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ウミガメが産卵する屋久島の海を守れ! 環境省レンジャー奮闘記
ウミガメが産卵する屋久島の海を守れ! 環境省レンジャー奮闘記
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ウミガメが産卵する屋久島の海を守れ! 環境省レンジャー奮闘記

海とともに暮らす人々は、そこに広がる世界がいかに深遠で美しいものかを知っています。自然環境保全に従事する柘植規江さんと、補佐の水川真希さんに聞いた、屋久島の海の魅力と関わり方についてご紹介します。

海を守るために、まずは海を知る

鹿児島県・屋久島で、自然環境保全に従事する「レンジャー」の柘植規江さんと、その補佐をしている「アクティブ・レンジャー」水川真希さん。レンジャーとは、アメリカ国立公園の「パークレンジャー」にルーツを持つ、日本各地の国立公園などで働く環境省の自然保護官のこと。柘植さんいわく、「屋久島は、美しい砂浜から断崖の岩場まで海の景色もさまざま。サンゴや魚類の種類も多く、多様性豊かな海が魅力です」。

一方、巡視や調査以外にも、小学校での環境教育を推進している水川さん。

「意外かもしれませんが、屋久島の子供たちは海で遊ばない子がたくさんいるんです。地元の方たちにとっては、美しい屋久島の自然も『当たり前の、日常の風景』なので、わざわざ出かけないのかもしれません。この地に配属されて、海を知らない地元の子どもたちが多いことに驚きました」

柘植さん(右)と水川さん(左)。国立公園や世界自然遺産地域の保護管理、動植物の調査、環境教育などレンジャーの仕事は多岐にわたる。2人が好きだという栗生沿岸海域公園では、ハマユウが咲き誇っていた

屋久島の海を愛する2人が、いま深刻に考えているのは海洋ごみ問題。「海流の関係で、屋久島には漂着物がとても多いのです。漁具やプラスチックごみなど、拾っても拾っても流れ着いてくる。定期的に掃除をしていますが追いつきません。ごみがジャマで、毎年産卵に来ているウミガメが浜に上がれないこともありました。海は当たり前にあるものではなく、守っていかなければならないものなのです」と柘植さん。

水川さんも言う。「意識を変えてもらうために、海の生物多様性の素晴らしさを子どもたちに伝えたい。まずは知ってもらうこと。それが将来的に海を守ることにつながると思っています」。

PROFILE

柘植規江、水川真希
柘植さんは環境省・首席自然保護官として、日本全国の国立公園や国指定鳥獣保護区等に数年おきに異動する。水川さんは、学生時代にマングース研究をしていたという動物好き。九州地方環境事務所のサイト内にある、「アクティブ・レンジャー日記」で活動のようすがわかる。kyushu.env.go.jp

●情報は、FRaU SDGs MOOK OCEAN発売時点のものです(2019年10月)。
Photo:Norio Kidera Text & Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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