食の宝庫でも!「淡路島」がワーケーションの地として注目される理由【後編】
大都市からのアクセスがよいリゾートアイランドとして、注目度上昇中の兵庫県・淡路島。古の時代には「御食国(みけつくに)」と呼ばれていたというほど、食の宝庫としても知られています。豊富な旬の食材に季節を感じられる淡路島でのワーケーションで、人生の満足度を高めてみませんか。
時間がゆったりと流れる島で働く時間をも堪能する
淡路島は離島と言っても東京23区に近い広さという面積なので、島内を車で一周するのには約4時間ほどかかる。淡路市、洲本市、南あわじ市の3市から成り、それぞれに特徴がある。城下町の雰囲気が残り、温泉地や観光地として知られているのは中央部の洲本市。淡路人形浄瑠璃やうず潮観光で知られているのが南あわじ市。そして、大阪や神戸といった大都市からのアクセスがよく、ワーケーションに適していると注目度が上がっているのが北部の淡路市だ。車で神戸へ約30分、大阪へは約1時間という距離にあるため、通勤や買い物などのための往来が日常的に可能という便利な土地である。
淡路市が積極的に企業を誘致しているため、U・Iターン者も多い。ワーケーションとして訪れた人にとっても過ごしやすい場所なので、その拠点をつくったり、サポートをするような企業・団体も増えている様子。研修・ノマド・情報発信という3つの事業を行う〈ハタラボ島〉もその1つ。地方創生や働き方といった社会的な課題をテーマにした研修を行ったり、サテライトオフィスなどのワークプレイスを運営したり、情報を発信したりしている。そんな新しい働き方を提案するための拠点の第1号が、淡路市長澤にある〈ノマド村〉。
もともとアーティストコミュニティとして、廃校を活用し、地域の観光や活性化に貢献してきた場所だった。遊牧民である“ノマド”と定住地である“村”を合わせた名前からも伝わってくるように、多彩な人々が共有活用し、流動的に変化し続ける、開かれた場を目指しているのだとか。〈ノマド村〉を〈ハタラボ島〉がワークスペースやコミュニケーションの拠点として活用し、広く人々に開放することで、個人と企業、淡路島の内外、業種などの垣根を超えた新しい働き方が広がってきている。
実際に淡路島で過ごしてみれば、澄んだ空気と穏やかな自然に囲まれて都会での疲れが癒やされていく。ワーケーションスポットを活用して働き、海を眺めながら休憩する。食べたいものは無数にあり、おいしい食材はパワーを与えてくれる。晴れた日に瀬戸内海に沈む夕日といったら、「また明日もがんばろう」という気持ちになれる感動的な美しさだ。生活の質が上がれば、きっと創造性も上がる。ストレスがなくなれば人間関係も良好に。自ずと仕事にやりがいも生まれ、その結果、クオリティ・オブ・ライフが向上していく幸せな循環が生まれる。
淡路島 Local Spots & Foods
ノマド村。淡路市長澤にある廃校を活用。棚田の風景や淡路島最古の水車、手掘りのトンネルなどが見られる、のんびりとしたロケーションも魅力。一般利用できるオープンスペースや、和室のオープンスペース、カフェのほか、定期契約で利用するシェアオフィスもある。イベントや会議、ワークショップなども開催されている。兵庫県淡路市長澤727(旧生穂第2小学校) ☎0799-70-1165 https://nomadomura.net
グランドニッコー淡路。建築家・安藤忠雄氏の設計による建築物が点在する〈淡路夢舞台〉のランドマーク的なホテル。明るく開放的な客室にはバルコニーが備わっており、青い海と緑の森という美しい景色が眺められる。吹き抜けの高い天井と窓越しの緑が、まるで公園の中にいるような空間の、2階ロビーラウンジ「ルッチョラ」はWi-Fi環境も整っている。兵庫県淡路市夢舞台2番地 ☎0799-74-1111 https://awaji.grandnikko.com
東浦ターミナルパークの一角にある農産物直売所〈フローラルアイランド〉。毎朝農家の手によって納品され、シェフなどのプロも買い出しに来るそう。☎0799-75-2387
三つ星レストランなどで修業した岡野満氏が、〈アル・ケッチァーノ〉の奥田政行シェフの監修のもとイタリア料理を提供。〈リストランテ・スコーラ〉☎0799-82-1820
〈青海波 古酒の舎〉では、日本酒の熟成技術に注目し、熟成期間10年を超える古酒を厳選した長期熟成古酒「古昔の美酒」を販売。☎0799-70-9020
「淡路サンセットライン」沿いに佇むカフェ〈ミエレザガーデン〉のカスクート。自家製バンズに、淡路島産の玉ねぎや淡路牛などを挟んで。☎0799-70-9031
〈HAL YAMASHITA〉の山下春幸シェフを総合プロデュースとして迎え、淡路島の食材を使った握り寿司と天ぷらが中心の和食レストラン〈青海波青の舎〉。☎0799-70-9022
子育てをきっかけに淡路島へ移住した岡本純一さん夫妻が営む〈Awabi ware〉。☎0799-70-6719
〈Awabi ware〉では、受け継ぐ器をコンセプトに、日用食器を製作・販売している。
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Photo:Kenji Mimura Edit & Text:Shiori Fujii
Composition:林愛子
【こんな記事も読まれています】
パンダと海だけじゃない! 南紀白浜は、なぜ「働く人の聖地」と呼ばれるのか【前編】