サカナノミライ店主・魚谷浩が最近買った「コレは、いい!」
「買い物は投票だ」といいますが、何をどう選ぶのか、買い物の基準は人それぞれ。気になるあの人は、どんな視点で選択するのでしょうか。魚の惣菜販売店「サカナノミライ」の店主・魚谷浩さんに、2022年、買ってよかったものを聞きました。
定期的に生産現場を訪れ、
生産意欲と風土を体感する
サカナノミライ店主・魚谷浩さんは、これまで漁業者と連携した飲食店を運営するなかで、SDGsの課題に直面することがあったという。
「そこで、トレーサビリティの把握に重きを置き、できる限り生産現場を訪問したうえで食材を購入するようにしています。私の場合、中央市場で仲卸業者から買うことはないので、生産者とは目利き以上の信頼関係が必要になります。とくに消費者満足度の向上を意識している生産者の食材を選んでいます」
「あつみ屋」の鮮美透涼ほや
宮城県石巻市の鮫浦湾で養殖したほや。養殖技術によりストレスを緩和させることで、おいしさを維持している。
「ほやが苦手という方も多いと思いますが、一度食べてみてほしい! 生産、水揚げ、梱包、出荷まで、漁師の渥美貴幸くんが自ら丁寧に行ってくれます」
「TAPP」のサカナイフ
うろこ取りや硬い骨の切断もでき、簡単に三枚下ろしができる、魚専用のナイフ。
「水産資源が枯渇してきているので魚価は高騰する一方。ならば魚を一尾丸ごと上手にさばくことで食べる機会を増やせれば、コスパはよくなるはず。一本あれば重宝するので、料理が不慣れな方にもおすすめです」
PROFILE
魚谷浩 うおたに・ひろし
飲食企業勤務後、東日本大震災のボランティアとして宮城県石巻市で活動、拠点を移す。持続可能な漁村のプロジェクトメンバーとして一次産業の魅力に触れ、2016年に東京で飲食店を立ち上げる。現在は東京都調布市でサカナノミライを運営している。
●情報は、FRaU2023年1月号発売時点のものです。
Illustration:Takashi Nakamura Text & Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子