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防災月間に『マシンガンズ』滝沢“ごみクラブ”&防災芸人が集結!「これが正しい災害への備えだ!!」【前編】
防災月間に『マシンガンズ』滝沢“ごみクラブ”&防災芸人が集結!「これが正しい災害への備えだ!!」【前編】
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防災月間に『マシンガンズ』滝沢“ごみクラブ”&防災芸人が集結!「これが正しい災害への備えだ!!」【前編】

1923年9月1日に関東大震災が起きたこと、災害が多いことなどから、毎年9月は防災月間になっています。“ごみ清掃芸人”こと『マシンガンズ』の滝沢秀一さんによると、災害とごみ問題は切っても切れない関係だそう。滝沢さんが後輩芸人たち──元消防士で防災士の資格をもつ、ワタリ119(イチイチキュウ)さん、やはり防災士で整理収納アドバイザー1級の、赤プルさん、ごみ屋敷清掃や遺品整理などもおこなう“お片づけブラザーズ”こと『六六三六(ろくろくさんじゅうろく)』柴田賢佑さん&『ぐりんぴーす』落合隆治さんらを集めて開催した、「防災芸人×ごみプロ芸人トークセッション」にお邪魔しました。【前編】

災害後には、ものすごい量のごみが出る

9月8日、東京・中野区役所で開催された本イベントのテーマは、「ごみと防災」。まずは、ごみ清掃人としてもSNSなどでさまざまな情報を発信している滝沢さんとワタリ119さんが登壇した。一見、なんの関係もなさそうなごみと防災。だが、このふたつは密接に結びついているという。

滝沢 2019年の台風19号で多摩川が水害にあったとき、災害ごみを目の当たりにして驚きました。川が氾濫して建物や家が浸水すると、川底のヘドロや下水も上がってきて、まちじゅうが生臭くなるんですよ。浸水したタンスやベッドなどの家具にもニオイがついて、多くの家財道具がごみになる。とにかく災害後って、すんごいごみが出るのよ! 結果、ボクたち清掃員は、ものすごい量のごみを分別することになるんです。

多摩川が氾濫し、多くの家屋が浸水。洗濯機が大量に災害ごみとして出された

滝沢 昨年、能登半島地震の被災地にボランティアに行って、現地の清掃員に困りごとを聞いたんですよ。そうしたら、断水でトイレがつかえないから、皆さん可燃ごみの袋に排泄物を入れて捨ててしまうらしいんです。水が出ないということは、清掃員の作業着に排泄物がついても洗濯できないってこと。皆さん、ごみ清掃車に、ごみ袋を取り込むクルクル回る部分があるのを見たことあるでしょ? あそこに排泄物の入ったごみ袋が挟まって、パーン!って破裂するともう最悪! 作業着が排泄物まみれになって、でも洗えないっていう……。ですから各自治体には、可燃ごみと排泄物を別々の場所に集めるとか、排泄物は半透明じゃない黒いポリ袋に入れるようにして明確に区別するようお願いしたい。やっぱり災害時には、排泄物専用の集積所をつくってくれるといいなあ。

ワタリ 避難時の衛生管理は、二次被害を防ぐためにも大切ですもんね。

滝沢 平時から災害に備えて、シミュレーションしておくことが大事。災害時への備えというと、食べものや飲みものを思い浮かべるじゃないですか。あと、常備薬とかね。でも、排泄物とか衛生面に関するストレスとかへの対策も、じつはすごく大切なんですよ。

“119%”安全な防災バッグを公開!

ワタリ ボクが考えた“イチイチキュウ〜ッ!”「119%安全確実防災バッグ」も、まさに同じ考えで完成しました!

滝沢 なんだよ、突然大声出すからビックリするじゃん(笑)。その“イチイチキュウ〜ッ!”てのがワタリのギャグなのね。はい、続けて。

ワタリ 防災バッグって、家から避難するときに急いで持ち出すものって思うじゃないですか。でも、災害時に家以外の場所にいたらどうでしょう? 2013年に制定された「東京都帰宅困難者対策条例」では、二次被害を防ぐために、「被災後3日間は、むやみな移動は控えましょう」とされてます。つまり、家にある防災バッグは3日間の避難生活時につかえないわけです!

滝沢 なるほど。防災バッグは常に持ってないと意味がない、というわけか。

ワタリ はい、帰宅難民になりやすい東京など都市部はとくに! そこでボクは、「あなたがふだん持っているバッグを防災仕様にしよう!」と訴えたいんです!

滝沢さん(写真左)は、さまざまな社会課題につながるごみ問題を、各種メディアで発信中。消防士を4年間務めた後に芸人に転身したワタリさん(写真右)は、’22年に防災士の資格を取得した

ワタリ ボクの仕事って9割がロケなんです。しかもディレクターとカメラマンと3人で野宿するとか、過酷な撮影が多いんですよ。つまりインフラが整っていない状態で、2〜3日生活がすることが求められる! そんなとき、持っていくバッグに何を入れればいいの? と考えるわけです。

滝沢 たしかにそれって、避難所の生活と同じような状況だもんね。

ワタリ そう、まさに! そんななか、まず必須なのはビニール袋です。とにかく便利! それから自分の生活スタイルにあった常備薬と絆創膏(ばんそうこう)、新聞紙とラップフィルムも必須です。ラップフィルムは、つかい途(みち)が無限にあるんですよ。身体に巻くと防寒対策になるし、お皿にラップをかけてから食べものを載せて、食後にはラップを取り除けばお皿は汚れてないから洗わなくてすむ。つかい終わったラップは、最小限の水で鍋を洗うスポンジ代わりにもなるんです。ケガしたときは包帯や三角巾の代わりにもなりますから! ほら、万能!!

それぞれの得意分野を活かしながら、積極的に防災やごみ問題に取り組む

ワタリ ビニール袋、新聞紙、ラップフィルム、常備薬を小さなポーチや巾着(きんちゃく)なんかにまとめて、ふだんつかうバッグに入れておけばOK! どれもかさばるものではないから邪魔にならないです。カバンを替えたら、ポーチや巾着ごとそのカバンに移動させる。それだけで、どんなカバンも防災バッグになっちゃうんです! 入れるものは、日常の延長線上で考えればいい。「これがあれば、1〜2泊は大丈夫だな」というものを入れるんです。防災は、“ほんの少しの備え”がカギ! 「もしも」は突然やってくる! ただ、防災バッグを買ってある人はそれでいいんですよ。その中から、とくに必要なものだけとって、ポーチに入れておけばOK!!

滝沢 ボクは最近、雨水なんかをろ過して飲めるアイテムを買いました。ひとり一日あたり2リットルは必要だそうだから、4人家族だといっぱいいるな〜と思って。それと、いまや生活に欠かせないモバイルバッテリーも準備しておく必要があるよね。でも、モバイルバッテリーの寿命って2〜3年で、それを超えると発火する可能性がある。発火の前に膨らむんだけど、膨らんでしまったものは回収しない自治体がほとんどだから気をつけて! ここ中野区は回収してくれるらしいけど。とにかく防災バッグの中身は、ときおりチェックしないとね!

――後半、“防災と片づけ”に続きます――

Photo & Text:萩原はるな

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