二拠点生活のパン職人・田村陽至「週休3日で、人生が変わる」
職業や肩書、場所にとらわれず、どうやって働き、生きるのか。選択肢は広がりつつあります。自分に合う働き方を見つけた人たちに聞く、“新しい働き方”のヒント。今回は、ブーランジェリー・ドリアンの田村陽至さんに伺います。
広島と岡山・蒜山を行ったり来たり
パン業界の常識を覆しつつ、幸せに暮らす田村陽至さん。パンは日持ちのするハード系で、成形の手間が少ない大きなサイズを4~5種類だけ。店舗販売よりも定期販売を基本とし、ムダなく売り切る。
人件費も時間も最小限に抑えられるので、上質な材料をつかっても安く販売できる。そのうえ労働時間にも余裕ができる。日本では寝る間も惜しんで働き、疲弊するパン職人が多いが、「ヨーロッパのブーランジェリーはもっと気楽。そこから学んだ」と田村さんは言う。
「日本のようなブラックな働き方を必要とするなら、ヨーロッパでパンが日常の食文化になるわけがないんです」
週休3日にしたことで、自然豊かな場所に住みたいという想いも叶い、岡山の蒜山と、パン焼き窯のある広島との二拠点生活を満喫している。
「週に3日休むと、人生が変わりますよ」(田村さん)
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Photo:Norio Kidera(Steel) , Koichi Tanoue Text:Shiori Fujii Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子