「ジェンダーかくあるべし」をアップデートする、村山佳奈女の仕事
近年、ジェンダーやダイバーシティへの認識が急速に変わりつつあります。それは、これまで声を上げてきた人の存在があったから。博報堂ケトルのディレクターで編集者の村山佳奈女さんが、アクションを起こすようになったきっかけとは?
変化の延長線上にある未来を想像したときに
その前例になるのはめちゃくちゃクール
生理用品を買うときに紙袋を用意されるなど、女性の身体にまつわることは隠すのが当たり前とされてきたことへの疑問を投げかけた、ソフィの「#NoBagForMe」プロジェクトをはじめ、主に女性向けの企業コミュニケーションやブランディングを行う村山佳奈女さん。
「『女性は常に美しくあるべき』『男性は強く、たくましくあるべき』といった、従来のステレオタイプをアップデートするのが仕事。自分でも、歌姫、女子高生、処女作など、根底にジェンダーバイアスが横たわる単語を極力つかわないように気をつけています。まだまだ修業中ですが……。映画『ストーリー・オブ・マイライフ』『ドリーム』を観てください。過去から現在への変化のベクトルを知ると、延長線上にある未来が見える。そのための前例になるのは、めちゃくちゃクールなことだと思います」
PROFILE
村山佳奈女 むらやま・かなめ
博報堂ケトル ディレクター、編集者。ソフィ「#NoBagForMe PROJECT」、Schick「BodyHairPositive」など、フェミニズムの思想をベースにしたPR/クリエイティブ業務を数多く手がける。受賞歴に、日経ウーマンエンパワーメント広告賞、PRアワードグランプリなど。
●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Text & Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子