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長田佳子「ほおばるとパワーが出る、葡萄とルバーブのタルト」【後編】
長田佳子「ほおばるとパワーが出る、葡萄とルバーブのタルト」【後編】
VOICE

長田佳子「ほおばるとパワーが出る、葡萄とルバーブのタルト」【後編】

野菜、ハーブ、魚、肉、卵……「おいしい」をかたちにするのは、使い手の腕前と素材の力があってこそ。持続可能な方法で育てられ、大切に扱われている素材に未来を見出し料理で表現する、そんな食のプロを追いました。菓子研究家の長田佳子さんが東京から山梨に移住して4ヵ月。変化したのは素材との向き合い方でした。

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自分という存在が
よい循環の一部になれたらいい

ザクザクとした食感のタルト生地に、ルバーブの酸味と食感がアクセントになったクリーミーなフィリングと、ジューシーな葡萄をのせて。葡萄は季節の果物で代用可

「東京は楽しい場所だし、何かを成し遂げている友達が多く、刺激を受けることも多かった。でも友達がすごいだけで、私は何もできていないなって思っていたんです。こうして自然を感じる場所に住んでみて、私が存在していることで場所にエネルギーが生まれることもあるんじゃないか、と思えるようになりました。ここでの生き方は、自然の力に振り回されることをどう楽しめるかが肝だと思っています」

今回つくってくれたのは、畑で育ったルバーブやハーブと、近隣の農家が分けてくれた出はじめの葡萄が会話するようなタルト。素材が生き生きとしていて、ほおばるとパワーがわいてきて、思わず笑みがこぼれるような味わいだった。

葡萄とルバーブのタルト

巨峰、ハーブ、ルバーブジャムはすべてこの土地でできたもの。菓子づくりに欠かせない小麦粉はまだ山梨県産のものを見つけられず、北海道産を使用。いまは小麦の栽培にも挑戦中

◎材料(18cm径のタルト型1台分)
〈タルト生地〉A(バター…50g、きび砂糖…35g、塩…ひとつまみ)、溶き卵…1/2個分、薄力粉…100g
〈フィリング〉ルバーブ…60g、きび砂糖…20g、レモン汁…適量、マスカルポーネ…80g、レモンマリーゴールドの葉(小さくちぎる)…3枚※ミントやレモンバームでも可
〈飾り〉巨峰(種無し/皮をむく)…1パック、はちみつ・フェンネルの葉と花(ちぎる)…各適量

◎作り方
❶バターを常温にもどしておく。オーブンは180℃に予熱する。
❷タルト生地をつくる。ミキサーにAを入れて軽く攪拌(かくはん)し、卵を加えてまた軽く攪拌する。全体がなじんだら薄力粉の半量を加えて攪拌し、残りの薄力粉を加えてひとまとまりになるまで攪拌する(練り混ぜすぎない)。生地をラップに包み、冷蔵庫で20分休ませる。
❸生地を取り出し、2枚のオーブンシートにはさみ、めん棒でタルト型の大きさまでのばす。冷蔵庫に5分置き、扱いやすくかたまるまで冷やす。
❹生地をタルト型に敷き込み、底全体にフォークで穴をあけ、180℃のオーブンで20分を目安に焼く。粗熱がとれたら型からはずす。
❺フィリングをつくる。ルバーブはざく切りにし、きび砂糖、レモン汁と一緒に鍋に入れ、柔らかくなるまで弱火で煮る。冷めたら、マスカルポーネ、レモンマリーゴールドの葉と合わせて混ぜ、④に入れて表面をならす。
❻飾りの材料をボウルに入れて和え、⑤の上に並べる。あればマリーゴールドの花をちらす。

PROFILE

長田佳子 おさだ・かこ
「foodremedies」という屋号で活動する菓子研究家。パティスリーやレストランで経験を積んだ後、YAECAのフード部門、PLAINBAKERYを経て独立。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)などがある。https://foodremedies.jp

●情報は、『FRaU SDGs MOOK FOOD』発売時点のものです(2021年10月)。
Photo:Tetsuya Ito Text & Edit:Shiori Fujii
Composition:林愛子

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