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実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜②
実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜②
COLUMN

実は江戸時代の百姓の暮らし!?〜パーマカルチャーと地球に優しい暮らし方〜②

前回はパーマカルチャーの考え方についてと、江戸時代の百姓の暮らしだったというお話をご紹介しました。今回も引き続きパーマカルチャーと江戸時代の百姓の暮らしについて、一糸さんにお話を伺っていきます。

前編はこちら

(パーマカルチャー三つの論理)

・地球への配慮(Care of the earth)
人は地球の存在なしに繁栄できないということを理解し、地球環境に配慮しましょう。

・人への配慮(Care of the people)
地球に配慮しながら人の暮らしやすさを大切に。人が生きていくため、必要な資源を供給しましょう。

・豊かさの分かち合い(Fare share)
他者から奪うことなく、豊かさを分かち合い与え合いましょう。

出典元:https://percul-k.jimdofree.com/

一糸さん「パーマカルチャーには、①地球に配慮する②人に配慮する③余った物は分かち合うという三つの論理があるんですけど、明治以降に工業化が進んで、人々の暮らしの中で繋がっていた事がそれぞれが専門職として分かれていったんですよね。江戸時代以前は自分たちで野菜を作っていて、身の回りのものも全部自然由来のものを使って生活してたんです。茅葺き屋根や土壁や草鞋もそうだし、全部自然のものを使って、使えなくなったらリサイクルで違うものに使ったり、最後は燃やして自然に返すというのが江戸時代までは当たり前の暮らしだったんですよね。」


守岡「私も江戸時代はエコな町だったというのは聞いています。器も衣類も徹底的にリサイクルするのが当たり前で、回収する職人がいてまた直して持ってきて、限られた資源を大切に使っていましたよね。地域コミュニティの中に、大工がいたり、鍛冶屋がいたり、医者がいたり、様々な職業の人達がいて、それぞれの人達が自分が持つ専門知識を活かして、お互いに助け合いながら、農業というその地域の基幹産業を営んでいたんですよね。百姓は百の仕事がこなせる人という意味合いもあるけれど、現代の「兼業農家」よりも遥かに幅の広い職業をやりながら、皆で一緒に農業を営んでいたようですね。そういった地域コミュニティの生活の中心に農があって、資源を大切に循環していたところがパーマカルチャーな暮らしぶりだったというお話に繋がるんですね。」


一糸さん「そうです。でも、それを江戸時代の百姓のカルチャーって聞くと日本人にとってはあまり魅力的ではないけど、パーマカルチャーって聞くとなんだろう?って興味を持ってくれますよね。言いたい事は一緒なんだけど、パーマカルチャーっていう逆輸入の言葉だとかっこよく感じる、みたいな。エシカルやサステナブル、SDGsの流れと同じで。実際にやってる事や伝えたい事は同じなんですよね」

パーマカルチャーをライフスタイルに取り入れる一歩とは?

守岡「たしかに!パーマカルチャーが昔の人の暮らしぶりというのはわかりましたが、現代で私たちがライフスタイルに取り入れようと思ったら、どんな事から始めてみたらいいですか?」


一糸さん「パーマカルチャーってもともとは農のある暮らし方のデザインの方法なんですよね。本当は全体のデザイン方法を知って、そこから食べるという事をデザインするにはこうしたらいいなとか、家のレイアウトはこうしたらいいな、というところに落とし込むのが理想なんだけど、まずポイントで取り入れてみるなら家庭菜園やベランダ菜園でいいから野菜を育ててみるとか、お金を使わないで食べ物を得るためにはどうしたらいいんだろうという事を考えてみるというところから始めてみるといと思います。」


守岡「お金を使わずに食べ物を得る、ですか?」


一糸さん「自分の食べる物をお金を使わずに得てみるという体験をしてみる。自分で作ってみるとか、出来なければおすそ分けだったりでもいいと思う。」


守岡「ブツブツ交換!自分で収穫して食べるものを手に入れてみたり、それをおすそ分けしたりという事ですね。そう言えば古きよき日本ではおすそ分けは当たり前にあった文化ですね。」


一糸さん「自分でタネを植えてみると、例えば今まで400円で買っていたトマトがタネを植えただけでどんどん出来るんです。しかも勝手に出来ていく。勝手に受粉して勝手に実がなって、という体験をする中で満足感が得られる。食べ物を育ててみる中で気づきがあると思います」


守岡「野菜を育てて収穫する中で自然とパーマカルチャーの暮らしの気づきが生まれるという事なんですね。私も実際に自分で野菜を育ててみて、規格外品を捨ててしまうような今の流通システムに疑問を持ったり、産地と消費地が離れていることによるフードマイレージの問題や、地産地消やフードロス削減に対する想いや、生産者の方への感謝の気持ちもより一層強くなりましたね。」

(スパイラルガーデン:代表的なパーマカルチャーの畑のデザイン)
花壇をらせん状につくることで、多様な環境(日当たりや温度、水分状態)を作り出します。雑草とも共存する野菜づくりです。次回はパーマカルチャーのライフスタイル、その先の世界についてお話を伺っていきます。お楽しみに!

スパイラルガーデン:代表的なパーマカルチャーの畑のデザイン
花壇をらせん状につくることで、多様な環境(日当たりや温度、水分状態)を作り出します。雑草とも共存する野 菜づくりです。

守岡実里子(もりおか まりこ)

サステナブルフードジャパン代表
日本食文化研究料理家/
ローカルフードプロデューサー

大学時代にマクロビオティックで両親の病気を克服した事がきっかけで、日本の伝統的な食文化に興味を持ち食の世界へ。地方創生、農畜水産業の6次産業化支援を専門とするコンサル会社にてフードコンサルタントとして勤務し、2013年に独立。全国の地域の食のブランディングや商品開発、飲食店、旅館のプロデュースなど、地方の生産者支援に携わる。マクロビオティックや日本の食養生、江戸料理を専門に学び「和食から美と健康、サステナブルな社会を叶える」を生涯のミッションに、心と身体、地球に優しい日本の食習慣術を伝えている。日本酒好きが高じて唎酒師の資格を取得。

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