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幸福度世界一のフィンランド人から学ぶ“幸せになる秘訣”【第5回】
幸福度世界一のフィンランド人から学ぶ“幸せになる秘訣”【第5回】
FEATURE

幸福度世界一のフィンランド人から学ぶ“幸せになる秘訣”【第5回】

国連の「世界幸福度ランキング」で、2018年から7年連続で1位に選ばれている北欧の国、フィンランド。フィンランドの人びとはなぜ、自らを幸せと感じ、生活に満足しているのでしょう。その理由を探るため、フィンランド航空で首都・ヘルシンキへ飛んだトラベルライターの古関千恵子さん。現地で出会った“ハピネスハッカー(幸せの達人)”たちから幸せへのヒントをもらった後は、彼、彼女らから提案された、新しいヘルシンキでの過ごし方を実践してみました。今回はその後編です。

──【第4回】はこちら──

食器の殿堂「イッタラ&アラビア・デザインセンター」で陶芸を

ハピネスハッカーのひとり、テロ・クイトゥネンさん

フィンランドを代表する食器ブランドの「イッタラ」と「アラビア」。北欧デザイン好きなら一度は訪れてみたい「イッタラ&アラビア・デザインセンター」(以下、センター)は、ヘルシンキ中央駅から6番のトラムに乗って20分ほどの駅「ARABIANKATU」のすぐそばにある。

ここで待ち合わせをしたのは、やはりハピネスハッカーのひとり、デザイナーのテロ・クイトゥネンさん(上写真)。この日はセンター内で彼が主催する陶芸のワークショップを開催されており、私もそれに参加しながら話を聞いた(下写真)。

テロさんの陶芸ワークショップ

子どものころから、手を動かすことが好きだったというテロさん。

「何ごとにつけペースが速い現代において、手を動かすことは私たちに落ち着きと満足感を与えてくれます。もし、私の作品が人びとの心を動かして、皆さんをハッピーにできたら、うれしいですね」

と語る。そしてまた彼は、黙々と手を動かすのだった。

ギャラリーや図書館、カフェまである同センターでは、さまざまなワークショップが不定期に開催されている(https://www.iittala.com/en-gb/about-us/events-and-destinations/design-centre-helsinki/exhibitions)。1階にはイッタラとアラビアのアイテムが一堂に会するショップもある。

センターから徒歩10分ほどにあるアナラ・ヴィラ(冒頭写真)は832年に建てられたヘルシンキ最古のヴィラ建築。美しく手入れされた庭園はヘルシンキ市民の憩いの場で、絵筆を手にスケッチする人も。このヴィラを所有する有用庭園協会(Useful Plant Association)は、ここから庭園文化を発信し続けている。

歴史的建築でいただくランチは格別。アペリティフも最高だ

私も、このアナラ・ヴィラでブッフェランチ。日曜日には不定期ながらカフェとしてイベントを開催することもあるので、深い緑に包まれたい気分のときはチェックしてみて。

グラフィティアートをヘルシンキの壁に描いてみよう!

レナ・サルミさんが案内してくれたスヴィラティ・グラフィティ・ウォール

第3回で紹介した70歳のスケートボーダー、レナ・サルミさんが魅了されたグラフィティアートの世界。日本では描いてみたいと思っても、一般人が許可なく街の壁などに絵を描くことは違法行為。それがここ、ヘルシンキでは事情が異なるよう。

ヘルシンキ市内には合法的にグラフィティアートを描ける場所がいくつか指定されているという。そのひとつ、て、スヴィラハティ文化センター内のグラフィティ・ウォール(https://www.suvilahti.fi/en/events/graffiti-wall)を、レナさんが案内してくれた(上写真)。

広大なエリアに 9 棟の建物が点在するスヴィラティ文化センター

ここは100年以上前に建てられた発電所とガス工場の跡地を再開発した施設で、どことなくただよう退廃感もクールだ。

自転車がディスプレイされた「ペロトン・サイクリング・イータリー」

チキンラグーのパッパルデッレ。サラダバーつきだ

同センター内のレストラン「ペロトン・サイクリング・イータリー」は、グラフィティアートのついでに立ち寄るのにおすすめ。インダストリアルな雰囲気の空間にチューンナップされた自転車が並び、誰かの秘密基地を訪れたよう。週替わりのメニューをいただく間に、自転車を調整してもらうことも可能。食通とサイクリストが集う、楽しいコミュニティだ。

泊まるなら、アートにあふれる「ホテル・セントジョージ」へ!

デパート「ストックマン」まで徒歩3分の好立地に建つホテル

ヘルシンキのど真ん中にあり、目の前のオールドチャーチ公園の緑にも癒やされる「ホテル・セントジョージ」https://www.stgeorgehelsinki.com/。1840年に建造された建物を、フィンランド国立劇場の設計で知られる建築家、オンニ・タルヤンネが1890年に改築。これまでフィンランド文学協会、フィンランド初の新聞の印刷所などにつかわれてきたが、2018年にホテルとしてオープンした。

東ウィングと西ウィングからなる7階建てで、148の客室と5つのスイートがある。重厚感のあるファサードに嘆息しつつ一歩なかに入ると、中国人アーティストのアイ・ウェイウェイによるドラゴンのアートに迎えられ、歴史とアートが調和するこのホテルの世界観に一気に飛び込める。

館内に一歩入ると、頭上にはアイ・ウェイウェイの作品

5つのスイートはホテルが歩んできた歴史を投影したデザインで、エントリークラスの「コージースタジオ」(下写真)にも、ラブルケットのバスアメニティ、炭酸水をつくれるソーダストリームなど、センスのいい備品が。フィンランドデザインの家具類は、購入を希望するゲストも多いそう。

どの部屋にもフィンランド家具とアートが

ラウンジにはペッカ・ユルハ作「ラーニング・トゥ・フライ」がつり下げられている

リビングルームのようにくつろげるラウンジ「ウィンターガーデン」(上写真)や、ヘルシンキっ子にとってもソーシャルハブ的存在の「セントジョージベーカリー」など、レストラン&バーも快適で、コージースタジオ以外の宿泊者はスパ「セントジョージケア」内のインドアプールやサウナへのアクセスできる。都会の真ん中にありながらリトリートのようにくつろげるホテルだ。

Text & Photo:古関千恵子 取材協力:Visit Finland  https://www.visitfinland.com/ja/ Finnair https://www.finnair.com/jp-ja

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