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ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅⑤ サンゴ礁の離島「イルデパン」で極上の地産地消──特大エスカルゴに舌鼓!
ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅⑤ サンゴ礁の離島「イルデパン」で極上の地産地消──特大エスカルゴに舌鼓!
FEATURE

ニューカレドニアのサステナブルをめぐる旅⑤ サンゴ礁の離島「イルデパン」で極上の地産地消──特大エスカルゴに舌鼓!

「天国にいちばん近い島」の呼び名で知られるニューカレドニアは、オーストラリア大陸の東に位置するフランスの海外領土。世界自然遺産に登録されたエメラルドグリーンのラグーンに囲まれた数十の島々からなる、南太平洋屈指のリゾートです。ニューカレドニアは、サステナブルというワードがポピュラーになる以前から、持続可能な伝統文化、自然・野生動物観光に関する取り組みを積極的におこなってきました。2021年には、ナショナル・ジオグラフィック・トラベラーで「世界最高の持続可能なデスティネーション」のひとつに選ばれています。豊かな自然と多様な文化に彩られたニューカレドニアを、トラベルライターの鈴木博美さんがレポート。最終回では、珊瑚礁の島イルデパンのごちそうをご紹介します。

広大な自然に囲まれたリゾートで伝統食「ブーニャ」を味わう

ニューカレドニアの離島イルデパンにあるル・メリディアン・イル・デ・パンは、100 年の歴史を誇るココナッツ園の中にたたずむホテル。広大な敷地に、ニューカレドニアの伝統的家屋カーズを模したヴィラや建物が点在し、目の前のビーチからは朝日が昇り、夕刻には濃厚なサンセットが海をオレンジ色に染め、漆黒の夜空を無限の星が埋め尽くす。南太平洋の美しい自然を全身で感じられる、贅沢なリゾートだ。もちろん、新鮮な島の食材をつかった郷土料理も楽しめる。

ニューカレドニアを代表する伝統食「ブーニャ」は、カナック族の特別な日の料理。タロイモ、ヤムイモ、ジャガイモ、バナナ、肉や魚といった地元食材とココナッツミルクをバナナの葉で包み、地中で数時間蒸し焼きにしてつくる。非常に手間のかかるこの料理は、大勢で食べることが多いというが、ル・メリディアン・イル・デ・パンのダイニングでは、一人用の小さなブーニャを提供。花や植物が添えられて、とてもオシャレだ。準備に時間がかかるため、前日までに予約が必要なので覚えておきたい。

ル・メリディアン・イル・デ・パンのビーチ沿いを15分ほど歩いたところにあるビーチレストラン「スナック・ル・クニー(Le Kougny)」は、ローカル気分で地元料理を楽しめる。イルデパンならではの島グルメといえば、大きな巻貝のエスカルゴ。特産の巨大エスカルゴは、島の貴重な固有種だ。天然資源の浪費を防ぐために島外への持ち出しが禁止されているので、首都のヌメアをはじめニューカレドニアのほかの島では食べられない。世界でもここイルデパンでしか食べられないという、超レアな食材だ。プリッとした食感と、ガーリックバターの風味が最高!

訪れたときは、幸運にもセミエビが獲れる時期だった。日本では漁獲量が極端に少なく、一般に流通することがほとんどない幻の高級海老で、伊勢海老よりもおいしいと称えられている。プリプリの身は、甘みと旨みが強い濃厚な味わい。火を通すと歯ごたえがよくなり、ミソの旨味が強まるのが特徴だ。殻のまま焼いたり茹でたりするシンプルな調理法で、セミエビ特有の甘みや旨みを味わうことが多い。つけあわせはタロイモのココナッツフレークかけとライス、島野菜のサラダ。ローカルならではの豪快な料理に、思わずテンションが上がってしまう。このほか、マングローブガニやロブスターなど、季節ごとに新鮮な甲殻類をおいしくいただける。

採れたての冷えたココナッツウォーターは、ごくごく飲めるおいしい水分補給ドリンク。若いココナッツの実は、殻の内側のプルっとした果肉も食べられる。果肉には、食物繊維、カリウム、鉄分、葉酸など栄養素がたっぷり。

ニューカレドニアの離島では、外から入ってくる食材が少ない分、自然の恵みを最大限に活かすために知恵と工夫が凝らされ、ならではの食文化が育まれてきた。また、生産過程における環境負荷や、天然資源の浪費、生産者の人権侵害など、負の影響を抑えることにも注力。持続可能な食品の生産というサステナブルな取り組みも、当たり前のように意識されている。ぜひニューカレドニアの島々を訪れ、独自の豊かな食文化に触れてみてほしい。

協力:ニューカレドニア観光局、エアカラン

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