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絶品のワラ焼きカツオに舌鼓! 極上の田舎が体感できる「高知かるた」の旅へ
絶品のワラ焼きカツオに舌鼓! 極上の田舎が体感できる「高知かるた」の旅へ
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絶品のワラ焼きカツオに舌鼓! 極上の田舎が体感できる「高知かるた」の旅へ

北は四国山地、南は太平洋に面した緑豊かな高知県。カツオのたたき、ゆずなどのグルメに坂本龍馬像、高知城とさまざまな名所があり、その吸引力にハマってしまったリピーターが続出しているとか! そんな高知ならではの魅力をどっぷり感じられるのが、このたび完成した「高知かるた」です。高知の名所や名物のほか、高知“あるある”が凝縮されたかるたをガイドに、土佐の魅力を探りに行きました(第1回)。

赤身がしっとり、意外にアッサリでどんどん食べてしまう! 絶品の土佐久礼かつお」

四国地方の南西部に位置する高知県は、太平洋に面した長い海岸線が特徴。海のイメージが強いものの、山地率はなんと89%。山国日本において、一番山深い県でもあるのだ。そんな大自然が魅力の高知には、山海のおいしいものがいっぱい。坂本龍馬ら幕末の志士を輩出したかつての土佐藩でもあり、よさこい祭りや日曜市など、長年受け継がれてきた独自の文化が根づく町だ。

そんな高知の魅力をアピールするべく生まれたのが「高知かるた」。約2ヵ月間、県内外で開催したイベントやオンラインでその魅力や“あるある”を一般公募し、46のネタを選出したという。読み札では、そのコンテンツを五七五のリズムで紹介。裏面には詳しい解説があり、高知の観光ガイドとしてもつかえるのだ。

高知県を愛する多くの人がネタを応募、その総数は1000件以上! カラフルでかわいらしい絵札は、滋賀県出身のイラストレーターYU FUKAGAWAさんによるもの

「あ 足摺(あしずり)まで わざわざ食べに 清水サバ」からスタートする高知かるたの大トリを飾るのは、「ん うんと好き なめたらいかん かつお愛」の札。高知といえば、やっぱりカツオ! というわけで、中土佐町の久礼(くれ)に向かうことにする。ここは400年以上前からカツオの一本釣り漁が行われている、昔ながらの漁師町。一本釣りはカツオに傷がつかないうえに鮮度も抜群で、群れを獲り尽くさないサステナブルな漁法なのだ。

港の近くにはカツオ&カツオのタタキの絵馬が奉納された久礼八幡宮があり、さらに歩くと久礼大正町市場に到着。ここでは、日々釣りたての新鮮なカツオが運ばれてくるという。市場内の田中鮮魚店では、届いたカツオを捌いてワラでサッと炙り、切り分けたタタキを併設の食堂で提供している。

「ワラで表面を炙ると、カツオの香りが柔らかくなるんです。煙で燻製のように火を入れていくところもあるけれど、うちは1分もかけずに表面だけを焦がすスタイル。漁師はせっかちだからね、昔は船のうえでサッと炙って、すぐに食べていたんだよ」(田中鮮魚店社長の田中隆博さん)

「NO KATSUO NO LIFE」のTシャツを着て新鮮なカツオを掲げる田中さん。久礼大正町市場には日本一おいしいカツオを求めて、県内外から年間40万人以上のカツオファンが訪れる

「久礼では『釣るプロ』が釣ったカツオを、『売るプロ』である私たち鮮魚店が見分けて、味のわかる『食べるプロ』の町民に提供しています。ここでは、赤身がおいしく綺麗なカツオでないと許されない。10本のうち2本はハズレで、魚屋さんがおいしくない魚を目視と触診で見分けているんです」(田中さん)

プリプリでツヤツヤのカツオを、熟練の魚屋さんがみるみるうちに捌(さば)いていく。世界的に人気が高まるマグロとは違い、カツオはまだまだローカルフィッシュ。世界的には数を減らしているものの、高知沿岸で獲れる量に変化はないそうだ

捌いたカツオは、天日干しした米のワラで炙る。地元では獲れたてのカツオを刺身で食べ、2割をタタキにして味変を楽しむという

「漁師たちは船上で塩などで味わい、家ではいろいろなタレにつけてカツオを食べています。食堂では、ユズ酢がたっぷり入ったタレと、塩にニンニクスライスを添えてワラ焼きのタタキを提供。カツオは捕れる場所によって、脂の乗り方が違うんです。久礼のカツオは赤身にキレがある、さっぱりした味わいが特徴なんですよ」(田中さん)

