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小池都知事も大ハシャギ!? 日本科学未来館の「次世代モビリティ」【前編】
小池都知事も大ハシャギ!? 日本科学未来館の「次世代モビリティ」【前編】
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小池都知事も大ハシャギ!? 日本科学未来館の「次世代モビリティ」【前編】

東京お台場にある日本科学未来館(以下、未来館)は、国立の研究施設でありながら、大人も楽しめる一大アミューズメントパークでもあること、これまで何度もお伝えしてきました(前回記事はこちら)。そこを会場のひとつにして「未来を乗りにおいでよ。次世代モビリティのまち体験」なるイベント(2月6日まで)が開催されると聞き、本サイト記者も、さっそく駆けつけました。いや、今回も楽しかった〜! 【前編】

ーー後編はこちらーー

未来館の浅川館長と「ベンチ型モビリティ」で語り合ったことは……

東京都とDIC協議会が主催するこのイベントで体験できるのは、4つの次世代モビリティ。1月26日の開催セレモニーでは、小池百合子東京都知事が誇らしげにスピーチした。

「東京都は都市が抱える課題解決に向け、さまざまな新技術の導入を進めております。その一環として、自動運転技術を活用した次世代モビリティによる移動サービスの実現を目指しています。今回は4つのモビリティをお披露目。この会場(未来館)では、視覚に障害がある方を目的地まで自動で誘導するスーツケース型のロボット(AIスーツケース)と、ベンチ型のモビリティを展示しています。ほかに、公道では中型の電動バス、公園では運転席がない小型の電動バスも体験いただけます」

そんな小池知事が体験したのはベンチ型の自動運転モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」(上写真)。公園などにあるベンチに車輪がついただけの単純なつくりに見えるが、高齢などの理由で移動に不安があったり、困難な人も家族や友人と外出を楽しめる、数人が横並びで座れるスグレモノらしい。

未来館の浅川智恵子館長(上写真・右)と並んでこのモビリティに乗車した小池知事は、

「ベンチごと動くというものですので、『こういうのでディズニーランドに行けたらいいよね』なんて(乗車中に)浅川館長と話をしていました!」

と、すっかり気に入ったようすだった。

お台場を回遊する自動運転EVバス「J6」。中国の自動車メーカーBYDが日本の交通需要にフィットするように開発した小型電気バスで、すでに京阪バス(京都市)などで導入されている

運転手がハンドルに触らない!「自動運転バス」は超快適!!

次に紹介する近未来のモビリティは、「自動運転EVバスで移動しよう!お台場回遊プロジェクト」の小型電気バス「J6」だ。開発したのは中国の自動車メーカーBYDで、1回の充電で約200㎞も走れるという。低床設計で、子どもから高齢者まで、安心して乗り降りできることもウリだ。

このバス、念のため?に運転手も同乗するが、事前にルートを登録すれば、自動ステアリング、自動アクセル、自動ブレーキでスイスイ進み、車両の位置は、GNSS(GPSほか衛生測位衛星システムの総称)により管理者が常に把握、車両の前面と屋根についたLiDAR(光を用いたリモートセンシング)で通行者や障害物などを感知するというから、かなりの安心感だ。

J6車内、運転席の後ろには巨大なモニターが。車載カメラに加え、GNSSやLiDARなどで取得した情報を3Dマッピング化した画像がリアルタイムで表示される

筆者も、未来館からビーナスフォートの前を抜けてアクアシティお台場へ——というルートを試乗してみた。まず、発車がきわめてスムーズ。万が一のため乗車している運転手が、ほとんどハンドルに手を触れないのが何とも不思議だ。各種センサーやAIが感知した情報は、運転席の後ろのモニターにリアルタイムで表示される。これが乗客に、えもいわれぬ安心感を与えるのだ。アクアシティ到着までの約15分、筆者は自動運転であることも忘れ、すっかり“観光”を楽しんでいた。これらの運行データは、近い将来のインバウンド観光回復時に活かされるそうだ。

運転手が「オペレーター」と呼ばれるワケは!?

続いて「コンパクトな自動運転EVバスによる お台場シティバリューアッププロジェクト」を体験。ここでの主役は、フランスの自動運転バスメーカーNAVYAが提供する、最高速度19㎞/hのシャトルバス「ARMA(アルマ)」だ。

フランスNAVYA社製のシャトルバスARMA。最高速度は19㎞/hとのことだが、取材日の速度は7㎞/hだった

筆者が試乗した日は、アクアシティお台場とセントラル広場前の間を、約15分で往復していた。まだ実証実験段階の乗り物ということで、速度は「歩くよりは少し早い」程度。だが乗り心地はいい。同乗していた運転手ならぬ「オペレーター」の手には、何やら見覚えのあるリモコンのようなものが……。そうだ、これはゲーム機「マイクロソフトXBOX」のコントローラーじゃないか! 緊急時には自動運転を終了し、このコントローラーの十字キーとスティックでの操作に切り替えるのだという。うーん、だから「オペレーター」なのか!

バスの車載カメラはフランスのNAVYA本社などと常につながっており、運行状況はリアルタイムで監視されている。しかもこのクルマは、事前に走行ルートのスキャニングデータから3Dマップを作成しての自動運転。走行中はGNSSとLiDARなどの認知システムによって、車両の現在地や障害物の検知はもちろん、それらのデータをもとに、歩行者やほかの車両などとの「相互影響を判断」までするというから……このバス、もはや子どもでも安全に運転ができるんじゃないの?

ARMAに同乗するオペレーターが手にしているのは、ゲーム機XBOXのコントローラー。緊急時には制御を切り替えて、このコントローラーでバスを操作する

イベント開催期間中は、アクアシティお台場を起点に、グランドニッコー東京、ダイバーシティ東京プラザなど、臨海副都心エリアのスポットを周遊する。事前予約のうえ乗車すれば、各施設の割引券がもらえたり、謎解きスタンプラリーに参加できたりするという。行ってみて、絶対に損はない、はず!

ーー後編に続くーー

photo:松井雄希 text:奥津圭介

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