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残業も満員電車も、もうやめよう! リモートワークにはメリットしかない
残業も満員電車も、もうやめよう! リモートワークにはメリットしかない
LIFE STYLE

残業も満員電車も、もうやめよう! リモートワークにはメリットしかない

理想の仕事スタイルとは、どんな働き方でしょうか。これまで、働き方を変えるには、まず仕事を変えるのが主流でしたが、いまでは選択肢が増えました。時間や場所にとらわれないリモートワーク、海や山に囲まれた場所でのワーケーション、複数の仕事を同時に持って知見を広め、やりがいにつなげる複業、生活様式の多様化に合わせて暮らしから変える2拠点生活や移住など、働き方は十人十色。自分らしく働けるスタイルをぜひ創造してください。今回は、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(当時)の島田由香さんにお話を伺いました。

Q1.リモートワークにはどんなスタイルがある?

時間と場所を軸に3パターンがあります

場所を変える、時間を変える、両方変えるという3パターンがあります。在宅ワークはひとつの選択肢。どこかのコワーキングスペースや、地方でもいい。これまで当たり前じゃなかった場所でも、自分がいちばん働きやすい場所で働くことで、可能性が広がります。

時間にしても定時という考え方ではなく、子どもの送迎や学校行事、副業など、仕事以外の大切なことを組み込んで考えればいい。夕方になると疲れる人もいれば、深夜のほうが元気な人もいる。パワーがある時間に企画を考えて、疲れているときはメールを確認しようとか、自分に合う時間の使い方を考える。タイムマネジメントではなく、1日のなかでどう動けば効率的なのかというエネルギーマネジメントですね。

Q2.リモートワークのメリットは?

仕事を含む人生が豊かになります

場所や時間にとらわれず、ストレスのない環境で働く=ウェルビーイングが高いことによって、パフォーマンスは上がります。持っているのに発揮できていなかった能力を活かせるようになり、自分の可能性に気づく人も多い。

また、ワーケーションはとくに、新しい人とのつながりによってアイデアのシェアや広がりが生まれます。場所を変えれば見える景色も変わり、脳へのよい刺激にもなる。ひらめきが生まれたり、エネルギーやモチベーションがアップしたり。仕事の効率がよくなれば、働く時間が短くなるかもしれません。余った時間を遊びにつかうもよし、課題を解決したり、勉強などのスキルアップにつかったりするもよし。人生が自分らしく豊かになっていくはずです。

Q3.リモートワークに対しての考え方、日本は遅れている?

日本人はガマンしすぎ。もっと自由に楽しんでいい

働く時間や場所はいつでもどこでも、という考え方において、どこかの国が先駆けていたわけではありません。ただ欧米諸国はもともとワークライフバランスを重視しています。そのため勤務時間はフレキシブルで、自分の生活に軸をおき、効率的、能率的に仕事をしていることが多いんですね。ジョブシェアリングという制度も、その表れ。

それに比べると日本は残業や満員電車での通勤が当然となっており、歯を食いしばって頑張ることが美徳とされている部分もある。もっと自分のことも他人のことも許していいし、人生を楽しんでいいんです。もちろん根性が必要なときもある。そのためにも、長く働き続けるためにも、日本人はもっと自由な働き方について考えるべきだと思っています。

Q4.リモートワークに大切なことは?

主体性を持って自分らしく生きること

自立(言われなくても自らやるという自主性)と、自律(自分を律するのではなく、自分の旋律を奏でる=主体的に自分の表現をしていく)が重要。自立してこそ、自律できる。そこに至るにはステップがあり、まずは自覚(自分はこんな人間だ、こういうものが好きだということに気づく。自分を知ること)からスタートする。

そこから自発(自ら思っていることや考えを、周りに対して発していく)→自信(自分から発したことによって、周囲が動いてくれたり、フィードバックされたりすると、自信につながる。自分を信じる)→自立(主体性を持つ)→自律(自分の旋律を奏でる)となる。自立と自律ができていれば、場所や時間が自由になっても、責任を持って仕事を遂行できるのです。

Q5.リモートワークはどうやったらうまくいく?

信頼とコミュニケーションを大切に

リモートワークを導入するにあたって、多くの人が感じる不安は、チームワークの崩れとサボりだそう。まず最初に社員を信じること。人は管理しないとサボる、教えてあげないとできない、ルールがないとだめ、などと性悪説を無意識に信じているリーダーが多い。

でも人間は本来、よいことを行う生き物なんです。だから人を信じて任せること。そのうえで、コミュニケーションをきちんととること。本当のコミュニケーションって意外ととれていないもので、「むきつ」(向く、聴く/訊く、伝える)を意識することが大事。ときにはきちんと体を向けて、人と向き合い、話を聴いて、問いかけて心を通わせ、相手が理解するまで伝える。これを続けると関係性が変わっていきますよ。

ワーケーションをするなら
どんな場所に行きたいですか?(複数回答可)

※全国の20代~50代男女1000人を対象にしたアンケート結果。調査協力/ネオマーケティング

家や会社以外の自由な場所で働いていますか。
または、働きたいと考えたことはありますか?

※全国の20代~50代男女1000人を対象にしたアンケート結果。調査協力/ネオマーケティング

PROFILE

島田由香
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス取締役CHROとして(記事掲載当時)、独自の人事施策を多数実行。2016年、Work from Anywhere and Anytime(略してWAA)という人事制度を導入。ガマンをせず、自分の人生を満たしてこそ、最大限の力が発揮できるという考え方を広めている。

●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Illustration:SANDER STUDIO Text:Shiori Fujii Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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