いそいそと食堂に移動して、炙りたてのカツオが登場するのを待つ。ほどなく、大皿に盛られたタタキが登場! ダイコンのツマの上にタタキが美しく並び、青ネギの小口切りがたっぷり乗っている。カツオのタタキというと、薬味をどっさり乗せてショウガ醤油またはショウガポン酢でいただくイメージだが、ショウガはどこにもない。臭みがないから、ショウガはいらないということか。さっそく、ツヤツヤのカツオに塩をつけてパクリ。特有の生臭みがまったくなく、濃厚なのに後味はさっぱり。ニンニクの辛みがまたよく合う! ユズ酢入りのタレも限りなくさわやかで、あっという間に完食してしまった。

隈研吾が木造建築に目覚めた「雲の上の町」

身も心も腹も満たされて向かったのは、雲の上の町と呼ばれる梼原(ゆすはら)町だ。「人と自然が共生し輝く梼原構想」を掲げ、その中核施設として梼原町立図書館をつくったという。梼原町産の木材がつかわれているという別名「雲の上の図書館」は、とってもスタイリッシュ!

それもそのはず、設計を担当したのは世界的な建築家、隈研吾。高知県梼原町の古い芝居小屋「ゆすはら座」と出合ったことがきっかけで、隈氏は木造建築の魅力を再確認したという。その縁がきっかけで、梼原町内には5つの隈研吾作品が点在する。雲の上の町は、隈研吾ミュージアムでもあるのだ。

2018年に梼原町初の図書館として、かつての小学校のグランドに建設された

この知られざる名所は、もちろん高知かるたにも登場。「ね 寝転んで 本読む心地は 雲の上」の札には、快適な空間でリラックスしながら読書を楽しんでほしい、という隈氏の願いも表現されている。館内は町産杉のフローリングが敷かれ、靴を脱いで入るスタイル。蔵書は五十音順でなく、独自の分類で並んでいた。本棚の間には、フィギュアでおなじみの海洋堂によるオリジナルのジオラマコーナーがあり、ぶらぶら歩き回るだけでも楽しい。

天窓から光が差し込む、明るい空間が広がる。館内のエネルギーは、太陽光と風力発電でまかなわれている

図書館がある地点は標高400mほどだが、梼原町は200〜1450mまでの標高に分布している。館内のデザインは、緑豊かな棚田が広がる町の風景や里山の自然を表現。階段状に本が並び、天井には森をモチーフにした木組みが施されている。まるで森の中で読書しているような感覚が味わえるが、伝統工法の木組みに、大工さんたちはかなり苦労したそうだ。

高知の夜を楽しむべく「OMO7高知 by 星野リゾート」にチェックイン

雲の上の町を後にし、土佐藩の中心でもあった高知の市街地に向かう。目的地は、高知の魅力を体感できるホテル「OMO7高知 by 星野リゾート」だ。「OMO」は星野リゾートによる街ナカホテルで、その都市ならではの、もてなし文化を提供。徒歩圏内のディープな情報が集まるご近所マップや名産が並ぶショップ、高知の宴会文化「おきゃく」を学ぶ講座などのアクティビティが用意されている。

客室には、ちゃぶ台が置かれたくつろぎスペースがある。土佐犬たちが宴会を楽しむようすを描いた、壁のイラストがキュート

大皿に山海の恵みを盛りつけるのが、高知県の皿鉢(さわち)料理。ブッフェスタイルのダイニングでは、好きなモノを好きなだけ選び取って、「マイ皿鉢」をつくれて楽しい

ディナーは、高知の郷土料理がブッフェスタイルで味わえる「OMOダイニング」でいただくことにする。目の前でワラ焼きしてくれるカツオのタタキに、つくりたての芋ケンピ、高知名物の屋台餃子と、ご当地グルメが満載! 昼にあれだけ食べたのに、またまたカツオに手が伸びる。本当にさっぱりして、おいしいのだ。

柑橘王国の高知らしく、ゆず果汁をつかったキビナゴのエスカベッシュや、3種類のポン酢が添えられた蒸し豚&野菜などもとっても美味。高知って本当に豊かなところなんだなあ、とあらためて実感したブッフェだった。

──次回は、高知の夜の魅力をお届けします──

photo&text:萩原はるな

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