トミヤマユキコが選ぶ3冊「お金の怖さを教えてくれる漫画」
自分だけが心地よくなるためのお金から、社会や環境、その先にある未来をも豊かにするお金へ。お金の使い方やその流れを変えることは、世界のさまざまな課題解決を後押しする大きな力になると多くの人が気づきはじめています。今回は、お金の本当の姿がわかる本を、ライターのトミヤマユキコさんに選んでいただきました。
「人間にとってお金とは何なのかという究極の問いを、極限まで煮詰めたものを飲まされるようなシビれる感覚を味わえたり、見栄っ張りなOLの人生を通してお金の恐ろしさを知ったり、継続的につかう方法を学んだり。いつでも手に取りやすい身近な存在の漫画には、お金について考えるヒントがちりばめられています(トミヤマユキコ)」
『銭ゲバ』
ジョージ秋山/著
金がすべてだといわんばかりに、何にでも手を出して上り詰めていく風太郎から目が離せません。たいていの人間はお金の前では無力! 金は権力でもあるので、その魅力に取り憑かれてしまうと、もう後戻りはできないんでしょうね……。(幻冬舎)
『ヘルタースケルター』
岡崎京子/著
全身整形で人気モデルの座を手に入れた女の物語。整形手術後のメンテナンス費を捻出できず、大変なことになっている女性たちが出てきてゾッとしてしまいます。長期的・継続的なお金の使い方を知らないと人生詰むなと教えられる一冊。(祥伝社)
『闇金ウシジマくん』
真鍋昌平/著
恐ろしい高利で金を貸しつけている丑嶋と彼の客が繰り広げる、重くてエグい闇金ライフ物語。まずは第1巻の「若い女くん」だけでも読んでほしい! どこまでも続いていく負のスパイラルにビビることで、健全な金銭感覚を養えるはず。(小学館)
PROFILE
トミヤマユキコ
ライター。東北芸術工科大学芸術学部講師。女性誌などに漫画に関する連載を持つ。著書に少女漫画に出てくるブサイク女子について考察した『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)など。
●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Text:Marie Takada Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子