古代日本の中心地で、日本最古の道を歩く!「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」が提案する歴史ロマンの旅
全国各地の道の駅に近接する「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」。現在は北海道から九州まで、全国に29ホテルを展開しています。道の駅といえば、地域のおいしいものや情報が集まる地元民と旅行客のクロスポイント。旅の拠点にすれば、よりディープな“日本”が堪能できます。シリーズ第3回は、日本最古の道が残る天理市の「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道(ならてんり・やまのべのみち)」を拠点に、古代ロマンに浸る旅をお届けします。
古の王が眠る巨大古墳群が、のどかな田園風景に溶けこむ
「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」は、道の駅「なら歴史芸術文化村」に隣接したホテル。周辺には日本最古級の古刹「石上神宮(いそのかみじんぐう)」や多くの古墳が残り、歴史ファンにはたまらないロケーションにある。

2022年にオープンしたフェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道。マーケットプレイス(売店)には地域の名産品や銘酒が揃い、くつろいだり旅の情報が収集できたりするロビーラウンジを備えている
全国にある「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」の特長は、人気の道の駅に近接していることと、飲食店が併設されていないこと。地域のおいしいお店で地のものを味わってもらいたい、という狙いがあるのだ。近隣のお店が賑わうことは、地域活性にも大きな意味があるだろう。朝食は各ホテルに「朝食ボックス」が用意されており、事前に予約すれば、地元で人気の飲食店が用意するごちそうボックスが受け取れる。

彩りが美しい、フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道の朝食ボックス
出かける前にフロントで朝食ボックスを受け取り、まずは腹ごしらえ。奈良名物のサバと鮭の「柿の葉ずし」に刺身こんにゃく、煮物、黒豆がトッピングされた胡麻豆腐、焼き鮭、卵焼き、奈良漬、ゴボウの豚肉巻きにクルミのおかかあえ、大根とニンジンのなますと、盛りだくさんの内容。デザートにユズ風味の麩(ふ)まんじゅうまでついて、朝から大満足! さっそくカロリーを消費しなければと、「日本最古の道」へ散策に出かけた。
山の辺の道(やまのべのみち)は、奈良盆地の東にある山々のふもとを伸びる道。8世紀に編纂(へんさん)された日本最古の歴史書『日本書紀』に登場するため、日本最古の道といわれている。 弥生時代の後期(!)には、すでに整備されていたという推測も。周辺には初期ヤマト王権の王たちの墓である巨大古墳群が点在し、奈良県周辺の大和地方が、古代日本の中心地であったことがうかがえる。
現在は、桜井駅から天理駅付近までの約16kmがハイキングコースとして整備されており、国内外から多くの観光客が訪れている。今回歩くのは、石上神宮から長岳寺(ちょうがくじ)に至る約5.5㎞の区間。ガイドさんと落ち合う予定の石上神宮に到着すると、烏骨鶏(うこっけい)や東天紅などの美しい鶏たちが境内を優雅に歩いていた。これらは1970年代から奉納されている天然記念物で、「神様のおつかい」として大切にされているという。

古代の有力豪族、物部氏(もののべうじ)の総氏神である石上神宮。日本でもっとも古い大社のひとつだ
「白河天皇が寄進した拝殿や、百済(くだら)王がヤマトの王に贈った七支刀(しちしとう)は、国宝に指定されています。境内の建物の多くには、平安時代や鎌倉時代に塗られた色がそのまま残っているんですよ。楼門(ろうもん)には、近代日本陸軍の父とされる山縣有朋(やまがたありとも)の書が掲げられています。奥の本殿は、明治7年(1874年)の発掘調査の後に建てられました」(ガイドの山田さん、以下同)

「山の辺の道」を案内してくれた、ボランティアガイドの山田泰徳(やすのり)さん。資料を手に、歴史背景や由来などをわかりやすく説明してくれた
石上神社を出て、山田さんの案内のもと山の辺の道に足を踏みいれる。
「天理市内には、1700基近くの古墳が残っているんです。奈良県は昔、湖の底にありました。その湖のほとりに沿って山の辺の道が通っていて、その周辺に縄文遺跡や弥生遺跡が点在しているんです」
“日本最古の道”と聞き、うっそうとした森を通る静かな古道をイメージしていた筆者。もちろんなだらかな坂道などもあるが、民家や田畑の間を縫う現役の農道であり、生活道路でもあることに驚く。古墳時代の人々と同じ道を通りながら、王たちが眠る古墳とともに現代の人々が日常生活を送っているなんて……。大和地方のライフスタイル、歴史ロマンすぎる。

