高石智一が選ぶ「お金から自由になろう」と思える3冊
自分だけが心地よくなるためのお金ではなく、社会や環境、その先にある未来をも豊かにするお金へ。お金のつかい方やその流れを変えることは、世界のさまざまな課題解決を後押しする大きな力になると多くの人が気づきはじめています。今回は、お金の本当の姿を知れる本を、編集者の高石智一さんに選んでいただきました。
「雑誌編集をしながら、スーパー銭湯で清掃のバイトをはじめました。PCから離れる時間を強制的に持つことで頭がクリアに。それと同時にいままでいかに自分がお金を稼ぐことで得られる刺激に慣れすぎていたのかに気づいたんですよね。生活はお金だけでなく、何をするか、誰と過ごすかで、いかようにも深みを持つと教えてくれた3冊を紹介します(高石智一)」
『無駄なことを続けるために ほどほどに暮らせる稼ぎ方』
藤原麻里菜/著
「お金は持っているほうがいい」「男は稼ぐほうがいい」といった刷り込みを一掃してくれる新しいビジネス書。発明家である著者の、やりたいこと(=ムダなこと)を続けるために稼ぐ、というスタンスに共感。大事なのはお金より目的です。(ワニブックス)
『「山奥ニート」やってます。』
石井あらた/著
山奥で、お金にとらわれない持続可能なニートを目指す石井さんたちの記録。最近「もし仕事がなくなったら」と不安になるのですが、彼らの自由な暮らしぶりに明るいヒントをもらえます。働いていない人の考え方こそ、僕らのセーフティネットです。(光文社)
『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』
スズキナオ/著
大阪在住ライターのエッセイ。あえて最先端ではなく、お金になりそうにない最後尾を楽しく歩く著者の姿にあこがれます。ググッても絶対に出てこないものを見つける嗅覚が鋭すぎる! 読後、友達に久しぶりに連絡したくなりました。(スタンド・ブックス)
PROFILE
高石智一 たかいし・ともかず
編集者。雑誌『週刊SPA!』の編集のかたわら、『アル中ワンダーランド』(まんきつ著)や、『夫のちんぽが入らない』(こだま著、ともに扶桑社)などの話題本を担当する。
●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Text:Marie Takada Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子
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