芦田愛菜、二十歳で「国連開発計画親善大使」に就任!「いま行動を起こさなければ、人類絶滅の可能性も!!」
俳優の芦田愛菜さん(20歳)が国連開発計画(UNDP)親善大使に就任し、2025年3月6日に、東京都内で記者会見がおこなわれました。会見にはUNDP駐日代表のバジアリッチ秀子さんや、27年間親善大使を務めた俳優の紺野美沙子さんも登壇し就任を祝福。大学生でもある芦田さんは紺野さんの“後継大使”として、意気込みを語りました。
“恐竜たちの言葉”に心を揺さぶられ
UNDPは、国連の主要機関のひとつで、貧困や格差、気候変動などの課題に取り組む国際的な組織だ。UNDPはこのほど、日本での活動する「国内親善大使」ポストを新設、芦田さんがその第1号に任命されたというわけだ。同時に、紺野さんも27年間務めた親善大使を退任することになったため、その後継者という意味合いもある。
記者発表会の冒頭には、UNDPのPR動画が流れた。その内容は、国連総会議場に突如恐竜が現れて「絶滅を選ぶな」「手遅れになる前に人類を救え」と訴えるというもの。この映像に、芦田さんは強く心を揺さぶられたという。
「『絶滅を選ぶな』という言葉が心に響きました。世界の気温上昇を1.5℃以内に抑えられるかどうかは、今後の数年間が勝負。もし行動を起こさなければ、人類が絶滅する可能性さえあるという現実を突きつけられました。この重要なメッセージが、人間ではなく、すでに絶滅した恐竜の口から語られることで、私たちが直面している問題の深刻さがより鮮明に伝わると感じました。大切な人を想う気持ちと同じように、地球のことも大切にしなければならない、と強く思います」(芦田さん)

今後、芦田さんはUNDP国内親善大使として、気候変動や環境問題に関する国内向けの啓発活動を担当していく予定だ。
「これから皆さんと一緒に学び、気候変動という大きな課題に向き合っていきたいと思っています。私たちには〝絶滅を選ぶ〟のではなく〝持続可能な未来を選ぶ〟という選択肢があります。その未来に向かって、少しずつでも前に進んでいけるように、UNDPの活動に積極的に取り組んでいきたいです」
「マイバッグを持つとか、自分にできることから」

UNDP駐日代表のバジアリッチ秀子さん(写真左)は、気候変動がもたらす影響について次のように説明した。
「気候変動は、食料危機や水不足、紛争など多くの問題とつながっています。さらに、私たちの生活にも直接影響を与えているのです。実際に、気候変動の影響で、かつて当たり前だったことが当たり前でなくなるという現実があります。私が子どものころは、夏休みに公園で遊んだり、外で思いっきり走り回ったりできました。でもいまは夏の気温が高すぎて、子どもたちが日中外で遊ぶことが難しくなっています。夏休みのプールが中止になったり、夏の(高校野球)甲子園球場での試合が、昼間ではなく夕方や夜におこなわれるようになったりしているでしょう?」
これを受けて、「気候変動がこんなに身近な問題だったとは。あらためて驚きました」と芦田さん。
「私も、まずは日常生活の中でできることから始めたいと思います。たとえば、買いもののときにマイバッグを持つとか、少しずつ自分にできることを探すようにしています」(芦田さん)
前親善大使の紺野美沙子も期待!
近年、気候変動問題に関心はあるものの、「意識高い系」と揶揄(やゆ)されるのがイヤで、行動をためらう若者も多いという指摘がある。この点について、芦田さんとバジアリッチさんで以下のようなやり取りもあった。
芦田「その気持ち、すごくわかります。でも、よいことは堂々とよいと言っていい。誰かにどう思われるかよりも、自分がどうしたいかを大切にしたいです。まずは現状を知ることが大切ですし、小さなことからが始めるだけでも意味があると思います」
バジアリッチ「本当にその通りですね。最近は、SDGsに関心を持つ若者も増えてきています。芦田さんのような存在が、より多くの人に影響を与えることを大いに期待しています。親善大使としての発信力を活かし、とくに若い世代に向けて、環境問題や気候変動の重要性を伝えてほしい」
芦田「これからも学びながら、少しずつ行動していきたいです。まだまだ学ぶことは多いですが、自分にできることをひとつずつ実践し、発信していきたいと思います」

27年間親善大使を務めた俳優の紺野美沙子さん(上写真・右端)は、事前に芦田さんから自筆の手紙を受け取ったことを明かし、
「読んだときにウルウルしちゃった。まだ二十歳(はたち)なのに、こんなに真剣に考えてくださっていて。愛菜さんのような方にバトンタッチできることを、本当にうれしく思います。彼女なら、きっと多くの人に大切なメッセージを届けてくれると信じています」
と期待を寄せる。
そして任命書にサインを終えた芦田さんは、UNDP国内親善大使としての第一歩を踏み出した──。
Photo:藤谷清美 Text:佐藤美由紀