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ヨーロッパの歴史を変えた「カール大帝の戴冠」のまち、ドイツのパーダーボルンで、秋の恵みを満喫!
ヨーロッパの歴史を変えた「カール大帝の戴冠」のまち、ドイツのパーダーボルンで、秋の恵みを満喫!
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ヨーロッパの歴史を変えた「カール大帝の戴冠」のまち、ドイツのパーダーボルンで、秋の恵みを満喫!

中世の城や石畳の街並みがいまもあちこちに残るドイツ。西部のまち、パーダーボルンもそのひとつです。「パーダー川の源流」を意味するここには200もの湧水池があり、そこから流れ出る全長4㎞ほどのパーダー川がまちを潤し、人びとに憩いのときをもたらしています。そして夕暮れになると、市民たちは広場で音楽に合わせて踊るのです。自然と歴史、そして人々の暮らしが心地よく重なり合うこのまちは、訪れる者に安らぎを与えてくれます。

ヨーロッパの原点と、シルクロードが運んだ「三兎共耳」

13世紀に一度火災で消失し、その後再建された大聖堂

パーダーボルンの歴史は、カール大帝がこの地に滞在した西暦799年に大きく動いた。当時、ザクセン人との長い戦いを続けていたカール大帝にとって、このまちは重要な拠点。そんなときに、ローマの反乱から逃れてきた教皇レオ3世がカール大帝に救援を要請した。この歴史的な会見が、ヨーロッパの運命を変えることになる。

カール大帝は教皇を保護する見返りとして、自分を皇帝として戴冠させるよう求めた。翌800年、カール大帝の戴冠式がおこなわれ、キリスト教を柱とする神聖ローマ帝国が築かれるきっかけとなった。まちの中心にそびえるパーダーボルン大聖堂は、そんな歴史を物語るシンボル。パーダーボルンへの旅は、ヨーロッパとパーダー川の原流をたどる旅でもあるのだ。

パーダーボルン大聖堂の中庭には、「3羽のウサギの窓」がある。3つの耳を共有する3羽のウサギたちが輪になって跳びはねるユニークな意匠を施した装飾窓だ。

中央が、3羽のウサギの窓

この意匠は6〜7世紀ごろに中国で吉祥文様と呼ばれ親しまれていた。それがシルクロードを経て、まず中東に伝わり、そこからヨーロッパに伝来したとされる。ヨーロッパではこの3羽のウサギがキリスト教の「三位一体」を象徴するものとして、新たな意味を宿した。

水と緑に抱かれるバーダーボルンの暮らし

パーダーボルンの中心部には、毎秒約5000Lもの水が湧き出す水源域と、それを囲むように設えた緑地がある。ここは市民たちの待ち合わせ場所であり、自然と触れ合える憩いの空間だ。水辺には遊歩道やベンチが整えられ、散歩やジョギングを楽しむ人々の姿が絶えない。

まちの中心を流れるパーダー川のほとりで、市民たちがくつろぐ

川にせり出したウッドデッキでまどろむオジサマ

目抜き通りには流行のショップやレストラン、カフェが軒を連ね、若者で賑わう

地元の人々で賑わうメインストリートのキサウ通りは、伝統的なビアハウスから郷土料理のレストランまでが軒を連ねる。夕暮れどきには、各店のテラス席から笑い声とグラスを合わせる音が響いてくる。そんなまちでぜひ食べたいのがドイツやオーストリアの名物料理「シュニッツェル」。薄く叩いた豚肉を、キメ細かいパン粉で包んで揚げ焼きにしたカツレツだ。この日いただいたシュニッツェルには、パーダーボルン近郊でよく採れるキノコ「アンズタケ」のクリームソースがかけられていた。つけ合わせはバター風味のシュペッツレ(パスタに似た卵麺)との洋ナシのクランベリーソース添え。大満足のひと皿だった。

Photo & Text:鈴木博美 協力:ドイツ観光局

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