化しているとひしひし感じます」

さまざまな要因が考えられるものの、人間による乱獲と気候変動に関わりがあることは、まず間違いがないとされている。

「メディアなどでも、『ニシン御殿』が建つほどたくさん獲れた北海道のニシンが北上してしまって、水産会社が倒産したなんて話を耳にしますよね。東京・目黒でおこなわれている秋の『目黒のサンマ祭り』の関係者さんも、サンマの不漁で困っているとか……。庶民の味方だったサンマが、いまや1尾2000円することもありますからね。ある特定の年だけ不漁なのではなく、毎年のように獲れなくて高い! いまや、サンマは高級魚になってしまいました」

プライベートでもテレビ番組のロケでも、釣りに行く機会が多い杉浦さん。写真のイナダは持ち帰って刺身にし、家族みんなで堪能したそう

地球温暖化と聞くと、規模が大きすぎてピンとこない人も多いだろう。でも着実に、その変化は生活の身近なところに影響をおよぼしている。

「たとえば海洋ごみは、街から川を伝って海に届くものが大部分だそうです。私たちがごみを捨てなければ、海を守れるかもしれません。どんな小さな『1』でも、ゼロではない。ゼロはいつまでたってもゼロですが、『1』ならいつか『2』や『10』『100』にだってなる可能性があるんですから」

当たり前に受け取っては捨てていたレジ袋も、最近では「もらうもの」という意識はなくなっている。

「何ごとも意識の問題ですよね。ごみを出さないようにしたり節電を心掛けたりなど、小さな取り組みだけでもすることに意義があると思います」

子どもたちと海や山に行った際に、放置ごみを目にする機会も多いそう。「残念なことではありますが、地球を守るために何ができるかを話し合ういい機会ですよね」

「SDGsが浸透してきて、企業の考え方も変わってきていますよね。いまの子どもたちが大人になったときには、『SDGs意識していない会社なんて、ありえなくない?』っていう意識だと思います。ほんの3~4年前までは、SDGsといわれてもなんだかわからなかったじゃないですか。目標の数が多いし、説明を聞いてもピンとこなかった。けれどもいまでは、ずいぶん一般的になってきて、多くの人が理解するようになってきましたよね」

杉浦さんが「子育てに参加する理想のパパ=イクメン」といわれはじめたのは10年ほど前のこと。当時はまだ、イクメンという言葉が生まれたばかりだった。

「長女が幼稚園に通っていた当時は、お迎えに行ってパパに会ったことがなかったんですよ。それが長男、次男と時がたつにつれて、当たり前にパパが送迎する時代になりました。いまでは、日曜日の公園はパパだらけですよ。意識が変わると、状況もまるで変わるんだなあと思います」

休日には、子どもたちといろいろな公園に出かけるそう。寒くても暑くても、全力で遊ぶのが杉浦家流!

男性たちも本音では、子どもともっと時間を過ごしたかったはずだと杉浦さん。

「でも以前は、人目があってなかなかパパだけで子どもを連れて出かける、という気になれなかったんじゃないかな。いまではそれが普通になったし、その分ママが子育てから解放される時間も増える。いい時代になりましたよね」

生産者の想いを発信することで、消費者との距離を縮めたい

日本にはおいしい農作物がたくさんあり、私たちが買い支えることによって、農家の後継者問題が解消する可能性がある。地域の活性化や自給率の上昇に、顔の見える農作物を食べることで「ムダなくつかう」ようになり食品ロスの改善にもつながっていくはずだ。

「日本の野菜や果物の素晴らしさをみんなが再認識することで、いろいろな課題が解消できる。漁業にも同じことがいえますよね。自分で食べるだけでなく、発信者としてメディアやSNSでそういったことを伝えていけたらな、と思っています。そして微力ではありますが、生産者さんたちと消費者の距離を縮めるお手伝いができるといいですね」

国連がSDGsを策定したのは、「地球規模の危機が差し迫っているから」だと杉浦さん。

「いますぐアクションを起こさないと大変なことになる、という警鐘なんですよね。一時期の流行ではなく、持続していかないといけない。まずは、SDGsで定められている目標に目を通すだけでも、きっと何かしらの意識が変わっていくはずです。継続は力なりは、本当にそうだと思います」

――前編はこちらーー

――中編はこちらーー

杉浦太陽■1981年、大阪府生まれ。’98年『おそるべしっっ!!音無可憐さん』で俳優デビュー、『ウルトラマンコスモス』など多くの話題作に出演する。2017年より『趣味の園芸 やさいの時間』(NHK)に出演、ベジタブル&フルーツアドバイザー、きのこマイスター、2級・特殊小型船舶、スキューバダイビングなど多数の資格や免許をもつ。BS日テレ『旬感レシピ』、TOKYO FM『TOKYOこどもTIMES』、KBS京都『SUNNY TIME』などにレギュラー出演中。

text:萩原はるな

【こんな記事も読まれています】

10代姉妹の純粋な想いが、インドネシアをレジ袋廃止に導いた

誰もが、気兼ねなく、どこでも行ける! 「次世代モビリティ」がつくる未来【後編】

アーティスト鴻池朋子が選ぶ「自然のあり方を教えてくれる本&映画」

寄付とは、寄り添って、つき添うこと。「ドネーション」基礎知識

ワケあり食品を「福袋」で救え! IT企業のチャレンジ

Official SNS

芸能人のインタビューや、
サステナブルなトレンド、プレゼント告知など、
世界と社会をよくするきっかけになる
最新情報を発信中!