蒼井優 「星のや軽井沢」の豊かな森で考えたこと【前編】
旅先を選ぶ際に大切にするのは、どんなこと? すがすがしい緑、おいしい空気、鳥のさえずり、太陽。心も体も元気になれる食事があれば、なおうれしい。緑のなかで、のんびりと過ごす時間が好きという蒼井優さんと、自然とともにあるような「星のや軽井沢」を旅しました。
いつもと違う空気のなかにいる。
それだけで、じゅうぶん幸せ
キンと冷えた空気が心地いい初冬の軽井沢。無邪気に自然と触れ合う蒼井優さんの姿を見ていると、こちらまで童心に返ってしまう。
「生まれ育った福岡は自然がすぐそばにある環境で、小さな頃から緑のある場所が大好き。東京でも時間があれば公園に足が向きます」
以前プライベートで訪れたサンフランシスコでも毎日公園でときを過ごしたのだそう。
「朝はゆっくりと起きて、『今日はどこの公園に行こうかな?』って地図を広げて。公園までの道中にあるお店でコーヒーを買っていくのが定番でした。私は編み物が好きなので、旅先ではまず毛糸屋さんを探すんですけど、公園でずっと編み物をしていましたね。東京とは違う空気のなかで自分の好きなことを思い切りやる。なんて贅沢な時間だろうって思ったんです」
おおらかな自然のなかで、何にも急かされることなく自分の時間に浸る。蒼井さんにとって旅と自然は切っても切り離せないものだ。
「星のや軽井沢も自然豊かで、気持ちのいい空間でした。落ち葉がたくさんあって、歩道の部分は掃除してあるのに、木々の周りの部分は葉を残してあるんです。落ち葉の美しさをさりげなく感じられるようにしているのが素敵です」
じつは今回ホテルで食べた食事にもそんなさりげない取り組みが隠されていた。星のや軽井沢ではレストランで出た生ごみを近隣の牧場と提携し堆肥化。それらを肥料にしてつくられた作物を食材としてつかうこともあるのだとか。
「じつは私も自宅に置けるコンポストを取り入れようかと考えていたところなんです。最近、友人に聞いて興味を持ったんですけど、自分でいろいろ調べて、本当につかい続けられるかどうか、頭のなかでシミュレーションしているところです」
PROFILE
蒼井優 あおい・ゆう
女優。1985年福岡県生まれ。1999年、ミュージカル『アニー』でデビュー。2001年、『リリィ・シュシュのすべて』でスクリーンデビュー。18年、『彼女がその名を知らない鳥たち』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。2020年10月公開の黒沢清監督作品『スパイの妻』でも主演を務め、高い評価を得た。
星のや軽井沢
長野県軽井沢町星野 ☎︎ 050-3134-8091 (星のや総合予約)
※ケラ池スケートリンクは期間限定営業。大人/1900円、小学生以下/1300円(貸し靴込み)
hoshinoya.com/karuizawa/
●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Photo:Norio Kidera Styling:Setsuko Morigami Hair & Make-up:Taeko Kusaba Text & Edit:Yuriko Kobayashi Cooperation:Hoshinoya-Karuizawa
Composition:林愛子