今回歩いたのは、比較的平坦で歩きやすいコース。森や田園風景など、気持ちのよい緑の風景を眺めながら進む

道ばたにある直売所。新タマネギが「オニオンヌーボ」とは、オシャレすぎ! しかも1袋100円。インゲンもたっぷり入って100円で、即挿入してしまった
古墳や石碑、古社をながめながらのんびり歩くこと2時間弱、ゴールの長岳寺に到着した。
「長岳寺は1200年ほど前に、弘法大師がひらいたお寺です。本尊は阿弥陀三尊像で、目に水晶が入った日本最古の仏さまなんですよ。江戸時代に描かれた『大地獄絵』や、全国紅葉百選に選ばれた秋の風景、四季折々の花なども有名です」

「花と文化財の寺」として知られる長岳寺。初夏に本堂前の池に花開くカキツバタは、極楽浄土のような絶景と称される
花が咲き乱れる長岳寺でガイドさんと別れ、山の辺の道ハイキングの拠点として整備された「天理市トレイルセンター」に向かう。施設内の「洋食Katsui 山の辺の道」は、地域のマダムたちに大人気の本格洋食レストラン&カフェ。満席のテーブルには黒毛和牛ロースの網焼き定食やエビフライ定食などが載っており、どれもとってもおいしそう! もともとは大阪・心斎橋で人気だった洋食店で、2018年にこちらに移転してきたそう。濃厚なデミグラスソースで煮込まれたビーフシチューは、ホロホロと口のなかでとろける旨さ。散策の疲れが、すっかり吹き飛んでしまった。

ビーフシチューは心斎橋時代からのメニュー。天理駅前の人気ベーカリーから届くバケットや、つけあわせのビシソワーズなども絶品だ
文化財の修復を見学し、地域の名産をショッピング
奈良県天理市の古代ロマンを巡る旅のしめくくりに、道の駅に併設された「なら歴史芸術文化村」へ向かう。2022年3月にオープンした、文化財の修復作業を一般公開するためにつくられた日本初の施設だ。館内には「仏像等彫刻」「絵画・書跡等」「歴史的建造物」「考古遺物」の4つの修復工房があり、大切な文化財の修理がおこなわれている。
施設の大きな目的は、文化財の価値を損なわずに修復して未来につなげること。学芸員や担当職員が修復工程や技術を解説してくれる、「修復工房見学ツアー」も開催されている。「歴史的建造物」では県指定文化財の建物を解体して修理し、組み立てるという壮大な作業を見学。この日は江戸時代につくられた建物を修復していた。腐ってグスグスになった木に新しい木材を補い、部材をできる限り残しながら修復しているという。

施設内では、ガラス越しにさまざまな修復作業を見学できる
美術工芸品の修復工房では、掛け軸や襖、屏風などを技術者集団が修復・復元。古文書は紙漉(す)きして穴を埋めるなど、繊細で手間のかかる作業がおこなわれていた。仏像は一度解体してから、修理しながら組みつけるとか。解体してみると、内側の木材に制作や修理に関わった人たちの名前が書いてあることもあるそうだ。時空を超えたプロフェッショナル同士のコミュニケーションに、なんだかほっこりしてしまう。
なら歴史芸術文化には、特産品が買える「文化村にぎわい市場」が併設されている。店内には 周辺で採れた旬の野菜や大和牛に三輪そうめん、奈良漬に地酒と、地元の味がたくさん並んでいた。奈良筆や木工品などの伝統工芸品も揃っていて、眺めているだけでも楽しい。壮大な歴史ロマンにどっぷり浸れる、奈良・天理市。知られざる日本を知るのに、ぴったりのトリップ先だった。
Text & Photo:萩原はるな




