TREND 2021.07.29

和紙メーカーと深澤直人が作るペットボトルが原料のバッグ「SIWA | 紙和」

独特のシワや手触りが魅力である和紙製品を、ペットボトルを原料にした繊維から生み出しているブランドがあります。バッグや小物など毎日使える和紙製品をつくっている「SIWA | 紙和」は、千年続く和紙の産地・山梨県市川三郷町の和紙メーカー大直（おおなお）と、日本を代表する工業デザイナーで山梨出身の深澤直人氏によって作られたブランドです。和紙なのに強度があり、水に濡れても破れないSIWAの製品の原料として近年、積極的に使われているのがリサイクルペットボトル。回収されたペットボトルを粉砕、フレーク化、ペレット化させてショートカットファイバーにしたハードナオロン（帝人フロンティアのECOPET®︎）という繊維で紙を漉いています。これまで強度の高い紙は石油を原料にした繊維を使っていましたが、埋蔵量に限りがある石油をなるべく使わないようにしたいというサステナブルな発想から、少しずつリサイクル原料や植物由来の原料などに移行しているとのこと。

そんなSIWAのサステナブルな製品は美しいデザインも魅力です。優しい色合いやコロンとした形状が愛らしい巾着バッグや定番人気のトートバッグのほか、染色家でアーティストの柚木沙弥郎やテキスタイルデザイナーの粟辻博とのコラボレーションなど意欲的な商品も多く、自分で使うだけでなく贈り物にも最適。また、2020年に誕生したACE HOTEL（京都）の客室に設置されている手刷りのシルクスクリーンを使ったアートパネルもSIWAが柚木沙弥郎と制作したものですが、この原料にもナオロンが使われています。

最先端のテクノロジーと伝統的な技法の幸福な出会いに、さらにデザインという大きな魅力が加わったSIWAの取り組みは、未来に続くサステナブルなブランドとしての、ひとつの回答を示しています。