みちのく“食”の物語【第1回】 なんじゃこりゃ〜!? ご飯と“お供”だけの旨オモロイ博覧会に行ってみた!
百貨店などで開かれる物産展は数あれど、こんな一見“地味”なものばかりを主役に抜擢した催しものがいままでにあったでしょうか? しかも銘柄米と、それに合う漬け物やら海苔やら佃煮やら卵やら、ご飯の“お供”ばかりを集めた催事の会場が、あの名門、東京「日本橋三越本店」だというのですから! 何とも物好きな香りのする現地へ、さっそく行って参りました。
お米の旨さを引き出す“猛者”たちが勢ぞろい
1月15日(水)〜20日(月)まで、日本橋三越本店の本館7階催物会場で開催されている、ご飯とその“お供”だけを集めたイベント、その名も『食のなんじゃこりゃ〜博覧会』。まだまだ日本各地には、他地域の人たちにほとんど知られていない食文化やオモシロ食がある。それを「なんじゃこりゃ〜!」と楽しんでもらいたいとスタートした催しもので、今回で第2回を迎えたのだという。し、知らなかった!
「東北笑福市」のコーナー。謎の魚「コワダ」や「三陸地物焼」「いぶりだいこん」など魅惑の商品を販売
上写真のような感じで、北は北海道から南は佐賀県まで、青森、岩手、秋田、福島、宮城、山形、茨城、群馬、福岡などの生産業者や小売店などが、まさに知る人ぞ知る、ご飯のお供を販売中。牛肉などわかりやすいものもあるにはあるが、大半は「え? これって海産物っぽいけど……何?」「どんな味がするのか想像がつかない」というもの。しかも「買う」だけでなく、イートインコーナーで各商品が食べられる(有料、商品は日替わり)というのだから、購入前にまずは試してみるしかないでしょう!
イートインコーナーでは、弥生人に扮した人や被りものの皆さんなど、キャラの濃い出展者たちが迎えてくれる……かも
各ブースの裏手にあって、入口が目立たないイートインコーナーだが、ひとたび足を踏み入れれば、ご覧のような(上写真)歓迎ぶり。今イベント出展者の皆さんだ(接客中は基本、マスクをされています)。まずは入口付近でトレーと箸、お手ふきを受け取り、長いカウンターにズラリ並んだ商品の小皿を選ぶ。山形県「鮭川えのきセンター」の「花笠なめたけ」や「えのき南蛮」は、ひと皿110円。佐賀「はしま海苔」の「おさしみのり」なら220円だ。
鮭川えのきセンター(左)と、はしま海苔の方々が自社商品をオススメ!
ついつい、ご飯よりお酒がほしくなってしまうような逸品も
絶品!主役の炊きたてご飯とお供をマッチング!!
おかず類を選んだ後は、炊きたてブランド米のコーナーへ。最初に330円さえ払えば、ご飯は何杯でもお代わりし放題。しかも、北海道「ゆめぴりか」、山形「つや姫」など13種類の銘柄米から、日替わりで10種ほどが常に用意されているから、ぜんぶ食べたって構わないのだ。お腹さえ大丈夫なら。
近江米のハッピを着たお姉さんが、豪快にご飯を盛ってくれた。「アイスクリームみたいに、2種盛り、3種盛りもできます。少しずつ全種制覇してください!」。おにぎりも注文可
主役のご飯を盛ってもらったら、最後は汁物コーナーへ。青森「匠あんこ堂」の「八戸せんべい汁」は1杯550円だ。で、下写真のような結果になったというわけ。
謎の魚「コワダの塩焼き」(写真・左手前)と「いぶりだいこん」(同・その右隣)に加えて、このコーナーでは最高価格の山形「ヤマサイ」の「米沢牛すきたま」を思い切ってチョイス。ご飯は、最初は2点盛りにしてもらって滋賀「落庄商店」の「みずかがみ」と「いのちの壱」を、お代わりして同商店の「日本晴」をいただいた(理由は筆者が滋賀県出身だから)。
筆者が選んだのはこれら。ご飯はお代わりして3種を制覇、右上がせんべい汁、中央が、おさしみのり
いやいや、どのお供も濃いめの味つけ(おさしみのり以外)なので、ご飯が進む進む! で、おかずがシンプルだから、お米の味の違いもハッキリわかる。みずかがみは、甘みがありやわらかな食感。いのちの壱は、ひと粒ひと粒がとても大きくて味が濃い印象だ。日本晴は、噛みごたえがあり、あっさりした味で食べ飽きない。だから酢飯などにも向いているのだという。
で、これらお供たちがここまでご飯に合うということは……。当然、お酒の肴(さかな)としても超優秀なはず! というわけで、筆者はたくさんのおかずたちを買い込んで帰ったのでした。
食のなんじゃこりゃ〜博覧会は、前述のとおり、20日までの開催(最終日は18時でクローズ)。あと3日間しかないから、日本橋三越本店に急げ!
──第2回からは「東北笑福市」の販売業者さんたちをピックアップします──
Photo:横江淳 Text:舩川輝樹