「オリオンホテル那覇」なら、究極ビールも“無菌”カキも大行列の沖縄“生そば”も、ぜ〜んぶ楽しめる!【後編】
沖縄はまだまだ夏真っ盛り。オリオンビールが何よりおいしいのはいま──というわけで、前回に引き続き、地元で県民に愛され続けてきたオリオンビールが所有するホテルを紹介します。今回は観光&ビジネスの中心地、那覇市の国際通りに面した「オリオンホテル那覇」です!
50年近く前からこの繁華街、国際通りに面して建つ。内外ともすっかりキレイに
いや〜、暑い! 近ごろは日本中が亜熱帯化しているなんていわれるが、沖縄の暑さはやっぱり質が違う。東京より明らかに“太陽が近い”感じがするのだ。今日も観光客でごった返す那覇市の国際通り。昼間はちょっと歩いただけで、もうヘトヘト……。ついつい飛び込んでしまうのがこの大通りの東端にあるオリオンホテル那覇(上写真)なのだ。
ここは2023年11月にリニューアルオープンし、名称もホテルロイヤルオリオンから変更、いちだんと美しくモダンになったばかりか、1階に新たなホテルの顔、オールデイダイニング「THE ORION BEER DINING(オリオンビアダイニング)」ができた。さっそく、そのバースペース(冒頭写真)で、キンキンに冷えたオリオンビールをいただくとしよう。
オリオンビアダイニングのコンセプトは「パーフェクトサーブ&グリル」
このダイニングでは、3℃に保たれた「オリオン・ザ・クラフト」の「ヴァイツェン」「ペールエール」「インディア・ペールエール」などオリオンホテル限定の3種のクラフトビールをはじめとする樽生ビールを最高の状態で提供してくれる。まずは王道のオリオン・ザ・ドラフトを、昭和時代のビアホールで主流だった日本独自のタップ「スイングカラン」からの二度注ぎでいただき、「クーッ!」と唸ったあと、スタッフが「こんな楽しみ方もあるんですよ」と出してくれたのが下写真の一杯だ。その名も「ミルコ」。一見、オリオン・ザ・ドラフトの泡だけかと思えるビールだが、決して注ぐのに失敗したわけではない。その証拠にミルコの泡はフワフワできめ細かくて、なめらかで……ひと口目で、もううまい!
一見「泡だけ」のミルコ。飲むと半分泡、半分は液体だ
「泡だけに見えますが、じつは泡と液体の中間の状態にして注いでいるんです。だからしっかりコクがあってなめらか、ミルキーでしょう? アルコール度数も通常の注ぎ方よりミルコのほうが高くなるんです」(スタッフ)
オリオンビールには、こんな飲み方もあるのだ。奥が深い。
さて、意外に濃厚なミルコをいただいたら、がぜんお腹が空いてきた。このまま夕食もいただくとしよう。バーカウンターから、広〜いダイニングスペースに移動して、ここのスペシャリテを注文する。
フレッシュオイスター島ラッキョウヴィネガーとレモン
グリルミートコンボ(2人前)。ものすごいボリューム
まずは生ガキ、フレッシュオイスターだ。沖縄諸島の最西端、久米島の海洋深層水で海域養殖されたこのカキは、人に害を与える菌やウイルスのない海洋深層水で育てられ、ノロなどのウイルスを体内から吐き出している。つまり、われわれが食べて“当たる”可能性がきわめて低いといわれているらしいのだ。県産の島ラッキョウのヴィネガーソースは酸っぱさわやかで、添えられたグリーンレモンも地元産。カキが苦手な人でもイケる、まさに地産地消の逸品だ。
続いて出てきたのがグリルミートコンボ。島豚軟骨ソーキ葱味噌焼き、アグー豚ソーセージにケイジャンチキン、ハーブポテト、旬野菜のグリル……。2人でももてあますほどの量だが、すべての味つけが抜群で、脂っこくないため食が進んでしまう。これらにオリオンビールを合わせて食べては飲み、飲んでは食べて……いやはや、満腹だ。
「オリオンモダンツイン」の部屋はやわらかい色あいでスタイリッシュ
もちろん今夜はここに泊まることにして、オリオンモダンツインの部屋に案内されると……まず目に入ったのは扉が透明ガラスのモダンな冷蔵庫。中にはオリオンビールとオリオンのチューハイが各1缶、そしてミネラルウォーター1本が入っているではないか。
「こちらは無料サービスですので、ぜひお楽しみください」
とは、案内してくれたホテルスタッフ。もちろん、いただきますとも! ひとりで泊まるには広すぎるこの部屋で。でも、1階の「Orion Official Store 那覇」でお土産にオリオンビール公式グッズも買いたいし、このホテルの総支配人、藤井幸さんはこう言っていたっけ。
「オリオンホテル那覇は国際通りの東端、安里三叉路そばの比較的落ち着いた場所にあります。有名な観光スポット、壺屋やちむん通りも徒歩圏内ですので、昼間はぜひそちらにお出かけください。ディープな飲み屋街『栄町市場』もすぐ近くです。当ホテルのビールはもちろん旨いんですが、夜深くなったら、栄町市場でジョッキで飲むビールの旨さも味わっていただきたいですね」
沖縄でビールといえばオリオン、そのジョッキビールもどうせオリオンなのだが、ちょっと休んだらディープタウンものぞいてみることにしよう。
オフィシャル・ストアでは、ぜひオリジナルのTシャツを
ここがディープすぎる飲み屋街、栄町市場の西ゲート?だ
翌朝、目覚めはきわめてよかった。さっそくダイニングに下りて、朝食をいただくことにしよう。
ビタミンブレックファーストと銘打たれたここの朝食は、メイン料理は選択して注文、前菜やサラダ、フルーツやヨーグルト、ドリンクなどはブッフェ形式で好きなだけ取る「選べるメインとハーフブッフェスタイル」。
飲み物、前菜、サラダ、フルーツなども種類豊富
朝から「島豆腐と地野菜入り自家製スパイスカレー 季節のミックス野菜と沖縄県産うっちんライス」で満腹だ
ついつい、メインにはオススメという自家製スパイスカレーを選んでしまった。けっこう辛い! だがスパイシーななかにもほのかな酸味と甘みがある。地元で採れた旬の野菜がグリルされて入り、栄養もボリュームも満点だ。添えられた「沖縄県産うっちんライス」も盛りがいい。「うっちん」は沖縄の方言で、ショウガ科の多年草ウコンを指す。そのせいか、たくさん食べても胃にやさしい印象だ。
「那覇市立壺屋焼物博物館」。展示はどれも見応えあり!
