日本初上陸! 「植物由来のチキン」って、どんな味?
アジアやヨーロッパ、中東、アメリカの有名レストランやシェフと提携し、発売から1年で一躍世界のスタンダードになりつつある植物由来のチキン「TiNDLE(ティンドル)」。シンガポール生まれのこの注目食材が、ついに日本上陸! さっそく、ティンドルが食べられるドイツビールレストラン「Schmatz(シュマッツ)」に行ってきました。
味の決め手は、サンフラワーオイル由来のある材料
環境への負荷やアニマルウェルフェアへの意識の高まりから、世界中で熱い注目を浴びている植物性代替肉。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど世界的チェーンが代替肉商品を発売するなど、マーケットは急拡大を続けている。
日本でも「大豆ミート」をつかったハンバーグやハム、ソーセージなどが、日常的にスーパーに並ぶようになった。でも内心、「どうせ食べるなら、普通のお肉のほうがいい」と思っている人は少なくないだろう。
「そんな方にこそ、ぜひティンドルを食べてみてほしい」と語るのは、同社のブランド開発マネジャーのブライアン・ウンさん。「すでにアジアやヨーロッパ、中東、アメリカの人気レストランでさまざまな料理に活用されています。ティンドルの特徴は、世界的なシェフたちとともに、シェフのためにつくられた植物由来チキンであること。ベジタリアンやヴィーガンの方々だけでなく、シェフや多くの美食家たちの支持を得ています」(ブライアンさん、以下同)。
ティンドルの特徴は、9つのシンプルな原料からつくられていること。大豆、小麦グルテン、オーツ麦食物繊維、ココナッツオイルなどのほか、サンフラワーオイルとナチュラルフレーバー由来の「Lipi」という成分をつかうことで、チキンのような食感や香り、味わいを実現できたという。おいしい食品をつくることで、持続可能な食糧システムへの変換を目指す。
シュマッツで味わえるのは「ドイツ風 TiNDLE唐揚げ」と「TiNDLEハンバーグステーキ」。さらに2日間の期間限定で、「TiNDLEラップサンド」も登場した。
まずは、「TiNDLE唐揚げ」を試食。さまざまなスパイスの味わいと、鶏肉さながらの「繊維感」が特徴的だ。素材そのものの旨みも感じられ、スパイシーなトマトソースによく合う。これはたしかに、ドイツビールとバッチリ合いそうだ。
続いて、とろりと溶けたチーズに包まれたハンバーグを口に運ぶ。タマネギやハーブの香り、じゃがいもの食感と渾然一体になったティンドルは、まさにチキンハンバーグそのものの味わい。しっかりとした「肉感」が感じられ、物足りなさはまったくない。食べ応え抜群でお腹が一杯になり、腹もちもよさそうだ。ブライアンさんが、「お肉好きな方にも、ぜひ試してもらいたい」と胸を張るのも頷ける。
「代替肉」入門編としても最適なクオリティ
シェフのためにつくられたというティンドルは、調理のしやすさと幅広い用途が特徴だという。世界中の料理専門家が、ドネルケバブやラーメン、カツレツ、ハンバーガーなどさまざまな料理に展開中。そもそもの「素材」がおいしいため、ソテーするだけでもご馳走になるそうだ。
ただし、普通のチキンに比べて割高なのが課題だ。さらに世界中に広げることで、より手頃な価格で提供できるようにしていきたいという。
「ドイツでは、植物由来の肉が一般的になってきています。ただ、日本はまだまだですよね。ですから、私たちがはじめにこのティンドルを取り入れたらいいんじゃないかと思ったのです」とは、シュマッツCEO(最高経営責任者)のマーク・リュッテンさん。
「レストラン業界の今後を考えると、SDGsへの意識は必要不可欠。そんななか、プラントベースのミートは非常に重要な存在だと思っています。今回、私たちが、はじめてティンドルを日本に紹介するレストランになったことは非常に誇らしいこと。私たちの挑戦が、日本の食文化の発展に少しでも寄与できるといいですね」(マークさん)。
シンガポールのレストランたった数軒への提供からスタートし、わずか1年あまりで世界中の厨房に届けられるまでに成長したティンドル。私たちが1週間に一度、それが難しいなら1ヵ月に一回でも「肉を食べない日」を設けるだけで、環境への負荷を大きく軽減できるともいわれている。
「代替肉なんて」という人にこそ、ぜひ味わってもらいたい新感覚グルメだった。