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寄付金8億円も夢じゃない!? クラウドファンディングの基本知識
寄付金8億円も夢じゃない!? クラウドファンディングの基本知識
COLUMN

寄付金8億円も夢じゃない!? クラウドファンディングの基本知識

インターネットの普及によって広がったクラウドファンディング。さまざまな夢を気軽に応援できるサービスとして世界で急成長中です。日本初のクラウドファンディングプラットフォームを設立した米良はるかさんに、お話しを伺いました。

Q.クラウドファンディングってどういう意味?

クラウド=群集
ファンディング=資金調達です

クラウドファンディングとは、クラウド=群集、ファンディング=資金調達を意味する造語です。大勢からお金を集めるという意味では寄付と同じで、クラウドファンディングという言葉が生まれる以前から、このような資金調達の形は存在していました。

それが急成長した背景にはインターネットの普及があります。2000年代になるとアメリカで先駆的なクラウドファンディングプラットフォームが続々と開設され、不特定多数の人から比較的簡単なステップで資金調達ができる環境が整います。

ウェブサイトに登録されているプロジェクトはさまざまで、途上国への支援から商品開発、会社の運営費用や世界一周の費用集めといったプライベートな企画も。プロジェクトに共感した人はサイトを介して資金を援助。サイト上で気軽に参加できるのも、クラウドファンディングが世界で人気を博している理由です。

Q.プロジェクトにはどんな種類があるの?

寄付型、購入型、金融型
3つのリターン方法があります

クラウドファンディングの種類は、支援者(お金を払う側)へのリターン(お返し)の方法によって大きく3つに分けられます。寄付型は基本的にリターンはなし(寄付控除が受けられる場合はある)。支援者にとっては一般的な寄付に一番近いものとなります。

購入型は、支援者にモノやサービス、体験や権利などが返ってきます。たとえば新商品の予約販売をクラウドファンディングで行って、その資金によって商品開発や製造を開始。支援者にはリターンとして仕上がった商品を届ける、といったものです。

金融型は、株式発行やファンドの仕組みを利用した投融資資金を募るものです。投資型、貸付型、株式投資型などに細分化されます。支援者は自分が応援したいプロジェクトを見つけたら、まずそれが何型なのかを理解するといいでしょう。

Q.応援したいプロジェクトはどうやって探すの?

クラウドファンディングプラットフォームで
興味のあるワードを検索!

クラウドファンディングの仕組みを理解するには一度やってみるのが一番です。1000円など少額から参加できるプロジェクトも多くあるので、ぜひ気軽に試してみてください。応援したいプロジェクトを見つけるには、日本に数社あるクラウドファンディングプラットフォームで、興味のあるキーワードを検索するといいでしょう。

各社には特徴があり、たとえば日本初のプラットフォーム「READYFOR」には社会問題に取り組む寄付型・購入型プロジェクトが多く集まっていますが、金融型のプロジェクトはありません。検索バーに「海」「猫」「漫画」など気になるキーワードを入力して探すこともできますし、注目プロジェクトや終了間近のプロジェクトを覗いてみるのもいいでしょう。プロジェクトの詳細ページに届いている支援者からの応援コメントも参考になります。

Q.いままでの寄付と違って何が画期的なの?

インターネットによって
世界から共感を集められます

クラウドファンディングは、団体や会社を立ち上げなくても、個人でプロジェクトを発表でき、さらにインターネットを使って世界中から資金を募ることができます。つまり支援者側からすると、より自分の趣味嗜好に合ったプロジェクトを見つけられる可能性があるということです。

廃刊となった大好きな雑誌を復刊させたい、故郷の駅前に印象的な銅像を建てたい、など具体的でユニークなプロジェクトも見つかります。誰もが夢を発信でき、その内容に共感すればお金を介して応援できる。

プロジェクトは一定期間公開され、目標金額に対して、いくら集まっているか、何人が参加しているかなどの情報も随時更新。目標を達成した喜びを、支援者も一緒に味わえることが盛り上がる理由となっています。

Q.日本で一番多くの資金が集まったプロジェクトは?

新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金に
8億5530万9000円が集まっています

READYFORで2020年4月3日に立ち上がったプロジェクト。新型コロナウイルス感染症の拡大防止活動に取り組む人々を緊急にサポートするためのもので、READYFOR、感染症の専門家、公益財団法人東京コミュニティー財団の3者が協力し、実行者となりました。

これまでREADYFORは実行者を支援する側でしたが、はじめて自分たちが実行者となり社内に事務局を立ち上げて運営しています。助成先は公募し、医療の現場など、新型コロナウイルス感染症対応にかかわる個人や団体をサポートしています。7月2日までに計61団体へ3億5883万3856円の助成を実施。プロジェクトは当初7月2日まででしたが、特設ページで支援を延長。現在も日本のクラウドファンディング史上最高額を更新し続けています。 ※2020年11月4日現在

Q.クラウドファンディングが世界に広がった理由は?

誰かの夢を応援することに
熱狂や感動があるからです

欧米ではすでにクラウドファンディングは一般的な資金集めの方法です。日本の社会にも浸透しつつあり、個人が個人の夢を応援することが当たり前になってきています。それは、これまでは団体や会社といった、大きな声を上げられる立場の人々でなければ多額の資金を集めることはできなかったのに対し、いまは人々の共感を得るアイデアさえあれば、個人の小さな声にも然るべきお金が集まるようになった証でもあります。

その過程で熱狂や感動を分かち合えるのも、クラウドファンディングが支持される理由です。自分が応援するプロジェクトが目標金額を達成できるかドキドキしたり、支援する人たちの応援コメントを読んで仲間が増えたような気持ちになったり。支援者もプロジェクトの一員となって心が動く。思いのこもったお金が生むポジティブな連鎖に人々が魅了されています。

Q.資金集めが終了した後は?

プロジェクトの進捗状況が
活動報告でわかります

クラウドファンディングが支持される理由のひとつに、資金集め終了後の状況がわかりやすいという点があります。サイトで報告したり、支援者にダイレクトメールが届いたりと、方法はさまざまですが、わかりやすくまとめられる傾向にあります。支援するのがプロジェクト単位であることが多く、支援金の用途や、進捗状況をレポート化しやすいこともあるでしょう。

READYFORでは各プロジェクトページに新着情報という部分があり、クリックするとブログ感覚で状況を把握できます。たとえば、破棄される農作物で新しい地元の名物をつくりたい! といったプロジェクトなら、試作品の状況や、パッケージ案が完成したようすがシェアされて、応援する気持ちが高まります。自分の支援したお金がどうつかわれているのか気になるという人にも、納得感のある仕組みです。

PROFILE

米良はるか めら・はるか
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科在学中にスタンフォード大学留学。2011年3月に日本初のクラウドファンディングプラットフォーム「READYFOR」設立。日本人史上最年少でダボス会議に参加するなど注目される。

●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Illustration:Tomoko Fujii Text & Edit:Yuka Uchida
Composition:林愛子

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