徳島初の地ワイン醸造家「私の“推し”スポット」
モノや場所をつくる人は、つねにアンテナを張ってあらゆることを吸収しています。SDGs先進県・徳島の若きクリエイターたちの“お気に入り”から、ひと味違った徳島を感じましょう! 今回は、Natan葡萄酒醸造所の井下奈未香さんにお話を伺いました。
三好市の自然とともに…
畑の開墾から始めた醸造所
2014年、結婚を機に故郷の奈良から徳島県西部の三好市へ移住してきた、元ソムリエの井下奈未香さん。長年、抱いてきたワイナリー設立の夢をこの地で叶えることに。
土地の開墾から始めた畑では、現在11種類のブドウを栽培している。なるべく肥料や農薬に頼らず自然任せで育てることが信条。山奥の傾斜地のヤマ・ソーヴィニヨンは野趣に富んだ味、平地のピノ・ノワールは穏やかな味……と、畑の個性がブドウに表れ、ワインになったときに複雑さをもたらす。
これまでワイン3種を委託醸造してきたが、2021年8月に念願の自社ワイナリーをオープン。添加物を加えず自然酵母に託すワインづくりは、土地の力に委ねるブドウづくりに通じている。
井下奈未香さんのお気に入りスポット
雲辺寺
「空との境界線が近い三好市の景観が好きです。とくに多様な植物が生育する雲辺寺の参道は雲をそばに感じ、自然に溶けこんでいるような気持ちになれます」
三好市池田町白地ノロウチ763-2
heso salon
「臭みがなく味わい深い徳島のジビエは格別。山の命をいただくことがワイン造りへの思いにつながっています。『heso salon』のジビエ料理がとくにオススメ」
三好市池田町サラダ1804-9
PROFILE
井下奈未香
20代でワインに魅せられ、ソムリエの資格を取得。大阪の飛鳥ワインで修業し独立。現在5人の子育てをしながら、ブドウ栽培から醸造まで一貫して行い、ワインの魅力を発信する。Natan葡萄酒醸造所/三好市池田町マチ2187-7
●情報は、FRaU S-TRIP 2021年12月号発売時点のものです。
Text:Kanako Mori , Mihoko Koga
Composition:林愛子
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