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「よさこい」踊って、「おきゃく」で酔っちょれ!美食と美酒、餃子でシメる高知の長い夜
「よさこい」踊って、「おきゃく」で酔っちょれ!美食と美酒、餃子でシメる高知の長い夜
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「よさこい」踊って、「おきゃく」で酔っちょれ!美食と美酒、餃子でシメる高知の長い夜

「極上の田舎、高知。」をコンセプトに、土地の魅力をアピールするキャンペーンを実施している高知県。その一環としてつくられたのが、高知の魅力満載の「どっぷり高知かるた」です。46枚の札には、高知の名所や名物のほか、さまざまな高知“あるある”が凝縮。キュートなイラストが描かれたかるたをガイドに、土佐の魅力を探る旅に出かけました。第2回では、飲んで食べて騒いで楽しむ、高知のナイトライフをご紹介します。

──第1回「かつおのタタキ編」はこちら──

飲んで踊って高知の夜は更けていく

北は四国山地、南は太平洋に面し、森林率が日本一高い緑豊かな高知県。カツオのタタキなどのグルメ、ユズなどの特産品に坂本龍馬像、高知城、四万十川などの名所があり、その吸引力にハマってしまったリピーターが続出しているという。「高知かるた」にも描かれている“かつお愛”にあふれる漁師町久礼と、雲の上の図書館が有名な梼原町を訪れた後に、高知の魅力を体感できるホテル「OMO7高知 by 星野リゾート」にチェックイン。高知の恵みたっぷりのディナーブッフェを堪能し、さらなる夜の楽しみに備えることにした。

「OMO」は、ご存じ星野リゾートによる街ナカホテル。それぞれの都市に伝わるもてなし文化が体感できるよう、さまざまな工夫がされているという。館内には徒歩圏内のディープな情報が集まるご近所マップや名産品が買えるショップのほか、その土地ならではのアクティビティが用意されていた。

OMO7高知では、独自の宴会文化「おきゃく」を学ぶ講座や、「ご近所アクティビティ」として歴史ある日曜市のガイドツアーなどを実施。事前におきゃく文化を体験できる「酔っちょれセット」を予約しておけば、土佐っ子が誇るおいしい日本酒を、地のものをつかったおつまみとともに、部屋でゆっくり楽しめる。

カツオやローストビーフ、鰹節×ナッツ、刺身こんにゃくなど気の利いたおつまみの盛り合わせ。淡麗辛口のすっきりとした地酒が、ついつい進んでしまう

かるたに「 吞んべえが 楽しむさまは 鯨海酔候」とあるように、酒豪が多い高知。春には、飲みっぷりを競う祭りが開かれるほどだ。ちなみに「鯨海酔侯」とは、大の酒好きだった土佐藩第15代藩主山内容堂が「鯨がいる海の酔っ払い殿様」と名乗ったことが由来。底がとがったり穴があいていたりしていて、飲み干すまで下に置けないという恐ろしい「べく杯」で酒を楽しむなど、なんとも豪快なお座敷遊びが受け継がれている。

高知の名所や県民性など、さまざまな見どころを46枚に凝縮させた「どっぷり高知かるた」

戦後の荒廃が落ち着きはじめた昭和29年(1954年)8月、市民の健康と繁栄を祈願し、不況を吹き飛ばして商店街の振興を促そうと初開催された「よさこい祭り」。現在では、毎年8月9日から4日間、約1万8000人の踊り子が鳴子(なるこ)を鳴らしながら市内を乱舞している。かるたにも「 惚れちゃった この町、よさこい こうちじん」と詠まれているとおり、土佐っ子の心を熱く燃やすだけでなく、よさこいに魅了されて移住してしまう人がでてくるほどのカーニバルに進化しているのだ。

