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ラッパー・TaiTanが選ぶ「気候危機を学べる本&映画」
ラッパー・TaiTanが選ぶ「気候危機を学べる本&映画」
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ラッパー・TaiTanが選ぶ「気候危機を学べる本&映画」

難しい専門書でなくても、気候や環境の問題を多角的に学べる手段はたくさんあります。「Dos Monos」ラッパーのTaiTanさんがオススメする本と映画を見てみましょう。

これからの社会を考えるうえで重要な
サステナビリティと“肉食”を知る

大量生産・消費へのカウンターとして支持されるサステナビリティ。今後はさらに、道徳的にも論理的にも避けられないテーマとなるでしょう。それが経済的な文脈でどう機能しはじめているかを伝えるのが『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』。例のひとつに挙げられるのは、老舗が幅をきかせるピアノ業界で、創業40年にして世界のトップピアニストに選ばれるメーカーへ成長した「ファツィオリ」です。名楽器を生み出した木材の産地をはじめとする既存コミュニティを巻き込んだこと。そして質担保のためにムリな拡大をせず、それが結果的にサステナブルな経営につながったこと。新参者ながら長い歴史を持つブランドにも勝てるゆえんたるこの2点は、これからのビジネス、クリエイティブを考える上で重要な視点だと思います。

一方、気候変動が進むほど風当たりが強くなる畜産業。ですが、人間と肉の関係は簡単に断ち切れるものではないと痛感させられるのが、ドキュメンタリーシリーズ『世界の“今”をダイジェスト』より「食肉の未来」。鶏の品種改良の変遷や培養肉の研究の最前線が収められています。印象的だったのが肉の呼称について。豚は、動物としてはピッグだけど、食べ物ではポークと呼ばれるように、人類は食卓の肉から動物っぽさを消すために過剰なまでの試行錯誤を重ねたことがわかる。肉の引力から人間は逃れられるのか。食の今後を考えるきっかけをもらえます。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』
安西洋之、中野香織/著

「ラグジュアリー」という価値観の変化を切り口に、これから2030年にかけての経済やビジネスの展望を10の視点で示す。クロスメディア・パブリッシング。

『世界の“今”をダイジェスト』より
「食肉の未来」

社会現象を取り上げたドキュメンタリーシリーズ。「食肉の未来」では、世界的な食肉消費量が増加の一途をたどるなか、各企業が開発を進める代替肉の可能性を検証。NETFLIXで配信中。

PROFILE

TaiTan
ラッパー。3人組ヒップホップユニットDos Monosで活動するほか、大人気Podcast番組「奇奇怪怪」ではパーソナリティを務めている。国書刊行会より番組の単行本も発売。

●情報は、『FRaU SDGs MOOK 話そう、気候危機のこと。』発売時点のものです(2022年10月)。
Illustration:Toru Ogasawara Text:Emi Fukushima Text & Edit:Asuka Ochi
Composition:林愛子

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