満腹になってしまったので、総支配人のお言葉に従い、壺屋やちむん通りまで歩いてみよう。うーん、朝から晴天すぎて、カレー効果もあるせいか10分歩いたら大汗。たまらず、やちむん通り入口付近にある「那覇市立壺屋焼物博物館」に駆け込んだ。
「やちむんの生まれる島」は必見! よくできたドキュメンタリー・ムービーだ
入場料はたった350円。なのに冷房は効いているし、3階建てで想像していたより展示物がはるかに多くて立派。1〜2階の吹き抜け大空間には、この地域の古民家が復元され、中には祝い膳を再現した模型もある。吹き抜けの壁を利用した映像シアターでは、オリジナルムービー「やちむんの生まれる島」が上映されている(これは必見!のおもしろさ)。ちょっと休憩のつもりが、じっくり見学してしまった。ここ、オススメです。
「育陶園」が運営する「壺屋焼やちむん道場」。美しい庭に囲まれた赤瓦の建物だ
続いて覗いたのは、やちむん通りから、路地を入って緩やかな坂を上ったところにある「壺屋焼やちむん道場」。この界隈に5店舗を構える「壺屋焼窯元 育陶園」が経営する、やちむん(陶芸)工房&体験施設だ。名前はややいかめしいが、昼休憩中の女性スタッフがにこやかに出迎えてくれた。
ここでシーサーづくりなどを体験した旅行客らの作品が作業台で乾かされていた
「ここでは、やちむんづくり体験ができます。たとえば小さなシーサーづくりの場合、器用な方なら約1時間、そうでない方でも1時間半あれば、体験可能です。ほかに、ロクロを回しての器づくりや、用意された皿への絵つけといったメニューもあります。いま台の上に乾かしてあるのが、昨日、体験された方々の作品です(上写真)」
作品たちはこのあとプロの手で焼かれ、約1ヵ月後に体験者のもとに届けられるのだという。時間があれば、やってみたかった! 道場の庭を飛び回るチョウチョを眺めながら、そう思った。
やちむん通りと同じ壺屋にある「EIBUN」は、いま那覇で一番人気があると評判だ。近くに2号店もできている
そうこうしているうちに、もうお昼どき。同じ壺屋地区にある、“いま、沖縄でもっとも流行っている”といわれる沖縄そばの新店、「EIBUN」に行ってみよう。
店前につくと、評判通りの大行列(上写真)。しかし! 事前に情報を入手していた私は、店の開店1時間前、朝10時には、店前に用意された「待ち表」に記帳しておいたのだ。というわけで、待ち時間10分ほどで入店できた。この暑さだから助かった!
さっそく、三枚肉、まかない肉、本ソーキ3種類の肉が載った一番人気の「BUNBUNそば」を珍しい「生麺」でオーダー。沖縄の炊き込みごはん「じゅーしー」もつけた。
店のオーナー、中村栄文さんは12年前に岩手から移住、500軒以上の沖縄そば店を食べ歩いていまの味を生み出したという
右が3種の肉が載ったBUNBUNそば。左がじゅーしー
運ばれてきたそばは、スープの豚骨とカツオの香りがなんとも食欲をそそる。ネギ増しにしたので、色合いも美しい。麺をすする。この太ちぢれ生麺、食感がモチモチで、とにかく旨い! 那覇で一番人気というのも納得の味だ。じゅーしーはあっさり。最後はそばのスープをかけ、茶漬けふうにしていただいた。このコンビネーション、最高!
とまあ、こんなふうに、まち歩きも楽しめる(暑いけど)オリオンホテル那覇。このあたりで泊まるなら、絶対のオススメだ。
Text & Photo:舩川輝樹(FRaU)
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