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サスティナビリティは難しくない! 表参道で体験する「SDGsはじめの一歩」
サスティナビリティは難しくない! 表参道で体験する「SDGsはじめの一歩」
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サスティナビリティは難しくない! 表参道で体験する「SDGsはじめの一歩」

10月は食品ロス削減月間。これに合わせて10月4日から23日まで行われているのが、食やアートをテーマにできることからはじめるサスティナビリティ企画「heeee!(へぇ〜)」。第1回目となる今回は、行き場を失った不ぞろい食材を使用した、身体にも環境にもやさしいフードメニューを提供しています。

規格外野菜のおいしさにびっくり!

「サステナブルな行動を」と言われても、少しくすぐったく感じたり、尻込みしてしまう人はけっこういるはず。このままではいけないと思ってはいても、いざ「何かアクションを!」と言われると、「私は大丈夫です」とひいてしまうケースも多いようだ。

そんな人たちに寄り添うサステナブルなイベント「heeee!」が、東京・表参道に面した商業ビルGYREの4階、「GYRE.FOOD」内で行われている。フロアにある3つのレストランやカフェで、食材をムダなくつかい切る工夫を凝らしたメニューを提案中。なかでもカフェ,デリ&バー『uni』では、一般に流通しない規格外の食材を使用した、ボリューム満点のプレートが味わえる。

プレートはボリューム満点の牛すじ煮込み、ぬか漬け、おから、かぼちゃの煮つけ、サラダという内容で、どれも素材の味が存分に活かされている。「こんなにおいしいのに、これらすべてが捨てられる運命だったの!?」と、背筋が寒くなるほどだ。こうした気づきやキッカケづくりこそ、同イベントの狙いなのだろう。

uniに登場した「heeee!プレート」。メインは豆腐に牛すじの旨みが染み込んだ、滋味深い塩味の煮込み。好みで七味をかけていただく

プレートの野菜を提供しているのは、フードロス削減に向けてさまざまな取り組みをおこなっている「オイシックス・ラ・大地」だ。同社は、見た目や色、サイズなどが理由で流通しない規格外品や、十分食べられるのに捨てられがちな端材に、早くから目を向けてきた。

オイシックス・ラ・大地では、豪雨や台風でダメージを受けた規格外品のほか、豊作や外的要因で余ってしまった食品を販売する「おたすけOisix」をスタート。わずか10日で1万人の登録者を集めたという

3つのレストランで腕を振るう信太竜馬シェフは、もともと、食育の一環として「こども料理教室」を月2回開催したり、GYREの屋上で養蜂を行ったりと、独自の取り組みも展開してきた。

「私自身、『社会課題を解決しなければ』『このままではいけない』というような、ネガティブな感覚で取り組んでいるわけではないんです。ただただ、『食材の背景をもっと知りたい』などと思いながら行動に移すと、その先に問題が見えてくる。いつもの生活を送るなかで、余裕があるときにサステナブルなものを取り入れてみる。そのくらいのスタンスで、ムリなく続けていくのがいいのではないかと思っています」

「社会問題を解決しようとすると、ものすごいエネルギーがいる。人から言われるよりも、自分から気づいたほうが行動に移しやすいと思います」(信太シェフ)

uniでは、食だけでなくアート×サステナブルが体感できる仕掛けも用意。店内には、ひとつ一つ異なる材質・デザインの椅子が配されている。これらはすべて、壊れて捨てられようとしていた椅子を廃棄せず、まだつかえるパーツを取り外し、やはり廃棄される予定だった他の椅子のパーツと組み合わせてリデザイン&制作された椅子なのだ。どれもが高いデザイン力でまとめられていて、非常にオシャレ。このなかから、好みのデザインと座り心地の一脚を選ぶのは思いのほか楽しかった。まさに「オシャレ&楽しい」を入り口にサステナブルを体験できる、絶好の機会となっている。

個性あふれる椅子たちは、リサイクルやアップサイクル、リユースだけにとどまらないサーキュラーな家具づくりを目指すプロジェクト「COMPASS」によるものだ
 

サステナブルの「怖くない入口」を提供

今回が第1回となる「heeee!」の試みは、今後さらに広がっていくという。イベントを企画したBLOOM代表の斉藤麻子さんが語る。

「基本的に私たちは毎日3回、食べるものを選択しながら生きています。そのなかから、たとえば1週間のうち1回の食事だけ、ちょっとサステナブルを意識してみるなど、『食』なら第一歩を踏み出しやすいのではと考えました。今後はこのイベントを、もっと広げていきたいと思っています。これですべてが解決するとはもちろん思っていませんが、きっかけをたくさんつくることで、きっと何かが変わるはず」

たしかに、アップサイクルされた椅子に腰掛け、規格外野菜と余ってしまいがちな肉の部位などからつくられたプレートランチをいただいていると、気負うことなく「いいことをした」と感じる。都会のど真ん中にいるのに、まるで旅先のように心も安らぐ。

「SDGsへの取り組みも、やってみたら簡単なんです。それどころか心地がよかったり、かわいかったり、おいしかったり……。もともと私自身が、『ていねいな暮らし』とか『シンプルに』が苦手なんですよ。でも、そんな私にもできるやり方なら、みなさんにとっても怖くないはず。これをきっかけに、いままでより多くの人がサステナビリティについてもっと知りたくなったり、さらなる行動を起こしたりしてくれたらいいな、と願っています」(斉藤さん)

text:萩原はるな

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