ごま油の「かどや」が創業地・小豆島と協働した「ごまんぞく給食」って?【PR】
安政5年(1858年)の創業以来、ごま油のリーディングカンパニーとして日本の食を支えてきた「かどや製油株式会社」。いまも発祥の地である香川県小豆島で、伝統の味を守り続けています。2023年11月の「ごまんぞく月間」には、地元・小豆島土庄町(とのしょうちょう)の小中学校で、すべての料理にごまをつかった「ごまんぞく給食」を提供。その模様や狙いについて、土庄町副町長の山本浩司さん、同教育長の港育広さん、かどや製油の橋本真実さんに伺いました。
土庄町とかどやが食育で実現するWin-Winの関係
瀬戸内海・小豆島の北西部分と周辺の島々からなる香川県土庄町は、子どもたちの食育に力を入れており、これまでさまざまな取り組みをおこなってきた。
「食は、生きるうえで欠かせないものであり、人生の大きな楽しみのひとつ。子どもたちはこれからの成長のために、大人は健やかに長く生きるために、自ら食について考えていかなければなりません。食は、地元の産業や経済にも広く関係している。食べておいしいだけでなく、地域のなかでどの食材がどんな役割を果たし、どれほどのウェイトを占めるのかを、総合的に学ぶことが必要と考えています」(山本副町長)
さまざまな食育活動をおこなってきた土庄町だが、「ごま油」をテーマに据えたことは、これまでなかったという。
「土庄町でごま油がつくられていることは、子どもたちを含め島のみんなが知っています。ただ、どんな理由で工場がここにあるのか、どのようにごま油がつくられているのかを知らない子どもがほとんど。そこで、かどやさんに協力いただき、ごまやごま油について学んで食べるイベントをやろう、ということになりました」(山本副町長)
かどや創業の地である小豆島の土庄町。一年を通じて温暖で安定した気候は、ごま油づくりに最適なのだそうだ
子どもたちに用意した「ごまんぞく給食」では、すべてのメニューにごま油やごまを使用。卓上には、ごま油とごま油のラー油のボトルを置き、好みに応じてかけてもらった。
「ごまは栄養価が高いですから、もともと週に1〜2回程度は給食に取り入れていました。ただ、野菜のごまあえや魚のごまだれなど、縁の下の力持ちとして活用するケースが多かったんです。今回はその名脇役が主役になる献立を考案。それぞれの料理で味つけや食感が重ならないよう、ごまの種類や調味料を工夫しながら、全体のバランスを調整しました」(港教育長)
中華風わかめごはんには白ごまとごま油、バンバンジーには練りごまとごま油、春雨スープにはごま油を使用。デザートには、島の和菓子店による黒ごま入りだんごを用意した
これまでおこなってきた食育活動では、地域の特産物や自分たちでつくった野菜を食べることが多かったそう。今回は、ごまやごま油について学んだ後に、実際に食べてみるというプロセスが採用された。
「私は子どものころからごまが大好きなんです。子どものころ祖母の家で、火鉢でごまを煎っていたんです。香ばしい香りがぷ〜んと漂ってきて、ごまがピンピンとはぜたら食べごろ。そうして、まだあったかいごまを食べた記憶は、いまでも鮮明に残っています。ごま油は、ごまの香りが活かされた素晴らしい油。今回、子どもと机を並べて給食を食べたときに、『お汁にも入れてみよう!』と卓上のごま油を振りかけたところ、みんなが真似をしたんです。その結果、『味が変わった!!』『おいしい』と、みんな笑顔になりましたよ」(山本副町長)
副町長自身、「ごま油はいろんな料理に合うんだと」再発見できたそうだ。
「そうしていろんな料理にも入れて楽しめることを知ったら、家庭でも『ちょっとごま油入れてみようかな。どんな味になるかな?』とアクションを起こすようになる。食に対する興味が出てきて、さらに食生活が豊かになるでしょう。子どもたちにも、前例にとらわれずに、いろんなことをしてみようという姿勢が育まれるといいなと思いました」(山本副町長)
なぜかどやがこの島にあるのか、ごまにはどんな栄養素があるかを踏まえたうえでごま料理を実食。子どもたちはみな、「おいしい!」と完食していた
「教育委員会では、ふるさと教育に力を入れています。なぜなら、島には大学がないため、子どもたちは一度は島外に出る。いずれ『帰りたい』と思ってもらうためにも、地元の伝統、自然、地場産業を知るという故郷教育が大事なんです。また日本最大のごま油の会社が地域にあり、そこに勤めている親や、お兄さんお姉さんがたくさんいることを、自慢に思ってもらいたい。子どもたちがごま油のおいしさに気づいて、広げていってくれたらうれしいですね」(港教育長)
「港にかどやさんの工場があるので、船が島に近づくとごまのいい香りが漂ってくる。ごま油は、島の象徴であり、ふるさとの香りでもあるんです。今回の『ごまんぞく給食』で、そんな身近な香りと、いつも食べている食事がつながったんじゃないでしょうか」(山本副町長)
いつも目にしているかどやの工場に入り、ごま油の製造過程などを学ぶ
一方かどやでは、工場から出るごまの香りを調整する取り組みを進めている。
「ごまの香りが好きな人もいれば、不快に思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで、弊社としてはそのような環境に配慮して、ある程度香りを抑える努力をしています。ですから、『香りで地元を思い出す』というありがたいお声に応えるべく、ふるさとの香りとして残っていくためにも、食育の場も大事にしていきたいですね。今回、ごまやごま油のことを子どもたちに話したところ、『それ、知ってる!』『これはどうなの?』と元気いっぱいに反応してくれました。私はかどや製油に勤めているので、『花が咲いて実がなって、乾燥してから穫れる種子がごま』と知っていますが、一般にはまだまだ知られていません。そうしたごまに関する知識を、今後も小豆島を拠点に訴求していきたいと、あらためて思いました」(橋本さん)
地域とかどやがはじめて連携しておこなった食育活動。それぞれに、大きな収穫があったようだ。
「私たち町民は、全国的に知名度の高いかどやさんが、この地で生産活動を続けていることに誇りをもっています。今後も連携を深め、イベントや行事をおこなっていきたいですね。ごま油の魅力を首都圏の方々に知っていただくことは、小豆島にとってメリットでもある。まさに、Win-Winの関係が築けると思っています」(山本副町長)
text:萩原はるな