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よりよい社会をつくる「有効なお金のつかい方」とは?
よりよい社会をつくる「有効なお金のつかい方」とは?
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よりよい社会をつくる「有効なお金のつかい方」とは?

私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションを始めてみませんか? 毎日の暮らしのなかでできることから新たな世界での体験まで、できそうなこと、やりたいことから探してみましょう。今回は、社会貢献につながるお金のつかい方について考えます。

社会貢献するために
まずは、この5つの方法から

お金や金融、経済の仕組みについて「難しそう」と敬遠する人や、「おおっぴらに話しにくい」というネガティブなイメージを持っている人は少なくない。しかし、お金は生活必需品であり、つかい方次第で社会をよりよくできるツールでもある。近年は大切なお金をより有効に活用するために、つかい方を見直そうとする意識が高まっている。

私たちを取り巻く環境は日々変化しており、地球環境の汚染や、気候変動、貧困や飢饉などの社会問題が他人ごとだと無関心ではいられない状況になってきている。社会課題解決に尽力する企業に投資をしたり、積極的に活動をする人に寄付をしたり、画期的なアイデアにお金を投じる。ひとり一人ができることは小さいことかもしれないが、たくさんの人のお金が集まれば、課題解決の糸口になる。自分のお金で社会貢献ができる、5つのお金の使い方を紹介する。

コミュニティマネー

地域通貨とも呼ばれるコミュニティマネーは、法定通貨ではなく地域やコミュニティ内のみで流通し使用できる貨幣のこと。地域経済の活性化、復興の目的で導入されている。現在はデジタルが主流になり、管理費や印刷費などのコストが削減できるようになったことで再び盛り上がりを見せている。全国の市町村から商店街まで、100ほどのコミュニティマネーが流通。その地域に住んでいない人もつかえるので、旅行者が滞在中に積極的に使用するだけでも、その地域に貢献できる。チャージする際のポイント加算や、買い物時にポイント還元があるなど、独自のサービスを展開している地域マネーも多い。

▼コミュニティマネーの基礎知識

クラウドファンディング

実現したいサービス、イベント、商品開発などのアイデアをインターネットで表明し、賛同してくれる人から資金を集める仕組み。通称クラファン。個人でも資金を募れるので、画期的なアイデアや多くの人に求められるサービスを、組織でなくても実行できる機会が増えている。いくつかの種類があり支援者へのリターンがない寄付型、支援者にものやサービスなどが返ってくる購入型、株式発行やファンドの仕組みを利用し融資を集める金融型がある。クラウドファンディングのプラットフォームにアクセスすると多くのプロジェクトが掲載されているので、興味のあるものを見つけよう。

▼クラウドファンディングの基礎知識

ふるさと納税

「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として2008年に創設。寄付した額により税金の控除が受けられる。純粋な寄付や、返礼品がもらえるものなどの種類があり、返礼品には地域ならではの特産物や工芸品、アクティビティなど種類も豊富。返礼品によって地元の産業をPRできる。ただし、返礼は寄付額の3割までと決められている。申し込みの際に寄付金のつかい途を選べる。本来納める税金を寄付という形で先に納めることで後の支払いがなくなる仕組みなので、節税の効果はない。

▼ふるさと納税の基礎知識

寄付

自分の意思で金銭を提供すること。活動に共感する団体や個人にお金を投じることなので、クラウドファンディングもふるさと納税も寄付の一種といえる。海外ではアーティストや著名人が、学校や人道支援をする団体、芸術分野などに多額の寄付をするニュースがたびたび報道され、寄付をする文化が根づいていることがわかる。日本でも東日本大震災をきっかけに被災地への募金が集まるようになるなど、意識が高まってきた。寄付先はたくさんあるので、被災地への支援や、全国に5万以上あるといわれるNPO団体への寄付など、活動内容や理念に共感する団体を選ぼう。毎月寄付をするなどの定期的な送金も可能。

▼寄付の基礎知識

ESG投資

この場合の投資とは、利益を見込んで株などの金融商品を売買すること。投資先の企業の財務情報だけではなく、環境(Environment)に配慮していること、社会(Social)に貢献していること、健全な企業経営のための管理体制(Governance)に配慮していることなどを念頭に置き、この3つを評価し企業を選別して投資を行うことをESG投資と呼ぶ。対外的な活動だけでなく、ダイバーシティ、サプライチェーンなども注目される。社会に貢献できるというリターンと同時に、その企業の成長に応じて財務的なリターンも期待できる。欧米を中心に広く浸透しており投資額も拡大している。

●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Illustration:Takashi Nakamura Supervision:Mari Yoshitaka Text & Edit:Saki Miyahara
Composition:林愛子

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