OMO7高知では、その熱気を体感してもらうべく、よさこい踊りショー「よさこい楽宴LIVE」を夜な夜な開催。民謡「よさこい節」に合わせた日本舞踊や「正調よさこい鳴子踊り」、オリジナル楽曲による迫力の演舞が、館内のパブリックスペースで楽しめる。光の演出や大型スクリーンが駆使され、クライマックスの盛り上がりは最高潮! 思わず体が動いてしまう、お祭り気分が満喫できるライブ体験だった。

踊り子はホテルで働くスタッフたち。観客との一体感が味わえる、エネルギッシュなステージだった

「ひろめ市場」ルールは“相席したら、もう友だち”

適度なお酒とおつまみ、よさこいパフォーマンスで身も心も温まったら、いよいよ高知の街へ! ほろ酔い気分で、「 月曜から みんなが集う ひろめ市場」とかるたで詠まれた屋台村「ひろめ市場」に向かう。ここはかつて土佐藩家老を務めた深尾弘人蕃顕(ふかおひろめしげあき)の屋敷があった場所。それにちなんで場内は「お城下広場」や「龍馬通り」などと名づけられた7つのブロックに分かれている。鮮魚店から精肉店、雑貨・洋服店、飲食店など約60店舗がひしめき、土佐の食文化や商い文化を体感できる。

1998年に誕生したひろめ市場。買う、見る、食べる、飲むなど、さまざまな楽しみ方を提供

さながら屋台村や巨大なフードコートのようなつくりで、それぞれの飲食店から食べたいもの、飲みたいものを買って、フリースペースの長テーブル、椅子で味わうというスタイル。いたるところでジョッキやコップが掲げられ、空にされている。飲食店屋台を覗くと、カツオのタタキやウツボの唐揚げ(とっても美味!)、あおさの天ぷら、焼きサバ寿司、鯨の竜田揚げと、高知の“うまいもん”がズラリと並んでいた。

つまみはもちろん、生ビールに焼酎、地酒など、アルコール類が大充実。柑橘(かんきつ)王国らしく、ユズやカボスをつかったサワーも楽しめる

場内は「久しぶり〜!」と声をかけ合う地元の人びとから観光客、インバウンド客までが入り交じって大盛況。空いている席を見つけるのも苦労するほどだから相席になることも多く、見知らぬ者同士が酒を酌み交わしているうち、すっかり盛り上がったとおぼしきテーブルも見られた。珍しい地のつまみとおいしいお酒で、みんな仲よくなって、いい気分! さすが南国土佐、人なつっこくおおらかな人が多いのだ。

2〜3杯飲んだあとに「明日も仕事あるからなぁ」と、後ろ髪をひかれつつひろめ市場を後にする。酔い覚ましにホテルまで歩いて帰ることにしたが、途中、人だかりがする赤提灯(あかちょうちん)に出くわしてしまった。店を覗いてみると、かるたにあった「 エンドレス 餃子に並ぶ 高知の夜」そのままに、多くの地元民たちが、シメの餃子を楽しんでいるではないか。

郷に入ったら郷に従えとばかりに、赤い看板が目印の餃子店に足を踏みいれる。ま、また食べるの(そして飲むの)、私!?

高知名物、「安兵衛」の屋台餃子。ひろめ市場内にも店舗がある

飲みのシメの定番といえばラーメンだが、高知では屋台の餃子がお約束。運ばれてきた餃子はかわいらしいサイズで、こんがり色づいて見るからに香ばしそう。口に運ぶと、薄めの皮はサクサク軽やか、中には野菜たっぷりの餡(あん)が入り、あっさり食べやすい。聞けば、高知県はユズやナスの生産地として有名だが、餃子の具に入っているニラとショウガの生産量も日本一らしい。地産地消の野菜パワーのしわざか、危険なほどに箸が進んでしまった。

郷土料理とおいしいお酒、おおらかな県民性と、魅力たっぷりの夜の高知。お腹も心もいっぱい、幸せな気分で一日を締めくくれたのだった。

──次回は、さらにディープな高知をお届けします──

photo&text:萩原はるな

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