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地域の子どもと大人を結ぶ「子ども食堂」、あなたも応援してみませんか?
地域の子どもと大人を結ぶ「子ども食堂」、あなたも応援してみませんか?
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地域の子どもと大人を結ぶ「子ども食堂」、あなたも応援してみませんか?

私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションを集めました。毎日の暮らしでできることから新たな世界での体験まで、できそうなこと、やりたいことから探してみましょう。今回は、「育(はぐく)む」アクションの一例をご紹介します。

地域の子どもをみんなで見守る。
ただそれだけで、何かが変わる

オープン以来4年間、毎日メニューを替えて調理するシェフの「なおちゃん」。「子どもたちが通ってくれないと意味がない」という考えから、有給でプロの料理人を雇っている

「子ども食堂」とは、自治体や企業、地域住民が主体となり、無料または低価格で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場。貧困や孤食など、子どもが抱えるさまざまな社会問題を、食の面から解決していこうとする取り組みだ。

この日のメニューは鶏の黒酢あんかけなど。大人が食べても大満足の味

西東京市にある「おひさまキッチン」は、同市を拠点に土木や建築、インテリア販売事業を展開する大熊工業が支援する子ども食堂。平日は毎日オープンし、中学生までは10円、高校生以上は300円で食事を提供している。日替わりのメニューはすべてプロの料理人によるもの。その味とアットホームな雰囲気が人気を呼び、ときには行列ができるほどだ。

残さず食べ、食器を洗って片づけた子だけがスナック菓子とアイスクリームをもらえる。「少しでも残したらダメ」と、なおちゃん。食育だけでなく、悪いことをしたらきちんと叱ることも忘れない。

運営資金の多くは大熊工業の取引先や地域の人たちからの寄付。お米や野菜を届けてくれる地元農家や、余ったケーキを分けてくれる洋菓子店、家庭の余剰食材や調味料を提供してくれる人もいる。通りがかった人が、そっと寄付箱に募金してくれることも少なくない。

店内には楽しげなメニュー表。月に一度の「豪華な日」や「みんなでバースデー」などのイベントも

「困窮する子だけのためではなく、すべての子どもたちが人と関わり、成長できる場所でありたい」と大熊工業代表の大熊英樹さん。「子ども食堂に行くのは恥ずかしい」という気持ちを取り除くため、明るくオープンな食堂づくりに力を注いできた。学校終わりに待ち合わせしてやってくる小学生、仕事帰りの母親と来る子、塾前にサッと食べていく中学生。みんな顔なじみで、食後にもらえるアイスを食べながら、にこやかに帰っていく。子ども食堂は、地域の大人と子どもたちに、新しい関係性が生まれる場所だった。

年下の子を世話したり、違う学校同士で仲よくなったり。子どもたちの輪が自然と広がっていく。現在、子ども食堂は全国に6000ヵ所以上あり、2019年から3倍ほどに増加している

食材やお金の寄付でもいいし、そこに集う子どもたちに温かい眼差しを向けるだけでもいい。地域の一員として存在を知り、気にかけること。それが子ども食堂を応援する第一歩になる。

●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Photo:Sana Kondo Text:Yuriko Kobayashi Edit:Shiori Fujii
Composition:林愛子

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