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大事なペットを守るためにできることとは? ごみ清掃芸人「マシンガンズ」滝沢秀一×「ダーリンハニー」長嶋トモヒコと学ぶ“ペット防災”
大事なペットを守るためにできることとは? ごみ清掃芸人「マシンガンズ」滝沢秀一×「ダーリンハニー」長嶋トモヒコと学ぶ“ペット防災”
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大事なペットを守るためにできることとは? ごみ清掃芸人「マシンガンズ」滝沢秀一×「ダーリンハニー」長嶋トモヒコと学ぶ“ペット防災”

漫才コンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(49歳)は、人気のお笑い芸人にして、ごみ清掃の仕事に従事するベテラン清掃員でもあります。オンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」を主宰するほか、ごみを減らすためのさまざまな活動を展開中。2025年の年末には、都内でごみにまつわる勉強会を開催しました。お題のひとつは、災害時におけるペットの守り方。お笑いコンビ「ダーリンハニー」のメンバーで、ペット災害危機管理士1級保持者である長嶋トモヒコさん(48歳)とともに、ペットの守り方について語り合いました。

――ごみと被災地の課題についてはコチラ――

ペット防災とは、「ペットの命を守る準備」のこと

1998年にマシンガンズを結成、2012年からごみ清掃員として働きはじめた滝沢さんによると、ごみと防災には深い関係があるという。家のなかを整理して不必要なものを処分することは、逃げ道を確保してものの下敷きになることを防ぐ、れっきとした防災行動。さらに地震や浸水などの災害時には、大量のごみが出るというのだ。

滝沢:防災とごみは切っても切れない関係ということで、これまでも防災をテーマにしたイベントを何度かやってきました。今回のテーマはペット防災。同じ事務所の先輩、「ダーリンハニー」の長嶋さんに、いろいろ話してもらおうと思っています。長嶋さんは、ペット災害に関する免許を取ったんですよね。

長嶋:ペット災害危機管理士の1級をもっています。そもそものキッカケは、コロナ禍でエンタメ業界がストップしたこと。時間ができたし、なにかやれることはないかと思ったときに、ペット関連がいいんじゃないかと思ったんです。人間は時として裏切りますが、動物は裏切らない! 100%の愛情を注げば、100%返してくれるじゃないですか。そこで「彼らのためになにかしたい」と思って、ペットシッターの資格取得にチャレンジしたんです。

愛猫と長嶋さん。UKロックなどイギリスのカルチャーが大好きながら、一度もイギリスを訪れたことはないという

滝沢:それで2025年に、ペット災害危機管理士の1級を取ったと。

長嶋:そうそう。東日本大震災のとき、うちの猫ちゃんもすごく怖い思いをしたんですよ。仕事から帰ってきたら、家のなかは家具が倒れてものが散乱していて、たいへんなことになっていた。そこではじめて、「災害に対して、なにもやってなかったな」と痛感。自分はどうにでもなるけれど、ペットは飼い主がなんとかしないと、誰も守ってくれないんだよね。

滝沢:たしかに。じゃあ、ペット防災の資格を取るにあたって、どんなことを学んだの?

長嶋:ペット災害危機管理士は4級から1級まであって、4級は基礎知識と自分での備え、3級は周囲への配慮などが加わり、2級になると避難所での対応など実践的な知識が、1級は行政と連携しつつペット防災を牽引していく知識と能力が必要になります。たとえば「避難所に行った場合に、ワンちゃん猫ちゃんと、人がどうやったらうまく共生できるか」を考え、指揮をとる。避難所にはペットが苦手だったり、アレルギーをもっていたりする方もいるし、食品のある場所とペットたちを離す必要があるけど、外は寒いし……とにかく、いろんな配慮が必要なんですよ。

滝沢:なるほどね〜。

長嶋:ペット防災とはつまり、ペットの命を守る準備のこと。ペット防災の出発点は、1995年の阪神淡路大震災でした。このとき、ペットを避難所に連れていけないケースがたくさんあったんですね。それで飼い主が「かわいそうだから家にいる」と避難をためらったことで、認知症が進むなどの二次災害が生まれてしまった。当時はまだ行政側に、災害時にペットを守る体制がまったく整っていなかったんです。

滝沢:あ〜、わかります。“なにか”が起きてはじめて、対策が必要だとわかって、ものごとが動きはじめるんだよなあ。

長嶋:まさにそれで、ペット防災が全国的に知られたキッカケは東日本大震災。津波や原発事故によって避難生活が長期になり、ペットのワンちゃんが野犬化したり病気になったりと、放置されたペットや家畜たちの問題が続出したんです。さらに熊本地震の際には、ペットとの車中泊による健康被害が大きく取り上げられた。そして能登半島地震では、ペットが同伴できる避難所が少ないことが問題になったんです。

能登半島地震の半年後、2024年6月に初めて被災地を訪れた滝沢さん

滝沢:じゃあ具体的に、ペット防災のために普段からできることってなんでしょう?

