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風水害から命を守るために!知っておきたい「防災アイデア」
風水害から命を守るために!知っておきたい「防災アイデア」
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風水害から命を守るために!知っておきたい「防災アイデア」

今後、ますます増えると予想される大雨や台風。でも、それらによる被害は、しっかりとした備えで防げます。風水害から命を守るために知っておきたい、心とモノの備えをご紹介します。

01:ハザードマップを確認する

気象予測が進化したいま、早い段階で大雨や台風の発生情報が手に入ります。けれど「いつ、どこで」をピンポイントに予測するのは難しいこと。自分の身を守るためには、住んでいるエリアに浸水や土砂災害など、どんな危険があるかを知っておくことが欠かせません。各種自然災害が発生した際の被害を予測した地図や地域指定の避難場所をチェックできる「ハザードマップ」は必ず見て、リスクを知っておくのが第一歩です。

▼見やすくてオススメは「重ねるハザードマップ」

02:自宅周辺の地形をチェック

土地には災害に強い土地と弱い土地があります。川底から高さのない土地や山を切り崩してつくった土地、山間の扇状地、埋め立て地などでは浸水や洪水、土砂災害の危険性が高まります。そうした土地の特徴は、国土地理院のウェブ地図「地理院地図」で確認可能。また地名に「沼」など水に関連する漢字が入っている場合は、かつてそこが湿地帯などの氾濫地帯だったことを示している可能性も。過去の災害について調べてみるのもいいでしょう。

03:集合住宅の設備を知る

「マンションの高層階に住んでいるから大丈夫!」。いいえ、100%そうとはいえません。多くのマンションはポンプの力をつかって各戸に水を届けています。マンション全体の電気設備が下層階にあり浸水した場合は停電になり、電気はおろか、ポンプも停止して断水に陥ることも。エレベーターの停止も大問題です。給水方式や電気設備の設置場所の確認、断水時に水を得られる「非常用給水栓」や非常用電源の有無などを確認しておきましょう。

04:「避難場所」と「避難所」の違いを知る

災害が起きた時の避難先には大きく分けて「避難場所」と「避難所」があります。「避難場所」とは災害時に身の安全を確保するために避難する場所。「避難所」とは被災後に自宅での生活を続けられない人が一定期間滞在する居住空間のことです。「避難場所」には公園や学校などが指定されていることが多いですが、災害の種類によって場所が変わることも。ハザードマップでは災害種別ごとの避難場所を確認できるので要チェック。

05:自分に合った避難の仕方を考えておく

そもそも「避難」とは「安全を確保する」ということで、「避難場所や避難所に行く」こととイコールではありません。場合によっては自宅に留まり安全を確保する「在宅避難」が有効な場合もあるので、自分の住んでいる地域が抱えるリスクや地形の特徴、リアルタイムの災害情報や、家族構成など、さまざまな要因を加味したうえで判断することが重要です。下のフローチャートを参考に家族で話し合い、シミュレーションしてみてください。

出典:内閣府「令和元年台風第19号等を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について(報告)」(令和2年3月31日公表)をもとに作成

※(例外)浸水の危険があっても、次の条件をすべて満たす場合は自宅に留まり、安全を確保することも可能。①洪水により家屋が倒壊または崩落する恐れが高い区域外である。②浸水する深さよりも高いところに居室がある。③浸水しても水が引くまで持ちこたえられる水、食料、燃料などの備蓄が自宅に十分にある。

06:警戒レベルや警報を知る

災害の危険性が予想される場合、国や市区町村、気象庁などから様々な警戒情報が発せられます。種類が多くて混乱しがちなので、下の図を参考に、警戒レベルや警報の危険度について知り、実際の行動を考え、家族と話し合っておきましょう。

高齢者や体の不自由な人、ペットがいるなど、自宅を離れる際に時間がかかる場合は、警戒レベルが上がる前に行動を開始するなど、原則にとらわれず、自分や自分の家族に合った避難行動の指針をつくっておくことが大切です。

07:避難所の生活を想像する

避難所での1人あたりのスペースは平均で1畳ほど。プライバシーの確保が難しく、感染症のリスクも高まるため、「避難所に行けば安心」とは言い切れません。災害発生直後は人命救助優先のため食料などの支援物資も届きづらいので、1~3日間は自力で生活できる程度の「非常用持ち出し袋」が必要。知人や親戚の家、ホテルなどに身を寄せた方が安心・快適に避難生活を送れる場合もあります。一度、避難所での生活を想像してみよう。

08:災害時の情報源をチェック

災害時にはテレビやインターネットなどの情報源が断たれることも予想されます。刻々と変わる災害情報は命を守るために欠かせないもの。乾電池で使えるラジオを用意する、非常時でも比較的つながりやすいSNSのアカウントをつくっておくなどの対策を。災害時はデマが流れることもあるので、気象庁や自治体など公的機関が運営するアカウントや防災アプリをはじめ、信頼できる情報源をフォロー・ダウンロードしておくと安心です。

09:家の中を安全に保つ準備

台風など、強い風が予想される場合は、飛んできたものがガラスに当たって割れる危険性も。飛び散ったガラスが体に刺さると命にかかわることもあります。ベランダにある鉢植えや洗濯用品を片づけたり、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るなどの対策を抜かりなく。台風情報が出ると、ホームセンターなどで養生テープやガムテープが売り切れることも。日頃から準備し、テープの適切な貼り方などを確認しておくと、焦らずにすみますよ。

10:枕元の防災セットづくり

夜、寝ているときに突然停電になると、焦っているのと周囲が見えないのとで、ケガをすることも。もしものときに備えて、枕元のすぐ手の届く場所に最低限の避難グッズを用意しておきましょう。ケースに入れたメガネ、スリッパ、小型の懐中電灯やヘッドライト、革手袋、常備薬、ホイッスルを入れておくと、地震などの突発的な災害時にも役立ちます。携帯電話もすぐ手に取れる場所で充電しましょう。

▼つづく

●情報は、『FRaU SDGs MOOK 話そう、気候危機のこと。』発売時点のものです(2022年10月)。
※参考文献:『“今”からできる! 日常防災』(池田書店)、『保存版 新しい防災のきほん事典』(朝日新聞出版)
Illustration:Tadashi Nishiwaki Text & Edit:Yuriko Kobayashi Supervision:Hirokazu Nagata
Composition:林愛子

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