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海洋プラスチック問題解決のための“ハブ”になれたら!
海洋プラスチック問題解決のための“ハブ”になれたら!
VOICE

海洋プラスチック問題解決のための“ハブ”になれたら!

海とともに暮らす人々は、そこに広がる世界がいかに深遠で美しいかを知っています。海洋研究開発機構「JAMSTEC」で働く千葉早苗さんに伺いました。

「つなぐのが私の役目。
あらゆるセクターの仲介をする」

有人潜水調査船「しんかい6500」に代表されるような海洋研究を行うJAMSTECで、海洋プラスチック分野の主任研究員を務める千葉早苗さん。数年前までは海洋プランクトンを主な対象として地球温暖化や酸性化の問題に取り組んでいた彼女は、国連環境計画「UNEP」に関わる組織で働きながら、研究を実際の政策に落とし込む方法を学んできたという。

「研究者と社会とのコミュニケーション、産業界を含めたディシジョンメーカー(決裁者)とのやり取りが、目標を達成するためにはとても大事です。ひとつの目標に向かって、いろんなセクターが手を組んで行く必要がある。その仲介、つまり、つなぐことが私の仕事です」

JAMSTECがある横須賀の海で。「海洋プラスチックは、他の地球環境問題に比べれば取り組みやすい」と千葉さん。「ポイ捨てをやめたら、確実にひとつ減るんです。100%人為的な問題ですから」

政策立案にいたるよう研究と社会を結ぶほか、研究者同士の国際的なネットワークを構築するのが千葉さんの仕事だ。シチズンサイエンスと呼ばれる、タンカーやヨットなど民間船による観測網をつくることも、そう。海洋プラスチックを含めた環境問題に対して日本は欧米に後れをとっているように感じられるが、研究自体は先進的なものだと千葉さんは言う。

「日本が出遅れているように見えるのは、他国と手をつなぐのが遅かったから。ようやく本腰を入れた体制になってきました。日本の研究が役立つのは、これからですよ」

PROFILE

千葉早苗
海洋研究開発機構「JAMSTEC」地球環境部門 海洋生物環境影響研究センター、海洋プラスチック動態研究グループ・グループリーダー。神奈川県逗子市出身。事務員としてJAMSTECで働いたのち、アメリカの大学に進学。帰国後、水産学で博士号を取得。研究員として再びJAMSTECで働いている。

●情報は、FRaU SDGs MOOK OCEAN発売時点のものです(2019年10月)。
Photo:Norio Kidera Text:Toshiya Muraoka Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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