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すみれ「ハワイから学んで始めた、メンタルヘルスのAll FOUR ONE PROJECT」【前編】
すみれ「ハワイから学んで始めた、メンタルヘルスのAll FOUR ONE PROJECT」【前編】
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すみれ「ハワイから学んで始めた、メンタルヘルスのAll FOUR ONE PROJECT」【前編】

7歳でハワイに移住、米国の名門カーネギーメロン大学演劇科を経て、モデルやミュージカル俳優として活動を続けるすみれさん。コロナ禍で孤独を抱える人々に何かできることをと、メンタルヘルスをサポートするプロジェクトに参加しています。そんなすみれさんに、ハワイならではのエコライフや、メンタルをヘルシーに保つ秘訣などを伺いました(前編)。

メンタルを癒やすのは「人」。オープンに心の状態を話そう!

母親の松原千明さんとともに、小学校時代にハワイに移住したすみれさん。その当時からハワイでは「エコ」なライフスタイルが浸透していたという。

「通っていた小学校では、リサイクルについてかなり厳しく教えられました。リサイクル用の空き缶を、一番多く集めた学校が優勝!なんていうイベントも。優勝校には、ハワイ生まれのシンガーソングライター、ジャック・ジョンソンがやってきてパフォーマンスをしてくれるんです。残念ながらうちの学校は優勝できなかったんですが、彼の『The 3 R’s(リデュース、リユース、リサイクル)』という歌はすごく好きでした」

小学校時代から、エコバッグをもってショッピングに行ったり、プラスチックのストローをつかわないようにしたりと、環境を意識する生活があたりまえのように身についていたそう。

「どれも、生活のなかでできる、ちっちゃいことではあるんですが……。ハワイでは、海の魚たちを守ろう、という意識もとても強いんですよ。ですから、ビーチクリーンにもよく参加していました」

エシカルな意識が高いハワイで育ったすみれさん。人々は環境だけでなく、メンタルヘルスへの関心も高く、メンタルをケアするための環境が整っている

日頃から、「日本人はメンタルヘルスについての意識がまだまだ低い」と感じていたというすみれさん。世界がコロナ禍に襲われ、イベントや舞台、ライブなどが軒並み中止されるなか、メンタルヘルスをサポートするプロジェクトへの参加を決めた。

「親友のUKICOちゃんは、コロナウイルスに感染したとき、すごく孤独感に襲われて精神的に参ってしまったそうなんです。回復した彼女から『なにか、人のためにできることはないかな』と連絡があったのがはじまり。メンタルサポートをおこなっている『いのちの電話』とコンタクトをとって、UKICOちゃんと一緒にチャリティTシャツやCDをつくったり、インスタライブをしたりといった活動をおこないました」

活動の狙いは、メンタルヘルスへの考え方を広めること。

「インスタライブでは『じつはちょっと落ち込んじゃっているんです』という声がたくさん寄せられました。コロナ禍で日本人女性の自殺が増えたという話も聞きますし、どんなにハッピーな人だって心が疲れてしまうときはある。そんな方々に、『You are not alone.』、あなたはひとりじゃないよって伝えたくて」

シンガーソングライターのUKICOさんの発案ではじまった「All FOUR ONE PROJECT」。公私ともに交流のあったすみれさんとCrystal Kayさん、TIGARAHさんが加わり、メンタルヘルスをサポートするプロジェクトが立ち上がった

2022年に長男を出産したすみれさん。コロナ禍でのはじめての育児に、メンタルをやられてしまった時期があったという。

「自分にちゃんと子育てができるのか、ということはすごく考えましたね。産後うつだったのかもしれないんですが、なんか、どよ〜んと暗い感じになっちゃって、ずっと起き上がれずに寝てたりとか、起きてもヨロヨロしてるというか……。幸い、夫がとても明るくてハッピーな人で、笑わせてくれたので救われました」

「All FOUR ONE PROJECT」のインスタライブは現在お休み中。「子どもが映り込んできたり泣き出したりと、いまはちょっと難しい。でも今後も、この活動は続けていきたいです」

家族のサポートや赤ちゃんのかわいらしさに癒やされて、徐々にメンタルヘルスを取り戻すことができたとすみれさん。

「メンタルの不調からリカバリーするには、やはり人と会うのがベストだと思います。友だちや家族と会って相談したり、ときにはカウンセリングを受けたり……。アドバイスを受けられるだけでなく、話を聞いてもらって、『私もそういうことあったよ』って共感されると、ツライのは私だけじゃないんだ、みんないろいろ乗り越えてきたんだって安心できるんですよね。多くの人々に、『You are not alone.』、あなたはひとりじゃないことを感じてもらいたいです」

ハワイの人たちは、メンタルヘルスについて積極的に話し合う

落ち込んでいることを隠しながら、なんとか自分で解決しようとする人は多いだろう。とくに日本人は、人に助けを求めるのが苦手なのかもしれない。

「心の調子がよくないときでも、仕事をしたり友だちと会ったりすると、ハッピーに振る舞わなきゃいけないと思っちゃいますよね。私もそうなんですが、外で頑張って家に帰ると、ず〜んと落ち込んでしまう。『メンタル、調子悪いんだよね』と言うのは、勇気がいること。でも友だちや仕事仲間はもちろん、たとえば上司にだって積極的に相談していいと思うんですよ」

ハワイの人たちは、オープンに自分のメンタルヘルスについて話し合うとか。

「自分の状況を話すだけでもいいし、ラクになれるヒントがもらえるかもしれません。インスタライブでも、視聴してくれているみんなから『音楽を聴くといいよ』とか、『お風呂に入ってリセット』とか、『ハッピーな映画を見る!』とか、いろんな意見を出してもらいました。そういう話をする場があるだけでも、ホッとできるんじゃないかなと思っています」

――後編に続きますーー

すみれ■1990年、東京生まれ。7歳でハワイに移住、高校時代までを過ごす。16歳からモデルとしての活動をはじめ、アメリカのカーネギーメロン大学演劇科に進学。大学2年終了時に休学して女優・歌手としてデビュー。日本で女優、歌手、タレントとして活躍しながら、ハリウッド作品に出演するなど幅広く活動する。2022年4月に第一子を出産。

text:萩原はるな

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