長嶋:まずはペット用の水やフードを、平時から少し多めに買っておくこと。最低1週間、できれば1ヵ月分あると安心ですよね。賞味期限があやしくなったら食べさせて補充するという、ローリングストックを実践しましょう。

滝沢:ボクも子どもが生まれてから、防災について考えるようになりましたね。自分が守るべき存在が危険にさらされた時こそ、力を最大限に発揮しないと! これまで、自分のやりたいことを自由にやってきたから、いい加減人のために生きよう、なんて思うわけですよ。

長嶋:ですよね。ストックする水とフードは、なるべく家のなかに分散して保管することも大事。一箇所に置いておくと、家具が倒れたりガラスが割れたりして、ストック場所にたどり着けないリスクがあるんです。それと、いつも飲んでいる薬がある場合は、獣医さんに多めにもらっておくこと! 「災害を心配してるから、多めにもらっていいですか」と相談するといいです。

滝沢:なるほど。人間にも、同じことが言えますねえ。

勉強会には滝沢さん(写真左)、長嶋さん(写真右)のほか、お笑いコンビ「ぐりんぴーす」の落合さん(写真中)も参加。「お片づけブラザーズ」のメンバーとして、災害時の片づけや遺品整理について語った

大切なのは、普段の備えとコミュニケーション!

長嶋:それと、災害時や迷子時の身元証明になるマイクロチップと迷子札の登録、ワンちゃんの公的な登録証「狂犬病予防接種鑑札」を確認しておくこと。登録後に引っ越しをした方は、住所変更がちゃんとされているか確認してください。前に住んでいた住所のままだと、ワンちゃんが飼い主のもとにたどり着けないことがあるんです。

滝沢:はぐれちゃったときに、会えなくなると大変ですもんね。

長嶋:東日本大震災でいうと、福島県内の制限区域から救出されたペットのうち、飼い主の元に戻れたのはたったの16%。このほとんどがワンちゃんです。人がいたら寄っていく、能動的で開かれた性格ですから救ってもらえる。猫ちゃんは、なにか起きると怖くなって隠れてしまうんです。だから、飼い主の元に帰れないことが多い。そこでワンちゃんも猫ちゃんも一緒に避難することが肝心で、そのために必要なのがキャリーやクレートトレーニングなんです!

滝沢:なるほど。キャリーとかクレートって、犬や猫を移動させたり、安心できるハウスとしてつかわれるアイテムだっけ?

長嶋:まさに! 普段から、クレーとかキャリーをワンちゃん猫ちゃんの「落ち着ける好きな場所」にしておくことが大切。うちの猫ちゃんも毎日、寝るときは必ずクレートの中に入ってもらってます。クレートに入ったらおやつをあげたりするので、「よい場所」という印象をもっている。こうしておけば、避難するときも、避難所でもスムーズにクレートの中に入ってくれますから。

滝沢:避難所や仮設住宅では、人とペットが共生するもんなあ。ペットたちも、もしものときでも落ち着ける場所があれば安心できますね。

長嶋:とくにワンちゃんは、普段からさまざまな体験をさせておくことが大事。すると、イレギュラーなことが起きても動じない柔軟性が身につきます。遊びの一環で、いろんなクレーターに入れたりすると喜びますよ。そういう普段のコミュニケーションや、いろんな状況で人に慣れさせておくことはすごく大事。人間の防災と同じように、普段の暮らしのなかで、少し備えておくだけで大きな安心感が得られるんです。ペット災害で最も大事なことは、備えプラスしてコミュニケーションなんじゃないかな、と思います。

滝沢:災害が起きると、自宅で避難するケースも多いですもんね。自分や家族、ペットを守るためにも、防災の正しい知識が必要なんですねえ。

――ごみと被災地の課題についてはコチラ――

photo&text:萩原はるな

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