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パンダと海だけじゃない! 南紀白浜は、なぜ「働く人の聖地」と呼ばれるのか【後編】
パンダと海だけじゃない! 南紀白浜は、なぜ「働く人の聖地」と呼ばれるのか【後編】
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パンダと海だけじゃない! 南紀白浜は、なぜ「働く人の聖地」と呼ばれるのか【後編】

白い砂、青い海のパーフェクトな景観を誇る和歌山県・南紀白浜。日本三古湯のひとつに数えられる歴史ある温泉や、熊野本宮へ通じる世界遺産・熊野古道もあり、アドベンチャーワールドにはパンダもいる人気の観光地。ここが「ワーケーションの聖地」と呼ばれる理由が知りたくて、白浜町を訪れました。

▼前編はこちら

海の奇岩に熊野古道
歴史を感じながら働ける

140種、1400頭の動物が暮らす「アドベンチャーワールド」には、4頭のジャイアントパンダが。写真は彩浜(さいひん)。赤ちゃんの楓浜(ふうひん)も人気

ホテルで過ごしながら、働く時間を優雅に楽しみたい南紀白浜だが、それだけではない。せっかく来たら訪れておきたい場所も多くある。

絶対に外せないのは「アドベンチャーワールド」のジャイアントパンダだ。白浜町はどこもかしこもパンダ一色。2021年11月に生まれたかわいい赤ちゃんを含めて、ここには4頭のパンダファミリーが暮らしている。繁殖の成功のカギは、町のキレイな水や澄んだ空気など、快適に過ごせる環境にもあるのだろう。パンダに限らず、ここでは暖かな日差しを浴びて、動物たちがのんびり過ごしている。

国の名勝に指定される「千畳敷」。砂岩が波の浸食を受けて複雑な形に。自然がつくり出した約4ヘクタールの不思議な光景だ

ここは、『日本書紀』や『万葉集』にも記された歴史ある温泉地でもあり、道後温泉、有馬温泉と並ぶ日本三古湯のひとつとされ、さらに熱海温泉、別府温泉とともに日本三大温泉にも数えられる。海岸から源泉が湧き出る露天風呂「崎の湯」など、地元で長年愛される名湯に浸かり、歴史に思いを馳せるのもいい。近くには、古代の温泉名を引き継いだ「牟婁(むろ)の湯」もあり、ここでは砿湯(まぶゆ)と行幸(みゆき)の2種類の源泉を楽しめる。

海岸からは、穴の空いた奇妙な小島「円月島」が見える。海岸に突き出す岩盤、千畳敷(上写真)なども、壮大な自然を感じさせてくれる白浜の名物だ。

番所山公園の高台には、和歌山市に生まれ、博物学の先駆的存在でもある南方熊楠の記念館もある。館の屋上からは、熊楠が自然保護運動により守り、国の天然記念物となった神島などを見下ろせる。この眺望もまた素晴らしい。

熊野古道を進むと、鬱蒼とした竹林となる。古の自然が、ほぼそのまま残されているのだ。これは、江戸時代の絵師・長沢蘆雪の障壁画で知られる草堂寺の脇を入り、険しい登りとなる富田坂を経て、日置川に向かうコース。南紀白浜ICからすぐの場所だ

さらに東に少し足を伸ばせば、世界遺産にも指定された熊野古道、富田坂の入り口がある。草堂寺の先のひっそりとした脇道を入った先は、5kmの上り坂が続く大辺路の難所。美しい石畳を登り、竹林に分け入れば、紀伊山地の霊場と参詣道へ続く。少し足を踏み入れただけで、荒々しい自然が顔を覗かせる。ここもまた南紀白浜なのだ。

ホテルで海を眺めながらのワーケーションから、森に潜む神々たちを感じる熊野古道まで。海だけではない、紀伊半島の奥深さにも触れられる南紀白浜。土地の恵みを味わいながら、都市と、世界とつながって働く、自分なりのやり方を探してみては?

南紀白浜の滞在&グルメスポット

「SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE」。2018年に大規模リニューアルが完了、活気あるホテルに生まれ変わった。リゾート型の本館「ホテルシーモア」と、上写真の長期滞在型「シーモアレジデンス」は用途によってつかい分けを。和歌山県西牟婁郡白浜町1821 www.keyterrace.co.jp www.seamore-residence.com

2019年に民営化された和歌山県の空の玄関口、南紀白浜空港は東京・羽田空港から約75分。ここから町の中心部へは、バス、タクシー、レンタカーで数分しかかからない。エアポートとして、ワーケーション誘致にも力を入れている。和歌山県西牟婁郡白浜町才野1622-125

紀州梅で有名な南紀白浜には、小梅の梅干しも。こちらは、手打ちそばが旨い「さいこう」のテーブルでも供される自家製。同店レジ横で販売、500円。

町中のあちこちから温泉の湯気がのぼる白浜町。

海を望むホテルシーモアの足湯のほか、たくさんある無料スポットは誰でも利用可。

番所山公園内にある「南方熊楠記念館」。高台まで車で登る道のりもエンターテインメント。あるがままの生き生きとした自然の姿が残されている。

4階建ての元信用農協をリノベーションした「MUYA」。カフェ&アパレルショップの上は、一日1組限定で貸し切り利用できる宿泊施設。ワーケーションにもいい。www.muya.jp

約50年、地域の人々に愛される大衆酒場「長久酒場」。モチガツオの刺身、ウツボの唐揚げ、イノシシの焼き肉など、地元の旬の食が豊富。

地ビール「ナギサビール」。工場見学も可能。

「とれとれ市場」には、地元以外に全国からも旬の魚が集まる。

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●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Photo:Tetsuya Ito Text:Asuka Ochi Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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