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実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜③
実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜③
COLUMN

実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜③

日本文化の温故知新から学び、日本人のサステナブルな生き方の知恵を、現代のライフスタイルに取りいれるコラム『NIPPON温故知新』。6回目は「パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方」の続きになります。前回、前々回と、一糸さんからパーマカルチャーと江戸時代のライフスタイルの共通点や、パーマカルチャーを取り入れる第一歩について教えて頂きました。今回は、パーマカルチャーのライフスタイルのその先にある世界についてお話を伺います。

パーマカルチャー①はこちら
パーマカルチャー②はこちら

パーマカルチャーのライフスタイル、その先にはどんな世界が?

守岡「キャンプ場ではトイレを手作りしたり、森の中の竹を切って流しそうめんをしたりしてましたよね。パーマカルチャーって自給自足や家づくりまでしてしまうイメージがあるんですが、まずは野菜づくりが身近にあるライフスタイルを手に入れたその先にはどんな世界がありますか?」

一糸さん「その過程で自分の暮らし方を考えてみるというのが面白いと思います。今までの食べ物の手に入れ方だったり、お金の使い方だったり、自分の今までの暮らし方を考えてみる。自分で野菜を育てる事で食べ物ってどうやって出来てるんだろうって考えるようになるんですよね。原料だったりとか。その先に例えば洋服だったらどんな素材で出来てるんだろう?とか、食べるの反対で排泄されたものはどうなっているんだろうっていうところを辿っていくと、循環というものを考えられるようになっていく。コロナのタイミングや震災のタイミングってきっかけになると思うんですけど、自分の暮らしってどうなんだっけ?と考えてみると面白いと思う。」

守岡「確かに、コロナがきっかけで価値観が大きく変わって、今まで当たり前だと思ってた暮らしが実は不自然な生き方だったという気づきがあったり、自然な暮らしってなんだったかな?って目を向けるきっかけが出来ましたよね。より自然な暮らし方を求める人が増えて来ている気がします!実際に家庭菜園を始める人も増えましたし、生き方を見直すきっかけから衣類が興味がある人なら衣類、建物なら自然な素材を取り入れるとか、よりナチュラルなものを手に入れていく消費に移していく。その究極が自分で家を建てたりという行動に繋がっていくんですね。」

パーマカルチャーの暮らしは学びではなく日々の気づきから

一糸さん「はい。ただ、そこまでいくとパーマカルチャーってヒッピーのライフスタイルってイメージになってしまうんですよね。自分も震災後にエコオタクになっていた時期があって、そうなるとエコオタク同士のコミュニティに繋がって、そういった特殊な人が集まるコミュニティみたいな感じになってしまう。そうすると普通の暮らしと切り離されてしまう。そうではなくて、普通の暮らしの中で何が出来るのか? を考えるバランスが重要だと思います」


守岡「特殊なコミュニティから、一般の人が目を向けられる身近なもの、親近感のあるものになっていく必要があるということなんですね」


一糸さん「広がらないと根本的な問題解決には繋がっていかないと思う。どんなに良い持続可能な暮らし方のデザインがあっても、それが広がるのはいつなの? ってなった時に30年50年後になってしまう。30年50年後により良い未来にするためにも、まずは裾野を広げていかないと意味がない。今パーマカルチャーのライフスタイルの良さに2割の人が気づいているとしたら、残りの8割の人たちに聞いてもらえるような、自分たちも参加したいと思ってもらえる形で伝えていかないといけない。そのために、僕はもっとポップな形にしていきたいと思うんですよね」


守岡「それがこのキャンプ場の活動に繋がっていくんですね」
一糸さん「そうですね! キャンプやアウトドアって切り口として入ってきやすいし、食べることもそうですよね。僕はこうしろ、こうした方がいいというのは言いたくなくて、キャンプ場に来てもらって考えたり感じたりするきっかけになればいいなと思う。よりナチュラルな暮らし方を遊びの中で気軽に体験してもらえる場所にしたいんです。話はするけど先生ではなくガイドみたいな存在で、好きに感じて帰ってもらえる場所を作れたらいいなと思っています」


次回は一糸さんのキャンプ場でのパーマカルチャーの取り組みや、今後やりたいことについて迫っていきます。

守岡実里子(もりおか まりこ)

サステナブルフードジャパン代表
日本食文化研究料理家/
ローカルフードプロデューサー

大学時代にマクロビオティックで両親の病気を克服した事がきっかけで、日本の伝統的な食文化に興味を持ち食の世界へ。地方創生、農畜水産業の6次産業化支援を専門とするコンサル会社にてフードコンサルタントとして勤務し、2013年に独立。全国の地域の食のブランディングや商品開発、飲食店、旅館のプロデュースなど、地方の生産者支援に携わる。マクロビオティックや日本の食養生、江戸料理を専門に学び「和食から美と健康、サステナブルな社会を叶える」を生涯のミッションに、心と身体、地球に優しい日本の食習慣術を伝えている。日本酒好きが高じて唎酒師の資格を取得。

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